- 米国カリフォルニア州議会に仮想通貨ビジネス規制法案が提出される
- 米カリフォルニア州で仮想通貨関連活動を行う企業に対する州の承認を義務付ける法案が州議会に提出された。 仮想通貨ビジネスの定義や違反企業への罰則といった内容も盛り込まれている。
カリフォルニア州議会に新たに提出された法案「仮想通貨ビジネス法」とは
アメリカ、カリフォルニア州で仮想通貨関連ビジネスに対する規制が検討されている。
民主党のIan Calderon議員により、カリフォルニア州議会に新たに提出された法案「仮想通貨ビジネス法」は、ニューヨーク州のビットライセンスと同様、カリフォルニア州で仮想通貨関連活動を行う企業に対し、州の承認を得ることを課すものだ。
この法案は、仮想通貨事業に関する統一規制法で、仮想通貨業者の州事業監督局への登録を義務付け、その許可なしに事業を行うことを禁止するものとなる。
この法案では、仮想通貨を法定通貨とは見なしておらず、「交換手段、勘定単位または価値の保存として用いられる価値のデジタル表示」と定義している。
仮想通貨ビジネス活動の定義として、次のような活動をあげている。
- ・仮想通貨の交換、送金、保管、またはその管理へ従事すること。(直接、または仮想通貨管理サービス業者との契約を通じて)
- ・他者の代理として、貴金属(電子化されたもの)または、貴金属の受益権を表す電子証明書を保有すること。
- ・貴金属の受益権を表す株式または電子証明書を発行すること。
- ・オンラインゲームやゲームのプラットフォームで使用される「価値のデジタル表示」の交換を行うこと。
なお、個人的または学術的利用目的での仮想通貨投資や取引は規制の対象から除外されている。
また、年間の仮想通貨関連取引高が5000ドル(約55万円)に満たない業者をはじめ、銀行、認可済みの送金業者などや、仮想通貨関連事業のためのデータ保管やセキュリティサービスのみの提供、第三者預託サービスを提供する弁護士並びに保険会社なども規制から免除されるという。
この法案が可決された場合、仮想通貨事業者は、自己資本および準備金に関する規定をはじめ、数々の厳しい認可要件を満たす必要があるのに加え、コンプライアンスを維持するために、年次財務報告の義務や、審査並びにデータ共有を要請される場合もある。
さらに認可を申請する企業に対し、次のようなプログラムの作成並びに維持を求めている。
- 情報セキュリティプログラムと運用セキュリティプログラム
- 事業継続プログラム
- 災害復旧プログラム
- 詐欺防止プログラム
- マネーロンダリング防止プログラム
- テロ活動への資金提供防止プログラム
認可を受けることなしに仮想通貨ビジネスに従事した場合には、1日あたり最高5万ドル(約550万円)の罰金が科せられ、また、認可業者が規定に違反した際には、1日あたり1万ドル(約110万円)の罰金が民事制裁金として科せられるという規定もこの法案には含まれている。
この仮想通貨ビジネス法案を提案したCalderon議員は、昨年9月に成立した議会法案2658、すなわちブロックチェーン並びにスマートコントラクトの定義を確立する法案も提案している。 この法案により、「電子記録」や「デジタル署名」などの定義も改訂されることとなった。
カリフォルニア州には、米国最大手の仮想通貨取引所のコインベースや、取引量では世界40位にランクインするクラーケンが本拠地を置いているが、この法案に対してどのような反応を示すのか、また今後、仮想通貨業界にどのような影響を与えるのか注目される。
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