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投資家の資産活用方法、垂直方向の拡大へ:多様化する仮想通貨企業サービス

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

シンプルな仮想通貨投資の選択の幅が広がる

2020年、2017年の仮想通貨バブルから紆余曲折を経た今、トレードに躊躇する一般の個人投資家にとっても、仮想通貨は「HODL(長期保有)」して、単に値上がりを期待する投資対象ではなくなってきているようだ。

仮想通貨に関する規制をはじめ、決済やカストディ等の投資環境が着実に整備されつつあることも背景にはあるが、仮想通貨取引所やレンディング企業などが、シンプルに利息を獲得できるサービスの提供を開始するなど、個人ユーザーの選択の幅が広がった。

さらに、取引所間の資金移動も簡単な仮想通貨だからこそ、ユーザーの移動率も高く、ユーザーを引き止めておくため、取引所は常に提供するサービスの充実を図る必要に迫られ、新しい技術やサービスが他の業界よりも格段に速いスピードで取り入れられて行くようだ。

ユーザーにとっては嬉しい状況だが、取引所をはじめとする仮想通貨企業は生き残りのために激しい競争を強いられることになる。だが、大局的に見ると、仮想通貨業界内での競争は、従来の金融業界との競争力も高めることに繋がるだろう。

ビットコインデリバティブ取引所大手のDeribitは、今後2年以内に、利付預金口座の提供、費用対効果の高い決済手段の充実、そして税務サービスの提供が、取引所の標準的サービスとなると予測している。

仮想通貨で利子を得る

銀行が顧客へ提供する機能の一つに、預金への利子の支払いがあるが、すでに仮想通貨でも利息を得ることが可能な口座サービスが登場している。

現在の低金利/マイナス金利時代における銀行との大きな違いは、仮想通貨企業が「魅力的な」高い利率の提供を実現したことだろう。

例えば、投資ファンドGalaxy Digitalやウィンクルボス兄弟のWinklevoss Capitalが出資する、仮想通貨レンディング大手のBlockFiは、先月からコインベースのステーブルコインUSDCやライトコインを利付預金口座に追加したが、USDCは年利8.6%、ライトコインは3.8%を毎月、複利で得ることができる。

また、仮想通貨レンディング企業Celcius Networkは、ビットコイン預金に対し、8.1%を上限する年利を複利での提供を開始した。(米国および日本在住ユーザーを除く) 昨年11月のプレスリリースによると、同社の貸付総額は、42億5000万ドル(約4667億円)に達しているとのことだ。

取引所大手のバイナンスなど、貸し付けサービスによる利子の支払いを提供する仮想通貨取引所も数々ある。 日本の仮想通貨取引所コインチェックは、口座保有者向けが保有する仮想通貨を同取引所に貸し付け、利子を得られる貸仮想通貨アカウントを提供している。14日間から365日間まで貸出期間によって年利は異なるが、同取引所が提供する仮想通貨が対象となる。

ステーキングによる利子の獲得

そのほか、仮想通貨を保有することで報酬を得られる方法としては、PoSブロックチェーンネットワークへのステーキングがあるが、個人で各ネットワークに参加せずとも、多くの仮想通貨取引所が、その取引所に対象となるトークンを保有することによって利子を付与する「サービスとしてのステーキング」を提供し始めている。

Tezosネットワークの場合、大手取引所のコインベース 、バイナンス、そしてクラーケンが ほぼ同時期にステーキングサービスの提供を開始した。

取引手数料の無料化も進む

CryptoCompareのデータによると、昨年8%だった取引手数料無料の取引所が、11月の時点では10%に増えたという。米メディアBloombergは、バイナンスやビットメックスなどの大手取引所の市場シェアが拡大するに連れ、多くの中小規模の取引所がその影響を受けており、2014年創設の仮想通貨企業ShapeShiftも、取引手数料を無料としたことを報道している。

株投資アプリの米RobinhoodやソーシャルファイナンスSoFi の株式・ETF取引アプリ等により、株式のオンライン取引で広まった取引手数料の無料化が、ユーザー獲得のため、仮想通貨取引にも広まりつつある。ユーザーにとっての仮想通貨取引環境は、ますます進化しつつあるようだ。

資本としての仮想通貨

仮想通貨取引所だけではなく、カストディ企業や仮想通貨ウォレット企業も、借入および貸付事業から仮想通貨の金融サービス提供に参入してきている。 今後、これらの企業間では「仮想通貨銀行」となるべく競争が高まり、多くの異なる資産を追加する「水平方向への拡大」から、ユーザーの保有資産の活用方法を広げる「垂直方向の拡大」へ移行して行くだろうと、Deribitは分析した。

「ビットコインもイーサリアムも結局のところは資本である」ため、資本のあるところには金融サービスが生まれ、さらにより多くの資本を生み出す機会も創造されることになると、Deribitは総括している。

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