- 仮想通貨市場
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●三尊ネックラインでの攻防が激化
●ビットコインETF、SEC判断の注目ポイントを再確認
金融市場と仮想通貨
20日の東京株式市場は、1-3月期GDP(国内総生産)指標が市場コンセンサスを上回ったことから続伸するも、終値は小幅高となり、21,301円で引けた。
日経平均株価の上値が重い中、ビットコイン市場の好転を受け、仮想通貨関連株のセレス、メタップスなどが動意付いた。
そのほか、2018年にビットコインの下落で株価も低迷していた銘柄も買われており、仮想通貨交換業者BITPointを運営するリミックス<3825>が前日比11.39%と急伸。国内大手「Zaif」を統合するフィスコ<3807>も前日比6.99%高の上昇を見せている。
ビットコインテクニカル分析
17日12時時点で74万円まで急落したBTC価格は、19日と本日朝方の急騰で一時91万円まで復帰するも、その直後から大幅反落した。ここ数日間は、75万円〜90万円のレンジで乱高下を繰り返している。
現在意識されているのは、やはり三尊のネックライン(オレンジ線)であるが、これを明確に底割れた場合は17日のように数万円幅の急落を伴う危険性も否めない。
しかしながら、前回は海外取引所Bitstampでビットコイン大量売りによる売り仕掛け(Dump)があったことが指摘され、取引所側も調査に乗り出しているほか、ネックライン上での攻防が激化しており、18:00頃には割れたように見せて、ベアトラップで約2万円幅ほど短時間で急反発するような動きも確認された。
上位足でも巨大な三尊形状にあり、これを否定して上値抵抗線を突破するのは容易ではないと思われるが、上抜け出来れば再び強気目線に支配される可能性が高い。
ETFの可否判断に市場の関心
ファンダとしては明日21日、SEC(米証券取引委員会)により、世界に先駆けてビットコイン先物を開始した、シカゴ・オプション取引所(Cboe)関連であり、最も注目度の高い「VanEck版 ビットコインETF」の可否判断が下される見通しであるが、ここにきて事情に詳しい米弁護士から、延期ではなく「否決」される可能性もあるとの見解も示された。
ETFとは、Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種である。 金融商品取引所に上場している投資信託を指し、機関投資家の参入障壁低減の観点から、仮想通貨市場における最重要ファンダの一つとされ、昨年夏の相場高騰にも大きな影響を与えた。
ビットコインETFが実現すれば、既存の上場投資信託という枠組みに入ることで、機関投資家の参入障壁となっている国際的な規制の整備や、ビットコインを含む資産クラスの定義の曖昧さ、保有リスクなどの低減につながり、ビットコイン市場に参入しやすくなるというメリットがある。
CboeのETFは、Vaneck Solidx Bitcoin Trustが構成する機関投資家向けへの商品だが、投資家保護や必要となる保険などを、複数の企業(Solidx Management LLC、Foreside Fund Services, LLC、The Bank of New York Mellon、Delaware Trust Company)が、各分野の専門企業として参画し、ビットコインETFへ向けて動き出していることも重要点とされている。
SECのルールでは、連邦官報に掲載された時点から45日以内、可否判断または判断期間の延長を下す必要があり、仮に延長が必要であれば、45日+45日という期間内で、上記の判断もしくは延長の決定を決めなくてはならない。
市場に最有力とされている「VanEck社が申請するビットコインETF」は、前回の最終延期を含め、計3回の延期がなされている。昨年7月より、SECによる”レビュー・審議”が繰り返し行われており、主な延期する理由としては、「仮想通貨の市場操作の懸念」や「未熟な仮想通貨市場」が指摘されている。
この点について、有価証券やデリバティブ関連の訴訟を専門とし、米証券取引委員会(SEC)等の規制当局の内情にも詳しいJake Chervinsky弁護士によれば、最近の市場動向も考慮した上でSECの判断を「延期75%、却下(取り下げ)24.9%、認可0.1%」と予測している。
トレンドは上向きで中・長期的な上昇余地はあるものの、最高値圏で天井シグナルも出ていることから、ETFの行方など”相場の不確実性”が高まっている現時点では、積極的に買い向かいにくい状況にあると言えそうだ。
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