- 米仮想通貨取引所コインベースCEO、「ニュートリノ買収」で、元ハッカーを解雇
- 米大手の仮想通貨取引所コインベースは、先日買収したばかりのブロックチェーン分析企業「ニュートリノ」に所属する元『ハッキング・チーム』構成員を全員解雇すると発表した。買収前のデュー・ディリジェンス不足を露呈した格好だ。
Coinbase、「ニュートリノ」のハッカーを全員解雇
米大手仮想通貨取引所CoinbaseのCEOを務めるBrian Armstrong氏は、先日買収したブロックチェーン分析企業「ニュートリノ」に所属する元『ハッキング・チーム』のメンバーを全員解雇することを3月5日の公式ブログにて発表した。
“Bitcoin — and crypto more generally — is about the rights of the individual and about the technological protection of civil liberties.”https://t.co/faqXmWh8z1
— Coinbase (@coinbase) 2019年3月5日
ニュートリノ社は、ブロックチェーン利用のセキュリティ情報収集・分析を行うスタートアップで、取引記録の分析によるマネーロンダリングやテロ資金への対策を提供するとしているが、以前同社のCEOやCTOを勤めていた人物は、過去に人権侵害への関与疑惑のある企業『ハッキング・チーム』を主導していたことが、複数のメディアによって暴露されていた。
そのような背景がある中、コインベースがニュートリノ社を買収したことにより、「#Delete Coinbase」という形で、SNS上で反対運動が始まる騒動になっていた。
Armstrong氏は、『ハッキング・チーム』の元構成員を全員解雇する決定に至った理由に関して、以下のように説明を行なった。
我々は、オープンな金融システムを提供するために、AMLとKYCを実施しており、多くの仮想通貨アセットをより多くのユーザーに提供することを目指している。
ニュートリノ社が提供するサービスは、我々の目標に一致したために買収を行なったが、より深く調査を行なった結果、以前『ハッキング・チーム』に所属していたスタッフが、(人権侵害へ加担していた過去が発覚したため)当社を去ることに合意した。
さらにArmstrong氏は、以下のように反省点を述べた。
規制された仮想通貨取引所を運営する上で、様々なトレードオフせざるを得ない場合もあるが、今回のトレードオフは不適切だった。今後も我々は法律に遵守したサービスの提供に尽力すると考えている。
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