はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

国際マネロン対策機関が仮想通貨取引所の顧客情報提出の義務化を提案|有名ブロックチェーン企業が異議を唱える

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーン分析企業がFATFに異議
ブロックチェーン分析企業ChainalysisはFATFの提案に、かえって不正を行われる環境が生まれる可能性を指摘。モニタリング・システムの利用を推薦。

ブロックチェーン分析企業がFATFに異議

ブロックチェーン分析企業Chainalysisは、マネーロンダリングを監視する金融活動作業部会(FATF)に対して、仮想通貨交換所のKYC(本人確認)に関する情報提供の義務化に反対する旨を綴った文書を公表した。

今年2月にFATAは、仮想通貨取引所のような暗号資産サービスプロバイダー(VASP)に対して、顧客の取引記録や利益に関する情報の規制当局への受け渡しの義務化を提案していた。それに対して、同社は反論したスタンスを示している。

その批判理由について、公表された文書内で以下のように述べている。

テロ資金などに対抗し、アンチマネーロンダリングが向上した結果、却って、もともとリスクの高かった機関やサービス、企業などがより大きなリスクにさらされることになる。

このリスク増大の影響は大きく、KYCを設けない取引所はコンプライアンス問題で既存の規制が整った金融サービス(銀行や保険)にアクセスする手段が絶たれ、アンダーグラウンドなバンキングシステムへと変貌してしまう。

またリスク増大の結果として、仮想通貨のエコシステムに悪影響を与えるだろう。

ここでいうアンダーグラウンドなバンキングシステムとは、P2P型の分散型取引所など現在主流のものとは異なるプラットフォームを指す。過度な規制により、かえって当局の追跡が困難な取引所での取引が活発化、結果として不正をしやすい環境が生まれてしまうというのが同社の主張だ。

同社は、その代替案としてモニタリング・システムを利用し、不正行為や顧客管理を行うことを提案している。また、(仮想通貨サービスを利用するために)FATFは全ての個人が登録を行い、許可を得る義務を課すべきとしているが、それに対しても、既存のビジネスのみ絞られるべきだとしている。

規制されているVASP(仮想通貨サービスプロバイダー)に対して、さらに複雑な要求や摩擦を強制することで、法順守しない一部の企業は、非中央集権化されたP2Pの取引所での運営に走り、世界の金融機関がさらなるリスクに陥る可能性がある。

必要以上の規制はかえって”毒”となり得るといった側面にも目を向けるべきなのは確かであるといえるだろう。

国内のマネロン対策

今秋には、2008年以来となるFATFの第4次対日審査を控えている。各国で対応が急務とされる。日本の金融業界が、2008年同様の低評価を受けると、国際取引にも影響を及ぼすリスクもあることから、関係者は戦々恐々としているとされるもようだ。(前回は49項目中25項目で要改善、27ヵ国中18位)

外務省が先日公開した対策成果の文書によると、FATF基準に沿ったマネーロンダリング対策に関する規制案は以下のように記載されている。

金融システムにおいて生じつつあるリスク及び脆弱性を引き続き監視し,必要に応じ対処するとともに,継続的な規制・監督上の協力を通じて分断に対処する。

我々は,強じんなノンバンク金融仲介の実現に関する継続した進捗に期待する。我々は,リスクが軽減されつつ,金融セクターにおける技術の潜在的な利益が実現されることを確保するための取り組みを強化する。

我々は,金融活動作業部会(FATF)基準に沿ったマネーロンダリング及びテロ資金供与への対策のため,暗号資産を規制し,必要に応じて他の対応を検討する。

一部抜粋:G20 ブエノスアイレス首脳宣言

特に今回の審査では銀行や証券業界のほか仮想通貨業者も重点候補として挙がっており、FATFによる主な審査対象として新たに仮想通貨交換業者が入る。

国際会議をはじめ、FATFの審査基準に沿った仮想通貨への取り組み、またマネーロンダリング(資金洗浄)対策に躍起になっている事例と言えよう。

同審査に関する一般ユーザーへの影響があり得る範囲では、マネロン対策に係る内部管理体制不十分との指摘による、改善措置で一時的に営業が停止する事のほか、現段階では憶測の範疇にあるものの、今回の審査へ向けて、規制の矛先が向く可能性も無視できないだろう。

▶️本日の速報をチェック
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/19 月曜日
15:05
アーサーヘイズが今夏以降の「アルトシーズン」再来の見通し 年末までにビットコイン2.5倍予想も
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨の強気相場を予測、今夏を目処にBTC20万ドルへの上昇とアルトシーズン開始を見込む。自身のポートフォリオは20%を金(ゴールド)に配分し「最終的に1〜2万ドルまで上昇」と展望する。米国債務拡大がビットコイン高騰の追い風になると分析した。
14:15
中国系上場企業DDC、5000BTC保有目標のビットコイン準備金戦略を発表 
米国上場の中国系食品企業DayDayCook(DDC)が、ビットコインを戦略的準備金として3年間で5,000BTCの蓄積を目指す計画を発表した。同社は、すでに100BTCを購入済みで、2025年末までに500BTCの取得を目指す。一方、中国の仮想通貨規制をいかに回避するかにも注目が集まる。
13:22
メタプラネット、151億円でビットコイン追加購入 保有数7,800 BTCに
メタプラネットが約151億円で暗号資産ビットコイン1,004BTCを追加購入。保有総数は7,800枚に拡大。5月の資金調達・債務償還の経緯も紹介。
11:40
過去最高値目前のビットコイン、迫るゴールデンクロスが中・長期の買いシグナルを示唆
ビットコインは投資家が重視する50MAと200MAのゴールデンクロスによる買いシグナルが形成間近に。米国債格下げでドル安圧力も追い風にとなるか。トランプ米政権の貿易・関税政策とインフレ懸念がのヘッジ需要を高める可能性が指摘される中、さらなる上昇を示唆する。
11:11
CMEグループ、XRPの先物取引を本日より提供開始へ 
米CMEグループが本日より暗号資産(仮想通貨)XRPを先物取引サービスを開始する。機関投資家の参入機会の拡大とリップル社とSECの裁判の和解進展状況も含め、その背景を解説。
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧