ステラ(XLM)とは
ステラは主に決済や送金で使用されることが多いパブリックチェーン。リップル(XRP)の開発者であるJed McCaleb氏主導のもと立ち上げられ、2014年7月31日から発行を開始した。
ステラはブリッジ通貨としても運用されており、日本円⇆XLM⇆米ドルのように外貨交換の際に両通貨間の橋渡し的な機能を果たし、高速かつ低コストな送金を行うことができる。
独自のコンセンサスアルゴリズム「Stellar Consensus Protocol(SCP)」を採用している。このアルゴリズムではマイニングを必要とせず、ステラが迅速かつ低コストで多くの取引を処理できるよう設計されている。
価格
- 現在価格(2024年11月12日時点):0.118ドル(約18円)
- 年初来高値(2024年3月):0.147ドル(約23円)
- 年初来騰落率(YTD):+39.57%
- 過去最高値(2021年5月):0.796ドル(約122円)
価格予測
19年11月:日本の新規上場仮想通貨ステラ(XLM)、総供給量の約半数をバーン(焼却) 価格が急騰
20年11月:仮想通貨ステラ(XLM)高騰に複数の背景、大型アップグレードなどを材料視
21年1月:日本取引銘柄の仮想通貨ステラ(XLM)、1日で2倍の価格に
時価総額|関連銘柄
ステラ(XLM)の時価総額は2024年11月時点で約35億ドル、「DEXトークン」セクターの中では2位に位置する。同セクターで1位のユニスワップ(UNI)の時価総額は約58億ドル。以降は、THOChain(RUNE):約22億ドルが追従する。
主な出来事
- 2019年11月:日本の新規上場仮想通貨ステラ(XLM)、総供給量の約半数をバーン(焼却) 価格が急騰
- 2021年4月:仮想通貨ステラ(XLM)、プロトコルのアップグレードを実施──ノードがオフラインになった問題を受け
- 2021年5月:決済大手Visa、ステラ(XLM)ブロックチェーン上のステーブルコインにも対応か
- 2021年9月:ペルーの法定通貨担保型ステーブルコイン、ステラ(XLM)でローンチ
- 2022年6月:OKCoinJapan、ステラルーメン(XLM)の上場を予定
エコシステム支援組織
ステラ開発財団: ステラの開発・運営を行う非営利団体でアメリカのカリフォルニア州に拠点を置く。2023年の8月に米大手送金企業のマネーグラムに戦略的投資を行っている。この提携でマネーブラムがデジタル事業拡大、ブロックチェーン技術の探求など世界中で送金や資金管理に関するサービスの提供をサポートできるようになった。
関連記事:ステラ開発財団、米送金大手マネーグラムの少数株主に
トークンアロケーション
出典: cryptorank
ステラの初期トークン配分は、ダイレクトサインアッププログラムに50%、パートナーシッププログラムに25%、ビットコインプログラムに20%、ステラ開発に3%、その他に2%の比率となっている。
発行当初は総供給量は1000億トークンだったが、2019年にステラ開発財団が供給量の約50%をバーン(焼却)し、合計が500億トークンとなった。新しい供給量のうち約270億トークンが流通しており、残りは開発やエコシステム成長プログラムに資金を提供するためにステラ開発財団が保有している。
バーン(焼却)されたトークンの内訳は運営ファンドから50億トークン、エアドロップの利用目的で確保されていたトークン数から500億トークン。このトークンバーンによって1トークンの価値が向上し、価格が急騰した。
トークンの発行量は毎年1%ずつ増加しており、発行上限の1兆トークンに達するまで徐々に発行量が増加している。徐々に増えることで価格安定化の機能を果たす。
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Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2024年11月時点、ステラのTVLは、2200万ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
- Franklin Templeton:RWA(リアルワールドアセット)。米国の持ち株会社で総資産の99.5%以上を米国政府証券、現金で担保されたレポ契約に投資する。
- LumenSwap(960万ドル):DEX(分散型取引所)。ステラネットワーク上に構築された分散型取引所で最小限のインターフェースを使用し資産を交換、取引することができる。
- Aquarius Stellar(400万ドル):DEX(分散型取引所)。ステラに流動性を管理するレイヤーを追加し、DeFiプロジェクトを強化することを目標としている。
- 資金調達総額:約500万ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2014年8月、300万ドルの私募トークンセール)
- リードインベスター:Stripe
ステラの将来性
ロードマップ
ステラ公式サイトにステラ開発財団(SDF)のロードマップが掲載されている。
金融システムへのアクセス拡大に向けて低コスト、高速、拡張性に優れた決済ネットワークへのリーチのためにスマートコントラクトを統合するプロジェクト「Soroban」を通してネットワークの提供内容とビルダーへの価値提案を拡大することを目標としている。
- オープンな参加、イノベーション、ガバナンスの促進
ステラの開発や実行レイヤーに多くの人が関与しネットワークの将来性を保証する。オープンな参加を増やすために分散化が一つの手段であり、参加者がステラを構築、使用、宣伝しエコシステムを拡大する。これらを実行するためSorobanエコシステムの構築と開発者エクスペリエンスの向上を目指す。 - 金融サービスに重点を置く
オープンプラットフォームにする、グローバルな金融システムへのアクセスを増やすためにリソースを投入する方法について慎重に検討。Sorobanの機能とスケーラビリティを拡張してトップレベルのスマートコントラクトプラットフォームにし、戦略的な市場投入でユースケースを増やす。 - 金融サービスへ技術の導入
信頼できる技術スタックを構築するためにSorobanエコシステムの安全性を優先し、セキュリティの向上とプライバシーソリューション(プライバシー保護の強化)のプロトタイプ開発を進める。
ステラの期待される今後の動向
世界各国での導入
発展途上国を中心にステラの決済・送金での活用例が増加している。仮想通貨の利点の1つに経済的に安定しない国、政府による資金規制・預金封鎖のある国での第二の資金・決済手段となる。同様の地域においてステラの採用が今後も増加することが考えられ、ステラエコシステムの発展が期待される。
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スマートコントラクトプラットフォーム「Soroban」
2022年10月にステラのテストネットに導入されたスマートコントラクトプラットフォームの「Soroban」は今後のステラエコシステムの成長の鍵となっている。Rust言語で記述され、WebAssenmly(WASM)としてコンパイルされたプログラム。
開発者はRustでスマートコントラクトの開発を行うことが可能。ステラネットワークにはDeFi分野における優位性があり、今後はSorobanを活用したスマートコントラクトの開発が活発化することが期待される。
投資リスク、懸念材料
ステラネットワークは2014年にローンチされており、ブロックチェーンの中でも長い歴史がある。ステラ誕生から技術が進歩し、さらに高速化したネットワークが多く誕生している現状がある。それらのネットワークに対抗しさらに普及するためにSorobanといった新しいプロジェクトを成功させることが今後の将来性に重要であると考えられる。