
米金融機関が本格参入
米大手金融機関のシティバンクが、2026年に暗号資産(仮想通貨)のカストディ(保管サービス)を開始する計画を明らかにした。
CNBCの報道によると、同行は数年に渡る開発期間を経て、ビットコインやイーサリアムといったデジタル資産を顧客に代わって保管するカストディソリューションを来年中に市場投入する見込みだ。
トランプ政権による暗号資産関連の法改正で米国の規制環境が整備されつつあることを背景に、シティはJPモルガンやバンク・オブ・アメリカといった他のウォール街大手とともに、ステーブルコインの取り扱いを本格検討している。
同行のグローバル・パートナーシップ&イノベーション・サービス責任者であるビスワルップ・チャタジー氏は、資産運用会社などの機関投資家向けにサービスを提供する方針を示した。
シティはハイブリッド戦略を採用し、一部の保管ツールは社内開発する一方で、特定の資産クラスについては外部パートナーとの提携も検討している。「現時点では、いかなる選択肢も排除していない」とチャタジー氏は述べ、柔軟なアプローチを強調した。
ステーブルコイン事業も視野に
このカストディサービスは、シティが進める幅広いデジタル資産戦略の一環となる。
ジェーン・フレイザーCEOは7月の決算説明会で、ステーブルコインの発行も検討していることを明らかにしたが、当面はトークン化された預金に注力する方針を示している。トランプ米政権下での法改正により米国の規制環境が整い始めたことを受け、シティはJPモルガンやバンク・オブ・アメリカなどの他のウォール街大手とともに、ステーブルコインの取り扱いを本格的に検討している。
先週には、シティ・ベンチャーズがビザと共同で、ステーブルコイン決済を手がけるスタートアップ企業BVNKに投資したことも発表された。今回の参入により、シティは暗号資産のバックオフィス業務に進出する伝統的金融機関のグループに加わることになる。
規制に準拠した保管サービスの提供は、機関投資家が暗号資産市場へ本格参入するための重要なインフラとして位置づけられており、ウォール街における暗号資産の主流化に向けた新たな一歩となりそうだ。