はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「仮想通貨禁止」法案検討中のインドで、5万円相当のビットコイン価格乖離が発生した背景

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

印取引所、ビットコイン+5万円の価格乖離
仮想通貨の全面禁止法案が検討されているインドの仮想通貨取引所にて、ビットコインなどの価格乖離が発生していることが判明した。法定通貨インド・ルピーの下落など、その背景を探る。

インド取引所、約5万円の価格乖離が発生

世界で2番目に多い人口を誇る大国インドの仮想通貨取引所において、ビットコイン(BTC)価格の乖離が生じていることが判明した。同国の規制状況や、法定通貨インド・ルピーの下落なども要因に挙げられている。

インド議会では今月上旬、仮想通貨の取引、マイニング、販売、購入などあらゆる側面を全面的に禁止する法案が持ち上がっている。コインポストでも先日報道したが、この法案などの影により、インド仮想通貨取引所における価格乖離が生じている。仮想通貨取引所Bitbncでは、ビットコイン価格はおよそ79万インドルピー(約122万円)となった。

出典:bitbns

本稿執筆時点のbitflyer上のBTC価格117万円と比べると、5万円近い価格乖離が発生していることが伺える。

出典:bitFlyer

価格乖離が発生した要因

インドでこのような価格乖離が発生した要因としては、「規制の厳格化」と「通貨・国政の情勢不安定化」が挙げられるだろう。

現在インドで検討されている法案は、早ければ7月7日に成立可能性があるとする見方も出てきており、違反した場合は最大10年の懲役が下される予定であることが、インドの財務省で元書記を勤めていたHaleem Khan氏の話で判明していた。

しかし、仮想通貨を全面的に禁止する法案が提出されて以降、むしろ国民の関心が集まっており、逆効果となっているという見方も強い。大手取引所バイナンスのCEOであるCZ氏も、当局が規制を強化すればするほど、かえって関心が高まってしまいかねないとかねてより言及してきた。

また著名仮想通貨投資家のAnthony Pompliano氏も同様に、一般的に「禁止系の規制は実際の思惑と裏腹に、仮想通貨の普及を促進する」だろうとの見解を示している。

通貨および国政の情勢不安

そのほか、インド国内の不安定な情勢も仮想通貨への需要促進要因となっている可能性が考えられる。

インドでは、国の負債とインフレ率上昇が問題になっており、高金利にありながら成長率が伸び悩むなどのマクロ的な要素が重なったことで政府への不信感が募っており、このことが仮想通貨への資金流入に繋がっているとの指摘もある。世界経済の先行き不透明感が増す中、昨今のビットコインは、金(ゴールド)のような性質を持つデジタルゴールドとして「逃避資産」としての側面も再評価されつつある。

今後懸念される法案が可決され、政府の取り締まり体制がさらに強化された場合、インド国内での取引を提供する取引所間での協力体制を築くことが困難となる。

2017〜2018年には、米国や日本と並ぶ仮想通貨大国の韓国でも「キムチ・プレミアム」と称される価格乖離が発生していたことが取り沙汰されたが、現在では価格乖離は落ち着いた状況となっている。

今後もインド国内の経済情勢を含め、仮想通貨規制に関する影響面が注視される。

関連記事

ビットコイン保有で刑務所行き? インド、仮想通貨を全面的に禁止する新たな法案
現在インド政府は、最大10年の禁固刑を科す、仮想通貨を全面的に禁止する法案が提出されたと、ブルームバーグ誌が報じた。インド準備銀行は法案への関与を否定している。
ビットコインが逃避資産として優れている理由 米仮想通貨投資ファンドCEOが解説
米国の仮想通貨投資運用ファンドのCEOであるMark YuskoがCNBCの経済番組にてビットコインが一般的な金融商品より優れている点を解説。ビットコインが逃避資産として着目される理由とは。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/15 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、米SEC委員長のDeFi支持発言でETH上昇やXRPL採用事例増加など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン中東リスクで調整、FOMC通過後の買い戻し予想|bitbankアナリスト寄稿
bitbank長谷川アナリストによる仮想通貨ビットコイン(BTC)週次分析。中東情勢緊迫化で1600万円から1490万円に下落するも、過去の地政学リスク時と同様に一時的調整と分析。FOMC通過とトランプ減税法案への期待で反発予想。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|アーサー・ヘイズのBTC急騰分析に高い関心
今週は、参政党の神谷代表による仮想通貨政策提案、米コネチカット州による反戦略的ビットコイン準備金法可決、アーサー・ヘイズ氏によるビットコイン急騰分析に関するニュースが最も関心を集めた。
06/14 土曜日
13:55
相次ぐ小規模企業による大規模な仮想通貨投資発表、VanEck専門家は株価操作の可能性を指摘
時価総額数億ドルの小規模上場企業が数百億ドル規模の仮想通貨アルトコイン購入計画を発表する事例が相次いでいる。VanEck専門家は一部を株価操作目的と分析し、投資家に注意を促している。
13:10
ビットコイン保有企業の増加でシステミックリスク上昇=コインベース分析
米コインベースが最新レポートで、現在228社が仮想通貨ビットコインを82万枚保有していると指摘し、こうした財務戦略でシステミックリスクも上昇していると説明した。
11:38
イーサリアム専門家らがETH価格を「大幅に過小評価」と主張、長期目標8万ドルも
イーサリアム技術者らが新報告書でETHを「デジタル石油」と位置付け、ビットコインとの比較で機関投資家向けに大幅な過小評価を訴える。ステーキング収益や供給上限機能により長期的な価値上昇を予測。
10:44
ブラジル下院委員会、ビットコイン戦略準備金法案を可決 
ブラジル下院委員会が仮想通貨ビットコイン戦略準備金法案を可決。外貨準備の最大5%をビットコインで保有する「RESBiT」創設を目指し、中央銀行デジタル通貨の担保活用も検討。
09:50
「ドン・キホーテ」運営のPPIH、オンチェーンでデジタル証券発行へ 若年層支援の仕組み
ドン・キホーテ運営のPPIHは、セキュリタイズジャパンと提携し若年層支援の仕組みを持つデジタル社債を発行する。majicaポイントなどで利息支払いし、若者に特典を付与する。
09:30
ソラナ現物ETF承認へ前進か、複数企業がSEC要請でS-1書類を修正提出
米SEC要請を受けフランクリン・テンプルトンやフィデリティなど複数企業がソラナ現物ETFのS-1書類を修正提出。ステーキング機能組み込みも検討され承認に向け前進。
08:20
ホスキンソン氏、エイダをビットコインやステーブルに替えることを提案
カルダノ創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、1億ドル相当の仮想通貨エイダをビットコインや複数のステーブルコインに替えることを提案。背景や目的を説明し、売り圧を懸念する声にも応えている。
07:30
現在最注目の仮想通貨関連法案、来週火曜日に米上院で最終採決見込み
米上院が来週火曜日にステーブルコイン規制法案「GENIUS法」の最終採決を実施。米ドル裏付け義務化や年次監査要件など包括的な規制枠組みを設定する重要法案の行方に注目。
07:05
今年最大規模の流入、ビットコイン長期保有ウォレットに3万超BTC=アナリスト分析
月11日にビットコイン蓄積ウォレットへ3万BTC以上が流入。2025年最大規模で、史上最高値圏でも長期投資家の積極的な買い増しが継続している状況が明らかに。
06:30
ウォルマート・アマゾンが独自ステーブルコイン検討、競争激化でビザとマスターカード株価急落
米大手小売企業がステーブルコイン発行を検討中。年間数十億ドルの決済手数料削減が狙い。競争激化でビザ・マスターカード株価下落、大手銀行も共同発行で対抗策を模索している。
05:55
米ナスダック上場企業、1000億円規模のビットコイン購入を計画 SPAC調達で
著名仮想通貨投資家ポンプリアーノ氏がProCapBTCのCEO就任を協議中。SPAC合併により750億ドルを調達し、全額ビットコイン購入に充当する計画が明らかになった。
05:35
米SharpLink Gaming、670億円でETH大量購入 イーサリアム財団に次ぐ世界2位の保有企業に
米上場企業SharpLink GamingがETH176,270枚を670億円で購入し、イーサリアム財団に次ぐ世界第2位の保有企業となった。Consensys主導の私募増資で最大ETH保有戦略を推進。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧