- 米フィデリティ、2019年末までに仮想通貨取引を米国の90%まで拡大
- 機関投資家などを中心にサービスを展開する世界最大級の金融機関Fidelity Investmentsは、仮想通貨取引サービス展開にあたり、2019年末までに米国の90%に提供する事を明かした。また取扱い通貨に関する懸念点も説明、今後の市場を見る上で重要なニュースに。
米フィデリティ、2019年末までに仮想通貨取引を米国の90%まで拡大
世界最大級の金融機関Fidelity Investments(フィデリティ)が、サービス開始にあたり、2019年末までに、自社が提供する米国市場のうち、90%の市場に仮想通貨取引を提供していく意向を示したことがわかった。
米国は、州ごとに規制の管轄が分かれており、仮想通貨に対して厳しい規制を行う州も存在するが、自社サービスとしては、そのうちの90%をカバーするという。
現状では、連邦政府からの共通の仮想通貨規制がないため、各ライセンスの取得に動き、規模の拡大に努めていくと、仮想通貨取引提供に当たる強い意気込みを明かした。
現在仮想通貨は厳しい冬に直面しているが、市場は依然堅調な推移をしており、楽しみにしていることにもふれている。
フィデリティが取引を開始したとの報道もあるが、現段階では正式サービス開始の公式発表はなく、先日発表された一部の適格投資家に対する試験的なサービス提供(一部)に留まっている状況だ。
ただ、この試験的サービスも最終テスト・プロセス等の調整段階に移行しているとしており、事実上、開始時期が近いことは示唆されている。
取り扱い仮想通貨について
また、注目ポイントとして、ビットコイン以外の通貨の取り扱いに関して新たな情報も公開した。
今回新たに発表された内容の論点は、アップデートに伴う「ハードフォーク」などが必要な通貨に対する対応に関してだ。
フィデリティのTom Jessop氏は、アメリカで開催されたブロックチェーン・カンファレンスで、顧客の関心が時価総額の高い通貨に集中していることを明かし、上場する通貨もその需要に答えるとした一方で、『取り扱う上で「仮想通貨特有の事象」があり、全ての仮想通貨を上場できるわけではない。』と取り扱い通貨に関する懸念点がある事を明かした。
フィデリティの取り扱い通貨に関してはこれまで、ビットコインとイーサリアムがリストとして挙げられていたほか、11月末の報道で、時価総額トップ5~7の通貨を、新設する仮想通貨取引デスクに追加を検討している事が明らかになっていたが、これらの通貨も順当に全て上場できるわけではない事を示している。
その例として挙げられたのがイーサリアムだ。
Jessop氏は、イーサリアムのアップデートには、ハードフォークを伴うものがあり、今後もハードフォークを伴うアップデートが続く計画があると言及、このハードフォークが今後どのような影響を与えるのかを、しっかりと見極める必要がある。とより徹底した調査の必要性を強調した。
フィデリティが重要視しているのは、顧客に対して提供する商品のリスク評価で、これまで起きたイーサリアムクラシックの51%攻撃など、過去に起きた事例などを踏まえた「仮想通貨特有の事象」を徹底的に調査するとしている。
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