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仮想通貨投資商品の資金フロー
暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesでリサーチ部門のトップを務めるジェームズ・バターフィル氏は17日、デジタル資産の投資商品から先週、計4.1億ドル(約628億円)の資金が純流出したと報告した。
個別銘柄では主にビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の商品から資金が流出。バターフィル氏は、ビットコインは米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に対する思惑の影響を大きく受けたと分析している。
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出典:CoinShares
上記の画像は、仮想通貨のETFなどの金融商品における2024年以降の資金フローを週単位で表している。バターフィル氏は、先週は、昨年11月の米大統領選以降、初めて多くの資金が純流出したと説明した。
また、それまでは米大統領選ごろから19週間で計294億ドル(約4.5兆円)が純流入していたと指摘。この金額は、米国のビットコイン現物ETFのローンチ後、最初の19週間で記録した計160億ドル(約2.4兆円)という純流入額をはるかに上回っていたと述べている。
先週のビットコイン商品の流出についてバターフィル氏は、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米議会で利下げに対し後ろ向きな発言をしたこと、米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことが主な要因であるとの見方を示した。
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資金フローを国別に見ると、以下の表の通り、米国の商品から最も多くの資金が流出している。
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出典:CoinShares
一方、バターフィル氏は仮想通貨メディア「Decrypt」に対し、「今回の流出までの294億ドルという流入額と比較すれば、先週の流出に見られる投資家の反応は非常に小規模だった」との見方を示した。
銘柄別の資金フロー
銘柄別の資金フローは以下の画像の通り。ビットコイン、イーサリアム、複数銘柄、「その他」を投資対象にした商品から資金が純流出した。
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出典:CoinShares
銘柄別ではビットコインの商品が最も純流出額が多く4.3億ドルのため、上述した純流出金額は大部分をビットコインが占めていることになる。
一方、米国でのETF誕生に期待が高まっているXRPやソラナ(SOL)、ライトコイン(LTC)などの商品は純流入だった。
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