はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場の資金流入が『ビットコインからアルトコインへ』 注目ポイントと高騰の裏側

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アルトコインに資金流入
仮想通貨市場の高騰を受け、マネーフローベースで複数の変化が起きている。今回は、今起きているアルトコインへの資金流入などから注目ポイントとデータから見る資金の動きを解説。

アルトコインに資金流入

仮想通貨市場は、全体の時価総額が28兆円(約2540億ドル)まで急回復し、2018年8月以来の高水準に達している。4月1日から計算すると10兆円強の市場規模が拡大した。底値打ちからの明確なトレンド形成で急速に仮想通貨市場へと資金が戻ってきた事を示すデータである。今回はこのマネーフローを中心に考えた現在のマーケットを読み解く。

金融市場とのマネーフロー

今回のビットコイン高騰の背景には、トレンド指標の転換を含めた複合的要因が挙げられているが、今後のビットコインの立ち位置を変化しうる重要な転換点になる変化が見られた。それは、ビットコインが初めて『安全資産』として金融市場から見られたことである。

安全資産とは

収益率に大きな変動がない安定した資産のこと、または世界経済全体の先行きを不透明にするリスクに正の相関性が見られない資産。銀行預金や国債などの債権、金などがこれに該当する。

ビットコイン価格のトレンド性は2017年のバブル相場と崩壊後の長期下落相場で明らかだが、今回米中貿易摩擦など地政学的リスクで世界経済全体の先行きが不透明になったことを契機にリスクオフムードが強まる中で、金融市場に影響されずに価格を急進させたビットコインの値動き、少なくとも上昇トレンド時における値動きに対して、安全資産として同様の動きが確認された。この影響を見たマスメディアの報道が相次いだことで、金融市場から新たな注目が集まっている。

これまでデジタルゴールドとするビットコインの呼称が多く使われていたが、この呼称の意味の一つである『安全資産の金』の部分が初めて金融市場から意識される事例となった。未だ市場規模は小さく、ボラティリティも高いビットコインではあるが、金融市場からのマネーフローに変化が起きる可能性を秘めた重要な事例だと言えるだろう。

またカストディアンの台頭やBakktの現物先渡し取引の実現予定を踏まえると、現時点で見方に変化が起きつつある今回の状況は、長期的な仮想通貨市場の時価総額の拡大に一役を担う可能性がある。

市場内マネーフロー

また、データ上で確認できるマネーフローに関しても見ていきたい。それは仮想通貨市場がこれまで一定のマネーフローベースができているためである。

上昇トレンド時:①ビットコイン先行上げ、②主要アルトコイン追随、③草コインが後追い(バブル体現)

下落トレンド時:①ビットコイン急落、②アルトコイン全般が追随、③ビットコイン続落、④アルトコインに高い下落率

これはトレンド性の強い市場の中で、ビットコインが中心となり、時価総額が通貨によって大きく異なるために生じた仮想通貨市場特有のマネーフローであるが、本日16日より市場内資金流入に変化をみると、再びこの流れに過去の再現性が見られている可能性がある。

まず本日のアルトコイン市場を見ていくと、ビットコインの騰落率に対して、主要通貨を中心に10%高を超える高い上昇率が確認されている。イーサリアムが日本円建て3万円、XRPが50円と心理的節目を超えてきたほか、XEM(ネム)は一時80%高を超える大暴騰を記録した。

また、本日の高騰相場を受け、7日比ではビットコインの騰落率を超える主要アルトコインが散見される状況に、マネーフローからみるアルトコインの追随フェーズに明確に移行したと見られる。

およそ一年半の長い弱気相場を経て、90%安を超えて大きく売られたアルトコインに対するアンダーバリューの見方から、買いが入り始めたタイミングからの資金流入ペースは極めて早く、すでに前週比2倍水準まで値を回復している通貨もある。

Coinlibで確認するマネーフローにもデータ上で変化があらわれている。

ビットコインへの資金が入り始めた4月中旬のデータ。ブラジルリアルからの資金流入が確認されているが、それを除いても大半の資金がビットコインに集中していることがわかる。

出典:coinlib

一方で、本日のマネーフローがこちら。ビットコインに直接入る資金が全体比で減少しているほか、ビットコインからアルトコインに流れる資金もかなり比率が上がっていることがデータから確認できる。

出典:coinlib

なお、今回ビットコインからアルトコインに資金が流れ始めたタイミングを知っておくことは、今後の投資状況を見る上で重要となる。

CoinPost編集部が確認した中でも複数のポイントが見られたが、特にわかりやすい数値で変化が起きたポイントがドミナンス比率のビットコイン60%のラインだ。

ドミナンス比率は、ただの時価総額比率のデータと思われがちだが、昨年の下落相場時ビットコイン50%のラインを割らずに底堅さを見せたその推移からも、市場内マネーフローが意識される仮想通貨市場では重要な指標となる。

今後の市場展望として、ビットコインとアルトコインでマネーフローに流動性が生まれ、新たな資金流入が起きるか、再び大きく売りに傾くかは定かではないが、下落時のビットコイン50%、上昇時の60%は、ビットコインとアルトコインの投資戦略を見る上で、重要指標となるだろう。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
18:00
Progmat, Inc.、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
Progmat, Inc.が、2026年2月27日に東京で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など通貨のデジタル化と社会実装をテーマに議論する。
17:51
GMOフィナンシャルHD、株主優待にビットコイン導入へ
上限1万円相当のBTC GMOフィナンシャルホールディングスは12月16日、2025年12月31日を基準日とする新たな株主優待を発表した。 新制度では、GMOクリック証券におけ…
17:45
トランプ大統領、仮想通貨支持派ウォーラー理事を次期FRB議長候補に面接へ=WSJ報道
トランプ大統領が仮想通貨支持派のウォーラーFRB理事を次期議長候補として18日に面接。ステーブルコインやDeFiに積極的で、利下げを主張する同氏は、エコノミストから高評価を得ているが、トランプ氏との個人的関係の薄さから「大穴候補」との見方も。
17:00
イーサリアム「フサカ」のメリット一覧|恩恵を受けるのは誰?
仮想通貨イーサリアムはフサカのアップグレードを完了しました。本記事では主にフサカによってどのようなメリットが生まれ、どんな主体が恩恵を受けるのかを考察します。
16:12
アニモカ・ブランズ・ジャパン、BTCFi事業者2社と相次ぎ提携 
Animoca Brands Japanは、Babylon LabsおよびBifrostとBTCFi分野で戦略的提携を締結。自己管理型ビットコイン運用ソリューションの日本市場展開を目指し、上場企業向けDAT支援事業を強化する。
15:52
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、BTC保有量で世界20位と発表
トランプ大統領次男エリック・トランプ氏が支援するアメリカン・ビットコインが、39日間で4社を追い抜き世界20位の上場企業BTC保有量を達成。2025年に企業のビットコイン保有が急拡大する中、同社は5,098BTCを保有し急成長を遂げている。
14:58
パンプ・ファンとソラナへの55億ドル訴訟、5000件の内部チャット提出へ
パンプ・ファンとソラナを相手取った集団訴訟で、裁判所が第二次修正訴状を許可。内部告発者から入手した5000件のチャット記録を新証拠として提出へ。40億~55億ドルの不正搾取疑惑でRICO法違反を主張。
13:45
ロシア下院委員長が仮想通貨の国内決済利用を否定、投資手段に限定
ロシア下院金融市場委員会のアクサコフ委員長が仮想通貨の国内決済利用を否定し、投資手段としてのみ認めると表明した。
11:50
JPYC EX、累計口座開設1万件・発行額5億円を突破
JPYC株式会社は、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」において、累計口座開設数1万件、累計発行額5億円を突破したと発表。10月のリリースから約2か月での達成となった。
11:45
「ビットコインは最高値更新へ」Bitwise、2026年の3つの予測を公開
Bitwiseは仮想通貨投資家にとって特に重要な2026年の3つの予測を公開。その1つとしてビットコインは最高値を更新すると予測し、根拠を説明している。
11:40
セキュリタイズが来年トークン化株式取引開始、24時間オンチェーン取引を実現
証券トークン化プラットフォームのセキュリタイズが2026年第1四半期にトークン化された上場株式の取引を開始する。合成商品ではなく実際の規制された株式をオンチェーンで発行・取引し、24時間365日の流動性を提供へ。
09:45
ソラナに大規模なDDoS攻撃、ネットワークは現時点で影響受けず
仮想通貨ソラナが過去最大級の6TbpsのDDoS攻撃を受けたが、現在トランザクション処理は正常に稼働している。市場の下落を受けビットワイズのソラナETFは初の純流出を記録した。
09:40
マーシャル諸島、ステラでベーシックインカム支給
マーシャル諸島共和国がブロックチェーンを利用した世界初のベーシックインカムのオンチェーン支給を完了した。ステラーブロックチェーン上の主権債USDM1を使い、四半期ごとの現金配送をデジタル送金に置き換えた。
09:00
ビットコイン、2026年に過去最高値更新は可能か=グレースケールの最新予測
グレースケールは最新レポートで、ビットコイン価格の30%下落について歴史的には平均的な調整範囲内で、強気相場中の典型的な変動に過ぎないとの見解を示した。また、2026年には最高値を更新する可能性があると主張している。
08:51
金融庁、ステーブルコイン・暗号資産の「仲介業」を規制対象に パブコメ募集
金融庁は12月16日、ステーブルコインや暗号資産の「サービス仲介業」を新たに規制対象とする政令・内閣府令案を公表し、パブリックコメントの募集を開始した。取引所以外も監督下に置く方針だ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧