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ビットコイン急落の背景は ETF・DAT・ステーブルコインの3大需要が逆転=NYDIGレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

強気の追い風が逆風に

米大手暗号資産(仮想通貨)投資企業NYDIGのグレッグ・シポラロ氏は、10月10日に発生した190億ドル超の清算をきっかけとして、これまでビットコイン(BTC)の上昇を支えてきたETF、仮想通貨トレジャリー(DAT)企業、ステーブルコインという「構造的な追い風」が反転し、逆風に変わったと指摘。

ビットコイン価格の急落は、市場心理の問題ではなく、主要な需要源が一斉に縮小したという構造的な要因によるものだと解説した。

まず、成功を収めたビットコイン現物ETFは、数十億ドル規模の資金流入で強気相場を支えてきたが、流れが急転換し、現在は流出超過が続いている。かつて追い風だったETFフローが、現在は価格にとって明確な逆風になっている。

主要なビットコイン需要源であったDAT市場は著しく減速し、逆転の兆しを見せ始めている。DATは、株式や関連商品を発行して株式の純資産価値(NAV)に対するプレミアムを利用し、ビットコインを安定的に蓄積してきたが、現在、プレミアムは縮小し、多くのDATがNAVを下回る価格で取引されている。

ただし、現時点でDATはまだ財務的に健全であり、利息負担も管理可能、配当停止も可能な構造のため、市場下落が深まっても「真のストレス」に直面するまでには余裕があるとシポラロ氏は付け加えた。

このサイクルでもう一つの重要な柱となったステーブルコインも、同様の兆候を示している。ステーブルコインはこれまで取引や貸付の流動性の基盤として機能してきたが、総供給量が数か月ぶりに減少した。

週次フロー比較(11月21日基準)
BTC ETF:−12億ドル
ETH ETF:−5億ドル
SOL ETF:+1.28億ドル
XRP ETF:+1.79億ドル
出典:SoSoValue(CoinPostが編集済み)

通常、リスクオフ局面では、投資家はボラティリティの高い資産から資金を移して様子を見るため、ステーブルコイン残高は増加する傾向にある。しかし、今回は減少しているため、投資家がエコシステムから完全に資金を引き上げているように見えるとシポラロ氏は指摘。「これは単なるリスク回避ではなく、実際の資本流出を示唆する重要なシグナルだ」と強調している。

さらに、米ストラテジー社やエルサルバドルによるものも含め、ビットコインの大量購入が行われたが、価格下落に歯止めをかけることはできなかったことに言及。以下のように分析した。

これは、現在の環境では、個々の大口買い手からの限界的な需要は、たとえ政治的・象徴的に重要であっても、広範なレバレッジ解消や構造的な資金流出に対抗するほど強くはないことを示している。

反射的ループ

シポラロ氏は、ビットコインの強気サイクルは常に次のような「自己強化型ループ」によって動かされていると説明している。

  1. 新たな構造的需要
  2. 大量の資金流入
  3. ビットコインのストーリーの強化
  4. 政治・規制環境が好転
  5. 価格上昇

今回のサイクルでは、このループはETFへの資金流入、増大するDAT需要、そして主権国家による初期の蓄積の兆候によって推進された。これらの要因が相まって、ビットコインが主流資産に成長しているという強い確信が市場全体に広がっていった。

しかし、10月10日の大規模な清算が明確な転換点となった。一時的なショックと思われたものが、実際には、ETFからの資金流出やDATプレミアムの崩壊、ステーブルコインの総供給量減少など、大きく資金の流れを変えることとなった。

「これは反射的ループが勢いを失っていることを示す典型的な兆候だ」とシポラロ氏は指摘。このループが破綻すると、歴史的に市場は、以下のような順序で動く傾向にあり、これまでの主要サイクル全てにおいて同じ現象が見られたと説明した。

  1. 流動性が逼迫する
  2. レバレッジによる買いが効果的に機能しない
  3. 支えてきたストーリーが資金流入に結びつかない

ストーリーは変化するが、メカニズムは変わらない。反射的ループが市場を押し上げ、その反転がサイクルの次の局面への布石となる。

長期的展望と今後の備え

しかし、シポラロ氏は、「ビットコインの長期的なストーリーは依然として揺るぎないものだ」と考えている。

機関投資家の採用は今も着実に進んでおり、国家レベルでの関心もゆっくりと、しかし確実に高まっている。そして、中立的でプログラム可能な通貨資産としての役割は、今なお完全に有効だと同氏は指摘する。

一方、過去のサイクルを参考にするならば、「今後の道のりは不安定で、感情的に負担が大きく、突然の混乱に見舞われる可能性が高い」と警告。「投資家は最善を望みつつ、最悪に備えるべきだ。」と締め括った。

関連:ステーブルコインの種類一覧|市場規模・取引量・規制の行方

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