CoinPostで今最も読まれています

31日開催の米上院公聴会 ビットコイン(BTC)市場における重要点|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況
もうすぐ開催される米国会上院の銀行委員会が主催する公聴会。仮想通貨規制の枠組みをどう左右するか、現在注目されているポイントとマーケットにおける重要点をまとめた。

仮想通貨市況

ビットコイン(BTC)は、20:00時点でほぼ横ばいの103万円で推移。直近の市場ではボラティリティの高い相場状況にあったため、数日ぶりに落ち着いた値動きで推移している。

30日未明に行われたテザー裁判は、聴取内容から結論には至らず、90日間延長された。警戒ポイントとしても見られていた同裁判も、延期との内容を受け、市場への影響が見られない「無風」の状況で閉幕した。

30日20:00時点では、トレンドライン(緑)に頭を抑えをつけられるような形で推移しているが、9000ドル前後は過去2回に渡る急反騰があり、新規売り建ては消極的にならざるを得ない状況にある。

現在の市況は下目線が強まっており、依然として厳しい情勢にはあるが、そこは移ろいやすい仮想通貨市場。ファンダの後押しで4時間雲下限でもある1万ドル(108〜109万円)、あるいは110万円を明確に抜けてくるようなことがあれば、雰囲気が一変する可能性も考えられる。

市場の関心は、明日31日に控える米上院の仮想通貨・ブロックチェーン規制の公聴会にある。

本マーケットレポートでは、明日の米公聴会の重要ポイントとマーケットへの影響を考察する。

米公聴会の重要性を考察

日本時間31日(厳密には30日深夜から開始)に米国会上院の銀行委員会が開催する公聴会は、米国における仮想通貨とブロックチェーンの規制の枠組みを調査するとの名目のもと行われる。

開催する米上院銀行委員会は、過去に複数の仮想通貨関連公聴会を開いてきた委員会で、仮想通貨に関わるAMLや市場操作などを中心に議題に取りあげてきた。今月16日にもフェイスブック社のデジタル通貨「リブラ」に関する公聴会を開いており、当時 規制当局などから挙がっていた個人情報管理やマネロンリスクなどが議員などから質問として挙がっている。

今回の公聴会の出席メンバーは、米仮想通貨取引所ポロニエックスの親企業「Circle社」のCEO、国会リサーチサービス機関の会員、および著名大学UCIの法学教授との三名で、議員などから調査を行うための質疑が行われる。

冒頭証言の要旨が一部公開されたことで、議論内容が一部見えてきた中で、公聴会への出席メンバーの証言は、過度な規制への懸念を行明すると共に、業界の正確な情報を伝える役割を担っていることが見えてきた。

仮想通貨業界から唯一証言メンバーとして選ばれたCircle社CEOからは、現行法に当てはめようとする規制適応方針では、仮想通貨のイノベーションを阻害するとした意見も出ており、適切に仮想通貨を理解した上で、21世紀の技術革新を阻害しない法律の整備が必要であると旨が強調された。

米国では、NY州のように州レベルの法整備やライセンス制度の導入が進む地域がある一方で、連邦レベル(国レベル)では明確な規制や法律が整っていない現状がある。この背景には、銀行法や証券法、仮想通貨取引所への規制など、規制領域によって管轄が異なることもその要因に挙げられている。

出展:JBA資料

Circle社CEOは、このままでは米国で規制遵守を行なった上で事業を行う企業が、世界レベルの技術開発競争で不利な立場に置かれてしまうとの懸念も議員に伝えるという。NY州を始め仮想通貨の制度化が始まる地域を中心に、規制に準拠した運営を行う企業は多く見られるが、逆にこのままでは足かせになってしまうとの意見である。

では、今回の公聴会の注目ポイントはどこか、仮想通貨関連企業などから挙がる内容から、以下の3点をピックアップした。

  • 米政府でリブラで高まった仮想通貨規制への温度感
  • リブラを含めた、各ユースケースごとの仮想通貨種別を理解した上で法整備を行うか
  • 具体的な規制方針に関する見解

今回の公聴会は、リブラの時とは違い公聴会の前に政府機関などから懸念が噴出している状況の中で行われるものではない。あくまでも「規制の枠組み」を調査する上での意見交換の場である意味合いが強いと見られている。

しかし、米国が中心のマーケットになりつつある仮想通貨市場では、米国の規制方針やその温度感は極めて重要な事例となる。

例えば、規制の枠組みを整理する上で、「仮想通貨の種別」がどのように捉えられているかも、マーケットに影響が出る可能性があるトピックだ。

仮想通貨を一括りにして考えた場合も、各仮想通貨ごとに基盤となるブロックチェーンが異なることや、根本的なユースケースも多種多様だ。これは株式などの金融資産とは明確に異なる点となる。送金に利用されることを目的としたものもあれば、配当を行うためのトークンもある。これを現行法でどのように当てはめるかは、結果次第では、それぞれの仮想通貨に与える影響も大きい可能性は十分に考えられる。

有価証券の問題もこれに同じだ。

特に現在の米国会の温度感は、先日開催された2度の公聴会(上院・下院)のイメージが強い。リブラの誕生で、グローバル金融システムへ与えるリスク懸念が急速に高まった。

企業が発行するものやパブリックに維持される仮想通貨など、リブラで高まったリスク懸念がどのように枠組みの整理に影響を与えるか、今回の公聴会の証言やその温度感は重要な参考例となるだろう。

米公聴会は、こちらのURLからリアルタイムの映像で視聴することが可能だ。

公聴会視聴

CoinPostの関連記事

どうなる?31日の米公聴会 仮想通貨規制に関する証言要旨が一部公開
日本時間7月31日に開催される米上院の公聴会。冒頭証言の要旨が公開され、仮想通貨規制に関わる議論内容が一部判明した。
リップル社が語る「有益な仮想通貨規制」 米公聴会目前
31日に予定される上院公聴会を前に、リップル社のシニアVPを務めるMonica Long氏が有益な規制の重要性を再び強調した。理想な規制とは何か、発言内容と注目ポイントをまとめた。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12:30
米下院エネルギー委員会、ブロックチェーン促進法案を可決
米国の下院エネルギー・商業委員会は、ブロックチェーン技術や分散型台帳技術を促進する法案を可決した。米国の競争力強化が期待される法案となる。
12:23
ビットコイン上昇一服、主要アルトはイーサリアム前日比5.6%高、ソラナ(SOL)12.1%高に
暗号資産(仮想通貨)市場では高騰していたビットコインが一服し、アルトコイン相場ではイーサリアムが上昇した。ソラナ(SOL)エコシステムではエアドロップされたJito Networkのガバナンストークン「JTO」が高騰するなど反響を呼んだ。
11:45
サム・アルトマン支援のMeanwhile Group、1億ドルのビットコイン運用ファンドをローンチ
Meanwhile Advisorsが仮想通貨ビットコインに焦点を当てたプライベートクレジットファンドを立ち上げ。BTCで5%の利回りを提供し、2024年第1四半期までに1億ドル調達の計画。OpenAIのサム・アルトマンが支援するMeanwhile GroupはBTCベースの生命保険ビジネスも展開。
11:00
ブロック社、BTCのセルフカストディウォレットをローンチ
米ブロック社は、仮想通貨ビットコインのセルフカストディウォレットBitkeyをローンチ。ウォレットの特徴や仕組み、出荷時期などが明らかになった。
10:40
ソラナDeFi「Kamino Finance」、将来エアドロップ向けのポイントシステムを開始予定
仮想通貨PYTHやJTOなどソラナプロジェクトの無料配布が注目を浴びる中、ソラナDeFi「Kamino Finance」は将来のエアドロップに向けてポイント制システムを導入すると発表した。
10:15
バイナンス、UAEアブダビでの投資ファンドライセンス申請取り下げ
大手仮想通貨取引所バイナンスは、UAEアブダビにおける投資ファンドのライセンス申請を取り下げた。グローバル戦略見直しの一環とみられる。
08:25
米国株AI銘柄上昇 日銀総裁発言で円高進む
米国株は来年の米利下げへの行き過ぎた期待との指摘が散見される中、AI関連株ではグーグルのGemini発表や、AMDの新たなAIチップ発表などがAI相場上昇への追い風となった。
07:50
仮想通貨Jito(JTO)、バイナンスやBybitにも上場 価格高騰
ソラナの大手リキッドステーキングJitoのガバナンストークン「JTO」は昨夜、仮想通貨取引所大手コンベースやバイナンス、Bybitに上場し価格が暴騰していた。
07:40
Uphold、補助型のセルフカストディウォレット提供へ
Web3金融プラットフォームUpholdは、補助型のセルフカストディウォレットをローンチ。まずは仮想通貨XRPに対応し、今後はビットコインなどにサポートを拡大する。
07:05
SECのビットコインETF審査 最終段階か=ロイター報道
米証券取引委員会(SEC)と申請企業の間で重要な技術的な詳細について協議が進んでおり、近く仮想通貨現物ビットコインETFを承認する可能性があることが示唆された。
12/07 木曜日
17:00
「Beyond The Price」、未公開内容や過去のまとめを配信
第11回のGM Radio:Beyond The Priceは2日に公開。仮想通貨ビットコインなどについて過去の配信をまとめ、未公開の内容も追加した。
15:00
「ビットコインETF承認は機関投資家を後押しする決定打となる」米ARKのウッドCEO
米ヘッジファンドARK Investのキャシー・ウッドCEOは、米証券取引委員会によるビットコイン現物ETFの承認は、仮想通貨投資を検討している機関投資家に対し、「確定的なお墨付き」を与える可能性があると述べた。
14:30
仏大手銀行がイーサリアムでステーブルコイン「EURCV」を初発行
ソシエテ・ジェネラルがイーサリアムでユーロ連動ステーブルコインEURCVを発行。暗号資産(仮想通貨)取引所Bitstampに上場。入出金時にはKYC(顧客確認)およびAML(資金洗浄防止)コンプライアンス手続きが適用される。
14:20
IEO後に高騰したアイドルトークン「NIDT」の裏側|関係者インタビューvol.1
関係者インタビュー NIDT(Nippon Idol Token)は、web3時代の女性アイドルを創造する「IDOL3.0 PROJECT」の独自暗号資産(仮想通貨)です。 I…
13:55
コインチェックがアバランチの取扱いを開始 
暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックがアバランチ取り扱い開始。AVAXの取扱いを皮切りに、クリプト技術を活用し社会や経済に実際の利益をもたらすプロジェクトを支援していく方針を示す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2023/12/08 12:00 ~ 13:00
その他 オンライン
2023/12/12 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧