ライトコイン(LTC)の概要
ライトコイン(LTC)は、グーグルのエンジニアだったチャーリー・リー氏が考案した仮想通貨で、2011年10月にローンチされた。オープンソースのグローバルなネットワークで、中央集権的な組織などを介することなく稼働している。
ビットコイン(BTC)の技術を基盤にしており、基本的な仕組みはビットコインと同じ。コンセンサスアルゴリズムはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)で、4年ごとに発行枚数が半減する「半減期」が来るように設計されていることもビットコインと同じだ。
なお、ローンチ時期が異なるため、半減期の時期はビットコインとずれている。ライトコイン初の半減期は2015年で、前回の半減期は2019年8月5日だった。
ビットコインとの相違点
ビットコインとの大きな相違点のひとつとして、発行上限が2,100万枚であるビットコインに対し、ライトコインは4倍の8,400万枚である点が挙げられる。
他には、ビットコインよりもライトコインの方が、ブロックの生成スピードが速いことも相違点だ。ビットコインが1ブロックの生成時間が10分なのに対し、ライトコインは2分30秒で4分の1で生成される。手数料がほとんど無料であるというも大きな特徴で、ライトコインは支払いに利用されることを想定して設計されている。
リー氏はビットコインとの違いについて、「ビットコインは金で、ライトコインは銀である」と過去に説明した。価値の保存手段として利用されることの多いビットコインとは違い、ライトコインは工業材料として多用される銀のように、決済通貨として実利用されることを前提に開発されていることを表現している。
ユースケース
実際ライトコインは、米決済大手PayPalが2020年に仮想通貨業界に参入する際、取り扱い銘柄に採用した。まずは仮想通貨売買サービスから始めたPayPalだが、その仮想通貨を決済に利用できるようにサービスを拡充している。
また2020年には、ベネズエラ政府が運営する仮想通貨送金プラットフォームに、ビットコインと共にライトコインを組み込むことが発表。国営の送金システムに組み込まれることで、ライトコインの利用が促進されるとして大きな注目を集めた。
ローンチ後の開発については、通貨の匿名性を高め、プライバシーの保護を可能にする技術「Mimble Wimble(ミンブルウィンブル)」導入に向けた動きが注目されている。