仮想通貨XLMが急騰
暗号資産(仮想通貨)ステラ(XLM)の価格は、本記事執筆時点で前週比100%超急騰している。
ステラは送金・決済分野で着実な発展を遂げているプロジェクト。価格急騰の大きな要因は、米大統領選におけるドナルド・トランプ氏の勝利であるとの見方がある。
仮想通貨規制の緩和や決済手段としての普及拡大への期待のほか、グレースケールの保有量増加、循環物色に伴うXRP急騰の連れ高もXLMの押し上げた要因になったとみられる。かねてより、XRPとXLMは類似性や相関性の高い銘柄として認知されてきた。
資産運用会社グレイスケールは米証券取引委員会(SEC)に提出した10-K(年次報告書)において、ステラルーメン(XLM)の保有量を増やしたことを開示。同社のステラルーメントラストを通じたXLM保有が増加したことが明らかになった。
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XLMの価格が急騰する中、ステラ開発財団の共同創設者であるジェド・マケーレブ氏が24日にXで、多くの新しい人々がステラに注目しているとしてステラの価値を説明した。
まずは、ステラは非常に過小評価され、あまり知られていない仮想通貨プロジェクトであるとの認識を示している。その上で、1日あたりのトランザクションは大部分のブロックチェーンよりも多いとし、多くの人々が現実世界の取引でステラを使用していると説明した。
特徴としては、シンプルかつ綿密に設計された仕様が特筆すべき点として挙げられている。具体的には、ステーブルコインやトークンの発行機能をネイティブで実装し、DEX(分散型取引所)を統合している点が注目される。
また、オンチェーンガバナンスの導入や、高度なセキュリティを備えたスマートコントラクトシステムを採用。さらに、基盤レベルから高性能を追求した設計により、実質的にゼロに近い手数料で高速な取引処理を実現している。
加えて、持続可能性の高さやユーザービリティを重視した基盤設計、世界トップクラスのエンジニアによる開発体制など、包括的な強みを有していると、マケーレブ氏は自負している。
ステーブルコインとは
価格が常に安定するように設計された仮想通貨のこと。法定通貨または仮想通貨に価値が裏付けられていたり、アルゴリズム等で価格を安定させたりする様々なステーブルコインが開発されている。
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また、マケーレブ氏は、仮想通貨の最も影響力がある最適な用途はデジタルマネーとして使うことだと考えているとも述べた。つまり、支払い手段として便利でなくてはならないという意味だと説明している。
そして、ステラはデジタルマネーとしての用途のために開発されたとし、優れた決済システムであると主張。世界の人々や企業がこのことを認識し始めているとし、ステラは世界の金融インフラで重要な役割を果たすようになる可能性を秘めていると考えているとした。
ステラの概要
XLMは、グローバルな金融システムをより効率的で包括的なものにすることを目指して開発された仮想通貨。特に、世界の約17億人の金融サービス未利用者(アンバンクト)や新興国市場の中小企業に向けた、革新的な金融インフラとして注目されている。
リップル社の共同創設者でもあるマケーレブ氏は2013年に同社を離れ、ステラの構想に着手。当初はXRPレジャーのプロトコルをベースにステラは開発され、その後に独自のコンセンサスプロトコルが開発された。
ステラのプロジェクトは、送金大手のマネーグラムと提携したり、規制機関や金融機関と連携したりすることで、金融システムの革新を目指している。
Today at #Meridian2024 in London, we announced a new partnership with @Mastercard to integrate the company’s Crypto Credential solution with the Stellar network. https://t.co/twivBHsrpt
— Stellar (@StellarOrg) October 15, 2024
今年10月にはステラ開発財団が、カード会社大手のマスターカードと新たなパートナーシップを締結したことを発表。消費者や企業が行うブロックチェーン上でのやりとりの認証をサポートする「Mastercard Crypto Credential」をステラのエコシステムに組み込むと説明した。
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今後の課題
これまでマネーグラムと送金分野で提携したり、ウクライナでの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を行ったりしてネットワークの普及を進めるステラだが、まだ課題は残されている。
最も注目すべき課題は、ネットワークの分散化。2024年2月時点でのバリデーターノード数は約75に留まっており、ステラ開発財団は2025年までに150ノードへの拡大を目指している。
この課題に対しては、地域的な分散化と、ノード運営者へのインセンティブ制度の確立が進められている。
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