CoinPostで今最も読まれています

日本銀行、中央銀行発行デジタル通貨に関する調査報告書を公開|仮想通貨に関する内容も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日銀が、CBDCに関するワーキングペーパーを公開
日本銀行は2月19日、中央銀行デジタル通貨に関するワーキングペーパー「情報技術革新・データ革命と中央銀行デジタル通貨」を公開した。同報告書では、仮想通貨やビットコインに関する内容にも触れており、注目度も高い。

日銀が、CBDCに関するワーキングペーパーを公開

日本銀行は2月19日、中央銀行デジタル通貨に関するワーキングペーパー「情報技術革新・データ革命と中央銀行デジタル通貨」を公開した。

まず、世界の中で情報技術革新やキャッシュレス決済の世界的な拡大、暗号資産の登場によって、中央銀行デジタル通貨の存在が、これまでの現金に変わる可能性についての議論が活発になる中で、日本銀行をを含む多くの主要中央銀行では、現時点で銀行券に変わるデジタル通貨の発行は検討していないと改めて表明した。

しかし、中央銀行によるデジタル通貨の発行は、支払い決済の効率化や資金仲介、流動性危機、また金融政策の効果波及経路などの影響で、広範囲な論点を含むと認め、マネーの機能を再考し、将来像を考える上で重要な示唆を与えるものとした。

日本銀行は、発行こそ現時点で検討していないものの、デジタル情報技術がマネーの可能性を拡げるものとみているようだ。

なお、日本銀行の関係者が、中央銀行発行デジタル通貨に言及することは、これまでなんどもあったが、記憶に新しいのは、昨年10月に行われた日本金融学会の秋季大会での、日本銀行の雨宮正佳副総裁の公演だ。

同公演では、雨宮副総裁が仮想通貨の決済利用に関しても触れており、中央銀行発行デジタル通貨を含め、以下のような見解を示していた。

  • 仮想通貨の決済利用の普及は厳しい
  • 日銀のデジタル通貨発行は、検討すべき点が多い

この時に、一般の決済利用に広く使えるような日銀による中央銀行デジタル通貨の発行は検討していないとの言及をしつつも、銀行の内側(マネタリーベース)と外側(マネーストック)の関係性で重要な二層構想の問題の解決や、ソブリン通貨などの信用と結びつけることでの、可能性を説いている。

中央銀行デジタル通貨に関して

今回のワーキングペーパーでのわかりやすいポイントとして、日本銀行が中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)を発行した場合、どのような変化が見込めるかについての項目だ。

日本銀行は、中央銀行が責務として発行する中央銀行マネーのは、1.銀行券、2.中央銀行当座預金の2つがあると説明、一般に紙幣として利用される銀行券に対して、準備預金などを示す中央銀行当座預金はすでに各国でデジタル形態への移行がおこなわれており、大口取引の支払い決済で利用される反面、決済システムの稼働時間が中央銀行の運営時間に制約されるデメリットをあげた。

これら現在の中央銀行マネーに、デジタル通貨を考えた場合、以下の2種類が考えられるという。

銀行券と同様に一般の人々が日常取引に広く使える中央銀行デジタル通貨

これは、以前より議論されていた、中央銀行の口座を広範囲に解放し、中央銀行決済システムを24時間365日解放させるといったものだ。

効果としては、預金の競合や銀行の資金仲介への影響、危機時における預金から中央銀行デジタル通貨への資金逃避の可能性などがあげられた。

要するにこれが、お金を供給を行う中央銀行と、一般的な決済サービス提供と経済への資金分配の仕組みを担っており、一般人や企業はこの民間銀行の口座を通している行なっている、銀行の内側(マネタリーベース)と外側(マネーストック)の二層構造に及ぼす影響を示している。

大口決済専用の中央銀行デジタル通貨

2つ目にあげたのが、「中央銀行当座預金に分散型台帳技術などの新しい情報技術を応用した大口決済専用の中央銀行デジタル通貨」だ

1つ目が、一般人を含めた広範囲の利用例であるのに対し、後者は「既にデジタル化されている中央銀行当座預金を、新しい技術を用いてより便利にするもの」として捉えているようだ。

それ以降は計19ページの簡潔な内容で、以下の点について内容が掲載されている。

  • 中央銀行デジタル通貨を巡る議論の背景
  • 中央銀行デジタル通貨をめぐる論点
  • 情報・データの利活用と中央銀行デジタル通貨

日本銀行の本文は、こちらよりご覧になれます。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者12,000名突破。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
17:08
HSBC銀行がトークン化されたゴールド商品を香港で提供開始
HSBCは香港の個人投資家に向けて、オンラインバンキングとウェブサイトを通じたトークン化されたゴールド商品のアクセスを提供開始した。トークンはHSBC Orionプラットフォームで発行され、リテール向け、HSBCオンラインバンキングおよびHSBC香港モバイルアプリを通じて提供される。
15:30
Filecoinステーキング大手、Glifがポイントプログラム開始
暗号資産(仮想通貨)ファイルコイン(FIL)の、ステーキング・プロトコルGlifがポイントプログラムを開始した。FILトークン保有者は流動性プールにFILを預けることで、Glifのネイティブ・リキッド・リース・トークンである「iFIL」を受け取り、運用できる。
14:34
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、Dencun後の改善点を語る
仮想通貨イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、Dencunが完了した今後の技術的な改善点を提案した。
14:11
CoinTradeがソラナ含む4銘柄の取扱い開始、ステーキングサービスにSOL追加
暗号資産(仮想通貨)販売所CoinTradeがソラナを含む4銘柄の取り扱いを開始。ステーキングサービスにSOLを追加した。条件をクリアすることでSOLをプレゼントするキャンペーンを開催中。ジパングコイン(ZPG)など三井物産デジタルコモディティーズも新規で取り扱う。
12:55
日本DAO協会4月1日に立ち上げ 府令改正も同日公布
日本DAO協会が4月1日に設立される。DAOの自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していくもので、協会自体の運営もDAOで行う計画だ。
12:24
ビットコイン7万ドル台で高止まり、ブラックロックの新規ファンド好調でRWA関連銘柄買われる
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが7万ドル台新高値をうかがう展開。アルト相場ではブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」絶好調の影響で、ONDOなどのRWA関連銘柄が買われた。
11:30
Googleサーチ、ビットコインやArbitrumなどのアドレスで資産残高を確認可能に
全ての資産を表示するわけではなく、残高は各ネットワークのネイティブトークン(ETHやARB、OPなど)のみを表示。
10:50
5月のローンチ目指す、香港でビットコイン現物ETF申請のVSFG
仮に香港で承認された場合、アジア初の事例となり、今後日本でのビットコインETF上場や発行にも追い風になりうるとみられる。
10:00
FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ
米国地方裁判所の判事は28日、破綻した仮想通貨取引所FTXのサム前CEOに対して懲役25年、および最大1.7兆円の資産没収という判決を言い渡した。
08:40
2.6兆円相当のBTC保有数到達、ブラックロックのビットコイン現物ETF
純流入再び加速 ブラックロックのIBIT・ビットコイン現物ETFの運用資産は初めて、250,000 BTC(2.6兆円)を超えた。1月11日の取引開始からわずか11週間で2兆円…
08:10
Wormholeの仮想通貨「W」、取得開始日明かす
Wormholeは、今月7日に、Wトークンのエアドロップアロケーションや適合対象アドレスを公開。ソラナ、EVM系、Sui、Aptos、Osmosis、Injectiveといったネットワークでのユーザーや、ソラナNo.1NFTコレクションである「Mad Lads」のホルダーを対象としている。
07:40
米投資会社、マイクロストラテジーの株はBTCより割高と指摘
マイクロストラテジーの株価から概算する仮想通貨ビットコインの価格は17万ドル超であると米ケリスデールが分析。同社の株は、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
07:20
アバランチ財団「Codebase」、最初の支援プロジェクト15社を選出
アバランチではすでに「Colony Lab」という分散型アクセラレーターが活動しているが、今回Codebaseと連携し支援対象への資金提供を拡大し、1プロジェクトにつき、100万ドルを超える金額を提供する可能性がある。
06:45
5月承認の可能性低いもBitwiseらがイーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
2024/04/13 10:00 ~ 17:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧