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金融安定理事会「市場の脆弱性を洗い出すフレームワーク見直しで、仮想通貨が課題」

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金融安定理事会(FSB)の新理事長が仮想通貨について言及
金融安定理事会(FSB)の就任演説で「暗号資産の浮上が規制の重要性の再認識に繋がる」と述べた。リーマンショックのような非常事態を避けるべく設立された国際組織は、今後も仮想通貨を監視していく。

FSB新理事長、仮想通貨が金融システムに与える影響を疑問視

金融安定理事会の新理事長、ランダル・クォールズ氏が10日、香港で行われた就任演説にて、仮想通貨について触れ、暗号資産(仮想通貨)の浮上が、規制の重要性の再確認につながっていると述べたことが注目を集めている。

金融安定理事会(FSB)は、2008年の金融ショック後の2009年に設立主要国の金融監督当局で構成され、G20などの主要国の経済をはじめ、世界金融を脅かす脆弱性を監視・査定する国際組織だ。

今回理事長に就任したランダル・クォールズ氏は、ブッシュ政権下で財務次官を務め、2017年にはトランプ大統領から米連邦準備銀行(FRB)の副議長として任命されている。

クォールズ氏は、コアミッションとして掲げる、「金融市場の安定を揺るがしかねない金融システムにおける脆弱性の発見」を遂行することで2008年に起きた過去最大級の金融危機「リーマン・ショック」のような状況を避けるために設立されたFSBの過去10年の動向を振り返りながら、以下のように言及した。

過去10年間で取り入れた規制や取り締まり案は、これまでのところ良好な結果を残している。

ある種の脆弱性には耐性ができたが、全てのショックから守られているわけではなく、今後も常に進化し続ける必要がある。

このように述べた上で、新理事長は既存体制の脆弱性を洗い出すため、フレームワークの見直しを行うことを発表した。また、この見直しは金融安定理事会(FSB)の副議長で、オランダ国立銀行の総裁Klaas Knot氏が率いることになっている。

クォールズ氏は、最初に銀行や規制当局と議論を重ねた後、フレームワークの再検討を行う取り組みにおいて、仮想通貨が課題となると述べた。

これは簡単なことではない。暗号資産はどのようなフレームワークの課題にもなりかねない。だからこそ、堅牢なフレームワークがより重要となる。

金融安定理事会と仮想通貨

FSBは、過去には金融システムに悪影響を及ぼす可能性のある脆弱性を発見し、規制対応を検討した後、G20にポリシーや規制の変更を呼びかけている。

また規制案が実際に施行された際は、時間が経った後に世界規模で影響を調査していた。

仮想通貨に関しても、同機関は昨年3月から度々触れているものの、一貫して金融システムの安定を脅かすものではないという見解を保っている。2018年10月にも、「現段階では金融の安定に重大なリスクをもたらすことはないが、引き続き監視は必要となる」という見解を明らかにしていた。

また、仮想通貨の課題として流動性の低さや、ボラティリティを指摘した上で、以下のよう評価を下していた。

上記のことから、暗号資産は法定通貨の特性を欠いており、安定した支払い手段、価値の保存、または主流な計算単位としての機能を果たさない。

なお、FSBの最新動向に関連して、日本主導で仮想通貨行政を担う規制機関をまとめた「窓口リスト」づくりに着手することが報じられていた。

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