はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX

日本進出予定の米仮想通貨取引所「コインベース」がイタリアの企業買収を発表:トークンの上場に好影響

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Coinbase新たな買収、トークン上場・セキュリティ対策の強化狙い
米大手仮想通貨取引所Coinbaseはイタリア発のブロックチェーン・仮想通貨インテリジェンス企業を買収した。仮想通貨盗難の防止強化、トークンの上場を加速。

Coinbase新たな買収、トークン上場・セキュリティ対策の強化狙い

日本市場への進出を予定している米大手仮想通貨取引所Coinbaseは19日、イタリア発のブロックチェーン・仮想通貨分析追跡企業Neutrinoを買収したことを発表した。

同社の8人のエンジニアは、英ロンドンにあるCoinbaseのオフィスに移籍し、別の事業体として外部クライアントに対応する。なお、契約の金銭的条件は明らかにされていない。

Coinbaseのエンジニアリングおよび製品担当ディレクターVarun Srinivasan氏は、「新たな資産の対応に向け様々な国の規制当局や機関と協力しており、(今回の買収は)特に重要なステップである」と米大手仮想通貨メディアCoinDeskに語った。

Coinbaseは去年、新たに30種類の仮想通貨上場を検討していると発表後、Zilliqa(ZIL)やDai(DAI)、Maker(MKR)など次々と新たな仮想通貨を上場させる一方で、上場には技術面や規制面で多くの準備が必須となることを理由に、「30種類すべての通貨の上場は保証できない」とコメントしていた。

出典:Coinbase

一方で、Coinbaseの副社長Dan Romero氏は先日、海外仮想通貨リサーチ企業diarとの対談で、米国最大規模の仮想通貨取引所Coinbaseの今後日本における展開について、日本進出を遂げるために、仮想通貨交換所の登録申請を行なっていると明らかにしている。

同取引所は今年中の交付を目指しており、金融庁との連携も強化してきたほか、日本最大の銀行の一つであるMUFJともパートナーシップを締結しており、2016年にはMUFJより10億円超えの出資も受けた。

Neutrino社買収の狙い、分析技術で盗難や攻撃を防止

イタリアに拠点を置くNeutrino社は、ブロックチェーン・ネットワークのマッピング、特に暗号トークントランザクションのマッピング支援ツールを提供するスタートアップだ。

トークンの盗難が発生した場合、盗用されたデジタル資産を追跡するための法執行機関向けサービスや、ランサムウェアの追跡、および「ダークネット」の分析サービスのほか、人気が上昇しているトークンや資産を見つけ出す投資会社や金融会社向けの追跡サービスも提供している。

今回の買収により、Coinbaseは新たな資産を調査すると同時に、取引所における盗難被害など望ましくない行為を識別できるようになる。

具体的には、パブリックブロックチェーンのデータを分析を行うイタリアにあるNeutrino社の技術が、資金の盗難を防止し、ランサムウェア攻撃の調査、攻撃者の特定に活用される。

先月同取引所は、仮想通貨イーサリアム・クラシック(ETC)のブロックチェーン上で、ダブル・スペンド(51%攻撃)を含む不正行為を発見し、取引所から流出を防いだ。

つまり、この買収は、セキュリティとトラッキングの強化において重要な一環とされていると考えられる。

また、Srinivasan氏は、Neutrinoが同社にもたらすメリットについて、「どの新トークンがその価値を高め、牽引力を得ているのかを特定するのに役立つだろう」と期待を見せている。

同氏は社内の分析プラットフォームを所有することの利点については、「コンプライアンスを実行し、規制当局と協力してあらゆる分野の問題について取り組む能力を強化中だ」と述べた。

要するに、Neutrinoを買収することで少なからず、上場プロセスを容易にし、可能な限り多くの仮想通貨を上場させることが示唆されているだろう。

NeutrinoのCEO、イタリアのイノベーションにとっても重要な節目

NeutrinoのCEO、Giancarlo Russo氏は声明文の中で、今回の買収を「イタリアのイノベーションにとって重要な節目」だと歓迎の意を示した。

Coinbaseとは、オープンベースの金融システムを構築するという同社の使命と完全に一致しており、暗号通貨の分野でも規制、コンプライアンス、およびセキュリティに対する同じ取り組みを共有しているため、買収に合意した。

大量の履歴データを保有するCoinbaseによる買収は、Neutrino社が同領域で突出した存在となる絶好のチャンスだろう。Coinbaseにとっても、「この分野でさまざまな製品をもつ暗号のGoogleになることを目指している」、というSrinivasan氏の言葉通り、さらなる勢力拡大のステップとなり得ると考えられる。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

金融庁の認可を待つ米Coinbase、日本の仮想通貨市場に不可欠な要素を語る
仮想通貨取引所Coinbaseの副社長Romero氏が、同社の今後の日本での展開について語った。 同氏は、成熟した市場を持つ日本おいて必要な要素を語り、日本市場展開への強気な姿勢を示した。
米仮想通貨取引所Coinbase、東京を拠点にアジア圏の「大口顧客向け」サービスを拡大へ
ビットコイン(BTC)低迷のなか、大手取引所の大口・機関投資家向けサービス拡大が相次いでいる。米コインベースは、アジア地域の大口顧客に向けて、同取引所が機関投資家向けに提供している取引プラットフォーム及び、カストディ業務を拡大する方針を発表した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/14 火曜日
18:47
Hyperliquidの大口投資家、トランプ一族との関与を否定 再びビットコインを大規模ショート
トランプ関税発表直前にビットコイン7億ドルをショートし約2億ドルの利益を得た大口投資家が、再び3億4千万ドル規模のBTCショートポジションを構築。インサイダー取引疑惑が浮上するも本人は否定。市場では1.3兆円規模の強制清算が発生し史上最大級の暴落に。
18:24
JPモルガンがビットコイン取引サービス参入へ カストディは外部委託で対応
JPモルガンのデジタル資産部門責任者が、顧客向けビットコイン取引サービスの提供を正式に確認した。カストディ業務は外部委託を検討し、コインベースとの提携も強化。大手金融機関の暗号資産市場参入が本格化する中、JPモルガンの戦略的アプローチとは。
18:04
シティバンク、2026年に仮想通貨カストディ事業参入へ
米大手金融機関シティバンクが2026年に暗号資産のカストディサービスを開始する計画を発表。ビットコインやイーサリアムなどを機関投資家向けに保管する。トランプ政権下での規制整備を背景に、JPモルガンやバンク・オブ・アメリカとともにステーブルコイン事業への参入も本格検討中。ウォール街の暗号資産市場への本格進出が加速している。
18:00
「Bitcoin Core v30.0」リリース、データ制限の引き上げでコミュニティの意見が対立
ビットコインソフトのアップデートであるBitcoin Core v30.0が2025年10月12日にリリースされた。OP_RETURNの上限が80バイトから10万バイトへ大幅に引き上げられ、コミュニティで賛否が分かれている。ビットコイン本来の目的との整合性やノード運営リスクが議論されている。
17:26
欧州最大手アムンディ、ビットコインETN市場参入を準備
欧州最大の資産運用会社アムンディ(運用資産2.3兆ユーロ)が2026年初頭にビットコインETNを発行予定。MiCA施行で規制環境が整備される中、機関投資家の暗号資産投資が本格化。米国ブラックロックのIBIT(971億ドル)に続く動きとして注目される。
17:22
ハイパーリキッド、HIP-3実装で永久先物市場の自由構築が可能に
ハイパーリキッドがHIP-3を実装し、開発者が許可なしで独自の永久先物市場を構築することを可能にする。仮想通貨HYPEを一定以上ステーキングすることなどが条件だ。
16:56
コインチェックでIEO「Fanpla(FPL)」10月21日開始 音楽事務所10社以上が協力
音楽ファンクラブ大手Fanplus協業のIEO「Fanpla(FPL)」詳細。10月21日申込開始、11月11日上場予定。700超のファンクラブと400万人基盤という既存インフラを持つ点で過去IEO案件と一線を画す。コインチェック過去実績は抽選倍率24倍・最高23倍に急騰。投資判断に必要な情報を網羅。
16:55
三菱UFJモルガン・スタンレー証券、デジタルアセット事業を開始
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が14日、デジタルアセット事業を開始。債券型セキュリティトークンの取り扱いとデジタル証券取引サービス「ASTOMO」をリリース。不動産STを10万円から投資可能に。
16:30
イオレ、仮想通貨とAI融合のスーパーアプリ「Neo Crypto Bank」の詳細を発表
イオレが暗号資産金融事業戦略を発表。2027年にWeb3.0スーパーアプリを公開し、キャッシュレス決済市場1%・年間1.2兆円を目指す。AI統合で次世代金融インフラを構築。
12:00
ソラナのリキッドステーキングの稼ぎ方|JitoSOLの仕組みと手順
ソラナのリキッドステーキングについて、仕組みから始め方まで徹底解説。JitoやMarinadeなど主要プラットフォームの始め方、年利5-7%の運用方法まで完全ガイド。
11:58
史上最大フラッシュクラッシュ後の仮想通貨市場、トランプ大統領の発言受け乱高下続く
トランプ米大統領による突然の関税発表で、仮想通貨市場は190億ドル超の強制清算という史上最大のフラッシュクラッシュを経験した。しかし週明けには114,000ドル台に回復。機関投資家の押し目買いと過剰レバレッジ解消の両面から市場を分析。イーサリアムL2 Baseのトークン発行検討など、実用化への動きも紹介。
11:18
チャイナルネッサンス、BNB財務企業の米上場を計画=報道
チャイナルネッサンスは、仮想通貨BNBの財務企業を創設するために910億円超の資金調達に向けた協議を行っていることがわかった。この財務企業は米国で上場する計画である。
10:38
「仮想通貨ETFへの流入、トランプ関税ショックの影響は軽微」=CoinShares
トランプ大統領の対中関税発言による市場急落にもかかわらず、ビットコインETFなど仮想通貨投資商品への影響は軽微で流入は週間4,830億円に達した。CoinSharesが分析する。
08:41
68億円相当のBNB、ミームコイントレーダーにエアドロップへ
BNBチェーンは、仮想通貨市場が大荒れしたことを受け68億円相当のBNBをエアドロップする計画を発表。今回はミームコイントレーダーを支援すると説明した。
10/13 月曜日
12:25
430億円規模に、バイナンスが「異例の補償」実施 トランプ・ショックに関する価格異変で
仮想通貨取引所バイナンスがトランプ関税による市場下落時の不具合で損失補償を発表した。USDe、BNSOLなどのディペッグで強制清算が発生した背景がある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧