UNI(ユニスワップ)とは
世界最大の分散型取引所(DEX)ユニスワップが発行するガバナンストークン。
ユニスワップはイーサリアム上に構築されており、ERC-20規格のトークンを審査を必要とせず上場させることができる。スマートコントラクトで構築されており、AMM(自動マーケットメイカー)方式を採用している。AMM方式とはスマートコントラクトで自動でのマーケットメイクを可能にしたシステム。分散型取引所では多くのプロジェクトがAMM方式を採用しているが、ユニスワップが1番規模が大きい。
分散型取引所なので流動性プールに多くの通貨を必要とするが、ユニスワップのプールに暗号資産(仮想通貨)を預けて流動性を提供する(イールドファーミング)ことで対価としてUNIを受け取ることができる。
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価格
- 現在価格(2024年11月5日時点):6.867ドル(約1047円)
- 年初来高値(2024年3月):16.98ドル(約2590円)
- 年初来騰落率(YTD):-9.69%
- 過去最高値(2021年4月):43.92ドル(約6698円)
価格予測
24年2月:UniswapのUNIに利益分配を提案、トークン価格が50%急騰
24年4月:高止まりで推移するビットコイン、UNI暴落の背景は?
時価総額|関連銘柄
ユニスワップ(UNI)の時価総額は2024年11月時点で約40億ドル、「分散型取引所(DEX)」セクターの中ではトップに位置する。同セクターで2位のソアチェーン(RUNE)の時価総額は約20億ドル。以降は、ジュピター(JUP):約10億ドルが追従する。
主な出来事
- 2023年4月:分散型取引所Uniswap、iOS版のモバイルウォレットを正式にローンチ
- 2023年8月:米地裁、仮想通貨分散型取引所ユニスワップ(Uniswap)に対する集団訴訟を棄却
- 2023年11月:仮想通貨DEX大手Uniswap、アンドロイド版アプリを一般公開
- 2024年3月:Uniswapの利益分配提案、コミュニティの温度感チェックを通過
- 2024年10月:仮想通貨DEX大手Uniswap、独自のイーサリアムL2「Unichain」を発表
エコシステム支援組織
Uniswap Labs: アメリカのニューヨーク州に拠点を置く企業でユニスワップの開発・運営を主導する。ユニスワップエコシステムをサポートする製品の開発を進めている。
Uniswap DAO: 投票による民主的な統治が行われている。UNIを保有することで誰でもガバナンスに参加することが可能。全てのDAO内の組織としては世界2位の規模を誇っていて、トークン保有者数は38万人、市場規模は28億ドルに及ぶ。Uniswap Labsが開発した機能や提案をガバナンス投票によって承認する役割も担う。
トークンアロケーション
初期に10億UNIが発行され、4年間にわたってアンロックされる。最初の4年間はユニスワップのコミュニティメンバー60%、チームと将来の従業員21.51%、投資家17.80%、アドバイザー0.69%の割り当てとなっている。
UNIの総供給量は10億UNIで2024年11月の循環供給量は6億UNI。UNIの初期の発行から4年後には年間2%の永続的なインフレ率が開始され、エコシステムへの継続的な参加と貢献が保証されている。
トークン保有者の中で最大の割合を占めているのがカリフォルニア州に拠点を置くアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)でDAO投票で過去に大口保有者(クジラ)による資本集約型DAOの問題が問われたことがある。ユニスワップコミュニティではマルチチェーン推進を進める議論を重ねたが、UNI大口保有者がブリッジ選定の政治的理由で反対票を投じたことがある。
関連:Uniswapが浮き彫りにした資本集約型DAOのリスクとは?
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2024年11月時点、ユニスワップのTVLは、45億ドル。
ユニスワップ(UNI)の将来性
期待される今後の動向
ユニスワップのバージョンアップデート(Uniswap v4)
ユニスワップは最新のバージョン(v4)へのアップデートに向けて準備を進めている。従来のバージョン(v3)と比較してプロトコルの資本効率やガス効率が改善される。さらに、他のDeFi(分散型金融)アプリケーションとの相互作用性や開発者にとってのカスタマイズ性が強化される見込み。
- カスタマイズ性の向上
新機能として「フック(Hook)」と呼ばれる開発者が流動性プール(LP)の動作を容易にカスタマイズ、拡張できるシステム(外部のスマートコントラクト)が開発されている。
開発者はニーズに合わせてカスタマイズされたAMM(自動マーケットメイカー)プールを作成することが可能となる。市場の変動に応じて手数料を柔軟に設定する、ユーザーが定期的な購入を分散させるドルコスト平均法(DCA)、価格曲線のカスタマイズなど開発者の様々な戦略や選択肢が豊富となった。 - ガス効率の改善
新機能である「シングルトン」は全ての流動性プールを1つのスマートコントラクト内に保持し、複数の異なるプール間で交換する場合に中間プールのトークン転送の必要性をなくした。これによって単一のコントラクトで状態の更新をすることが可能となる。
シングルトンによってガス効率を向上することができ、新しいプールを展開する際のコストを99%も削減できる模様。
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投資リスク、懸念材料
米国証券取引委員会(SEC)からウェルズ通知が発行された。ウェルズ通知とはSECが企業や個人に法的措置を講じる予定であることを正式に伝える文書。ユニスワップ側の反論を以下にまとめる。
- トークンは本質的には証券ではない
SECはほとんどのトークンを証券としているが、実際にはPDFやスプレッドシートのようなデジタルファイル形式がトークンの本質であり全ての紙が株券ではないのと同様にトークンは本質的には証券ではない。 - トークンは投資契約ではない
ユニスワップでは二次市場で取引されるトークンは投資契約ではない。
以上の反論に併せて①議会からの権限がない②証券取引所やブローカーの主張なし③証券の提供なしの3つの法的根拠を明確に示しユニスワップが提供するプロダクトが合法であることを主張している。さらに、ユニスワップはSECとの裁判に臨む構えを見せており今後の動向に注目する必要がある。
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p>現時点では、UNIは国内の取引所に上場していないが、海外や分散型取引所で取引が可能。購入するためには、まずメタマスクを用意し、国内の取引所でイーサリアム(ETH)を購入。その後、購入したETHを自分のメタマスクウォレットに移し、関連する分散型取引所でUNIを購入できる。