- 米国会がイランの仮想通貨マイニングを妨害するか
- 核合意廃止や無人偵察機撃墜をめぐり米国イランが対立を強める中、イラン高官は「米側が仮想通貨マイニングを妨害しようとしている」と主張した。資金洗浄など経済制裁の回避目的での悪用が警戒されている。
米政府、イランの仮想通貨マイニングを妨害か
米国による経済制裁を受けている中東イランの産業省副長官は、米国がイランの仮想通貨マイニングを妨害しようとしていると主張した。
イランの地元メディアAl-Farsによると、イランの産業省副長官Saeed Zarandi氏は、仮想通貨を経済制裁の回避方法と資金洗浄のツールとみなす米国議会が難色を示したとしている。
背景には、米トランプ政権は、2015年に結ばれた「核合意」から一方的に離脱したイランの動きや、先日の米無人偵察機撃墜事件などを背景に新たな経済制裁を課している点があり、これに対してイラン側は新たな経済回避手段を講じている。
以前にも米制裁の影響を受け、独自の仮想通貨を発行する計画が示唆されたイランだが、昨年米FinCENに、仮想通貨を利用し米ドルへのアクセス制限を緩和していた疑いで指摘された。
Zarandi氏は、今回の米国会の試みに対応するために中央銀行と対策を検討しているところだと語った。
なお、今年の2月、イランの中銀はゴールドにペッグする仮想通貨「PayMon」を発行したが、これに関する詳細は明らかになっていない。判明したのはこの通貨はステラ(Lumen)のネットワークを利用している点だけだという。
現在イラン政府の仮想通貨に対する法的スタンスは不明だ。ペッグ通貨を発行しつつも、直近では1000台のビットコインのマイニングマシンを差し押さえたニュースもあった。なお、エネルギー省はマイニングの電力供給を削減する計画も進めている模様だ。