CoinPostで今最も読まれています

テザー裁判とBakkt先物、明日に控えるビットコイン「重要ファンダ」を考察|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場

●ビットコイン(BTC)、直近値動きの重要ラインを分析

●市況に及ぼす影響など、23日の材料の注目ポイントを解説

仮想通貨ビットコイン(BTC)市況

22日現在のビットコイン(BTC)は、111〜115万円付近を推移している。

週末にかけてトレンドライン上での戻り売り圧力を乗り越え、108万円(10,000ドル)付近を割り込まずに反発してから逆三尊を形成(①)、赤丸ラインでレジサポ転換を確認すると、21日(日)の朝方にかけて上方ブレイク。約5万円幅急騰した。

7/19(金)時点の分析

しかしその後、6月下旬の高騰時にも意識された119万円(11,000ドル)の節目の青ゾーン(②)はやはり上値が重く、断続的に売り叩かれる形で約8万円幅ほど反落、一時111万円を付けている。1hRSIが75を超えるなど短期的な過熱感も背景にあったと言える。下位足では、急落直後のカウンターによる急騰など、上下5万円幅以上の乱高下の激しさに起因する狼狽売りで「ライトセイバー・チャート」が繰り返し発現。時間軸を伸ばさないと翻弄される一方となりかねない。

現在は、再びトレンドライン(緑)上で反発し、出来高を減少させつつ、1h雲下限と100EMA付近を推移。BitMEXの資金調達率、LS比率、4hMACDもほぼフラットだ。今後は、日足雲下限でもある③のラインを割り込むかどうかが注目されているが、ロングポジションの主要ロスカットライン(と考えられる価格帯)を下方ブレイクした場合は、再び9,000ドルの直近安値付近まで急落するおそれも考えられる。

一方で、レンジ相場に推移すれば、好ファンダ待ちで再び上値を追っていけるチャンスも訪れるかも知れない。目先では、日本時間23日に控える2つの重要ファンダのほか、29日に予定されている”テザー裁判”の行方を含めて、市場の動きに注視したい。

明日に控える重要ファンダ

仮想通貨市場は、米国時間22日(日本時間23日)に重大イベントを2つ控えている。

1つ目が、Bakktのユーザー受け入れおよび先物のテスト(UAT)開始=プラスファンダ

2つ目が、テザー裁判の行方を左右するBitfinex側の反論=マイナスファンダ

いずれも、市場における明暗を分かつ可能性のあるファンダ要因であり、「本記事では、明日の速報情報の前に、情報の整理とマーケットにおける重要点を解説する。

Bakktの先物のテスト

NY証券取引所の親会社ICE(インターコンチネンタルエクスチェンジ)が運営する仮想通貨プラットフォームBakktが、現物先渡し決済のビットコイン先物提供に向たテスト(UAT)を開始する。

ビットコイン先物の本提供で関わるICEの証券取引所や清算機関と協力する形で、UATを実施。連邦規則にも則った先物の提供についに乗り出す。

21日には、投資家や機関サービス関係者を集め開催された「Bakkt Institutional Digital Asset Summit」の参加レポートが公開されたことで、同UATに続く形でBakktの正式ローンチが行われる可能性が示唆されており、UAT実施の重要度がマーケットにより影響する事例として注目されている。

Bakktが提供を予定する先物取引は、現物先渡しの先物取引として提供され(毎日決済と隔月決済を予定)、毎日決済では現物取引を間接的に提供することになるため、CMEのビットコイン先物取引とは大きく異なる。

ビットコイン現物保管の役割を提供するほか、預け入れ資産における保険提供など、これまで機関投資家の参入障壁となっていた欠点を補う可能性が期待されている。

明日より開始されるUATの対象者こそ明かされていないものの、新たな仮想通貨デリバティブ商品に関する機関投資家需要が数値となって見えて来れば、市場も好感する事例となる可能性がある。

BakktのCOOも6月に、「仮想通貨市場には機関投資家の参加が欠如していることで、テストローンチは市場へのアクセスに新たな基準をもたらすと期待している。」と、UATの重要性を強調している。

Bitfinexの反論

Bitfinexに対して、米NY州で営業していたことを指摘する内容として公開されたNYAG(NY司法当局)の摘要書に、書面上の返答を行う日程が米国時間22日(日本時間 明日23日)行われる。

これは、NYAGがBitfinexに対して、NY州の住民へ営業を行なっていたと主張するもので、米国に拠点を置かないBitfinex側は事実無根であると否定していた。しかし、2015年からUSDTの提供を行なっていたとするデータを元に、NYAGが管轄権を主張する摘要書(Memorandum of Law)を最高裁に提出。22日までにBitfinex側は書面上での返答が求められている。

Bitfinex側がどのような返答を行うか、現段階では明らかになっていないが、29日に最高裁の聴取を控える今、返答内容への注目度が増している。

現在、ビットコイン市場とUSDTの発行数量で相関性の指摘が行われており、価格操作の懸念が生じているほか、市場を支える一大要因との見方にも発展している。BitfinexとUSDT、また市場価格との関係性は、長い間不透明な部分が多く、業界の懸念材料の一つであるが、今回司法のメスが入ることで、状況が公式文書で明るみに出る可能性も危惧されている。

NYAGとBitfinexの裁判沙汰など、状況を整理したタイムテーブルは以下にまとめる。(米国時間表記)

  • 4/25:NYAGがBitfinexに対し、USDT準備金の不正利用として、NY州における営業の停止を求める
  • Bitfinexは、この指摘を全面否定
  • 5/3:NYAGがBitfinexに対し、財務書類の開示要求
  • 最高裁がテザー社とBitfinexに対し一時的な準備金の移動禁止を発令
  • 5/16:証拠不十分として、最高裁がその禁止を一部解除; Bitfinexが告訴の取り消しを求める
  • 5/18:Bitfinexがアクセス不可能となった資金を補うため、LEOトークンのセールを行い、約1100億円を調達成功
  • 6/2:Bitfinexがテザー社に対し、1億ドルを返済した
  • 7/8:NYAGは、Bitfinexとテザーが2015年よりNY住民に提供をしていたとして、最高裁にその管轄権を主張する摘要書(Memorandum of Law)を提出
  • 7/22:BitfinexがNYAGの主張(摘要書)に対するリスポンス(書面上の返答)を行う
  • 7/29:最高裁が、Bitfinexの告訴取り消しの動議を審議する聴取を実施
  • 8/20:裁判所がNYAGの管轄権を認める。資金の不正利用疑惑に関する書類開示が必要に
  • 8/20:Bitfinex側が、米ニューヨーク最高裁(=第一審裁判所)の撤回を求め上訴(書類提出)

海外アナリストの展望は

海外の人気アナリストJosh Rager氏は、UTC時間における日足終値(10,627ドル)を踏まえた上で「今後、揉み合いになる可能性が高い」との見解を下し、今後1週間の展望分析を行なった。

昨日の終値は、重要サポートラインとレジスタンスラインである10,189ドル〜10,825ドル(110万円〜117万円)の価格帯で止まった。

移動平均線に標準偏差を盛り込んだ「ボリンジャーバンド」が収束し、4時間ローソク足に触れそうになっている点からも、今週のビットコイン(BTC)ボラティリティ(価格変動)はより高くなる可能性がある。「

<

CoinPostの関連記事

リップル、イーサリアムのBTC建チャートとビットコインドミナンスを独自考察|仮想通貨市況(タキオン)
仮想通貨アルトコインドミナンスは長期下落局面、ビットコインドミナンスは長期上昇局面と解釈できる。BTC建てアルトは底の見えない展開が続くが、ETH/BTCは短期では反発期待も。XRP(リップル)/BTCチャートも独自考察。
仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧