はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨の現金化を阻止 取引所の連携で不正流出した「XRP(リップル)・EOS」の凍結に成功

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ハッキングの現金化を阻止
300万EOS(17億円相当)と1900万XRP(6800万円相当)が不正流出したBithumbの流出事件で、送金先にあがった複数の取引所が現金化前に凍結対応に成功したことがわかった。各取引所の対応をまとめた。

ハッキングの現金化を阻止

ハッキング被害による仮想通貨流出が確認されたBithumbの流出事件で、海外取引所などが連携。流出仮想通貨を凍結することで現金化を阻止したことがわかった。

これは、韓国大手取引所Bithumbから300万EOS(17億円相当)と1900万XRP(6800万円相当)が盗難されていたことが判明したハッキング事件の進展となる。内部犯による犯行の可能性も視野に捜査も行われていた。

以下の図のように、流出資産は細分化され、複数のウォレットや取引所を経由している動きが確認。換金されたとの見方も強まっていたが、Bithumbの早急な対応で多くの取引所で凍結対応を行えたことがわかってきた。

出典:

各取引所の対応

以下のように各取引所が対策を講じており、資金の多くは換金を未然に防ぐことができたという。

ChangeNow

ChangeNowでは、100万ドル相当のEOSとXRPが転送されたが、Bithumbからの連絡を受け、預金を無効化。アドレスをブラックリストに登録し、50万ドルの換金を防ぐことができたという。

KYCなどが必須でないChangeNowなどへの送金が大量に発生していた今回の事件で、同取引所への対応が間に合ったことは被害額を抑える動きに繋がった。

Changelly

Changellyは約56万ドルの資金を保留処理。実に134ものアドレスをブラックリストに登録したと報告している。

スコアリングシステムによって疑わしい取引を検知する仕組みがあり、問題が解決されるまで資金は留保されるとのことだ。

EXMO

EXMOにも多額の資金が流れ込んだが、そのほとんどをブロックできたと報告した。

金額については公表されていないが、先述のThe Block の記事によれば 300万ドル近い資金が同取引所へ転送されている。

これは今回のBithumb事件による被害総額の中でも大きな比率を占める資金が同取引所へ流れていたことを示す金額となる。

Huobi と CoinSwitch

cointelegraphの記事によれば、Huobi と CoinSwitchもそれぞれ対策を行っていたということだ。

取引所連携の必要性

Bithumbが異常な出金をアラートで検知したと説明しているが、ツイッターで大口トラッキングを配信するWhaleAlertでも検知される規模であったことから、各取引所でも異常を検知しやすい状況にあったとみられる。

最近ではブロックチェーン解析技術も進み、流出通貨を瞬時に追った上で現金化の窓口になり得る取引所までの経路をトラッキングできるシステムも開発され始めている。今回そのシステムが利用されたかは定かではないが、KYCの厳格化に加え、取引所が連携の重要性が見えてきた事例になった。共通のシステム導入を通してインシデント時の資産凍結対応を行うことで、確固たるセキュリティシステムの構築に繋がる。日本での導入も望む声も大きくなるのではないだろうか。

今後も同様のインシデントが起こりうることを考えると、莫大な金額が動く取引所ではセキュリティに責任を持つ CSO(Chief Security Officer)などの役割がますます重要になってくるはずだ。

引き出しは一部停止中のまま

4月2日以降すべての引き出しが停止している状況にあったが、4月17日時点で追加のセキュリティ対策が講じられ、Bitcoin と Ethereumに関しては引き出しの再開を行なっていることが確認されている。

ブログで内部犯という報告があったBithumbの公式発表では、その後の進展は見られていないが、幸いにも、盗まれた資金は大部分が戻ってくる公算が高いと思われるので、早期の完全復旧に期待したい。

坪 和樹

Twitter:https://twitter.com/TSB_KZK

Linkedin:https://www.linkedin.com/in/tsubo/

プロフィール:AWSで働くエンジニア、アイルランド在住。MtGoxやThe DAO では被害を受けたが、ブロックチェーンのセキュリティに興味を持ち続けている。セキュリティカンファレンスでの講演、OWASP Japanの運営協力やMini Hardeningといったイベント立ち上げなど、コミュニティ活動も実績あり。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:20
アリゾナ州知事、押収仮想通貨の準備基金法案『HB2324』を拒否権行使
アリゾナのホブズ知事が犯罪捜査で押収した仮想通貨管理法案を拒否。地方自治体の協力阻害を懸念と声明。
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入がETF上回る、2025年上半期24万超BTC取得で4倍以上増
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧