- 仮想通貨には、取引所に帰属するリスクと、所有者に帰属するリスクが存在する。
- 仮想通貨はサイバー犯罪者にとって恰好の的であり、ハッキングのリスクが高いです。同時に、仮想通貨をハッカーから守ろうとするあまり、その所有者も仮想通貨にアクセスできなくなる問題が頻発しています。ビットコインに関しては、現在、発行総数の14%が紛失されたという試算もあります。
- 安全な取引所で購入した仮想通貨を、オフラインで厳重に管理することが必要。
- 思わぬ事態を防ぐために、仮想通貨は安全な取引所で売買し、ハードウェアウォレットで保管するようにしましょう。さらに、そのパスコードは耐火性のある金庫などに厳重に保管しましょう。
ここ数週間に大勢の人が息を荒げてテキサス州ヒューストンのMcCann Investigations社に問い合わせをしました。
その中には、自分の仮想通貨を紛失してしまった人もいれば盗まれた人までいます。
McCann Investigations社の私設研究者で、仮想通貨を専門としているDorothy Flippov(以下、フィリッポ氏)は、仮想通貨取引アカウントを開設する際に、多くの脆弱性があることを指摘しています。
ビットコインは、従来の伝統的な市場への不信と、ブローカーや銀行から独立した新しい仕組みを創造したいという願望から生まれました。
しかし、多くの仮想通貨の価値が高まるにつれて、自分のデジタル資産へアクセスできるのは本当に自分しかいないのか、という人々の懸念も増大しています。
仮想通貨は従来のサイバー犯罪に比べ、犯罪にかける手間が少なくて済むので、犯罪者にとって夢のようなものです。
仮想通貨のセキュリティー会社であるLedger Wallet社のCEO・Eric Larcheveque(以下、ラチェベク氏)は次のように述べています。
例えば、社会保障番号や銀行口座情報を盗んだとします。
それらは情報であってお金ではありません。
その情報を売るためにブローカーを探す必要があります。
一方、ビットコインは、すでに「お金」であるので、そのような手間がかかりません。
世界中のすべてのハッカーたちが仮想通貨をターゲットにしています。
さらに、仮想通貨の安全システムが高度なことにより、自分までもが容易に締め出されてしまうということに投資家は気付きつつあります。
ブロックチェーンを追跡しているChainalysis社によると、現在までに300万BTC以上が紛失しています。
ビットコインの発行枚数には上限があるので、発行総数の14%が半永久的に失われたことになります。
ブロックチェーンセキュリティのベンチャー企業であるBlockstreamの主任アーキテクトChristopher Allen(以下、アレン氏)は、次のように述べています。
わが社にはビットコインの草創期に関わった人がいますが、愚かなミスのせいで、今であれば数百万の価値があったビットコインを失いました。
仮想通貨を安全に保管するために、専門家は以下のようにアドバイスしています。
安全な取引所で仮想通貨を購入
フィリッポ氏によると、自らの仮想通貨を間違ったアドレスに送金してしまったと言う人が多くいます。
しかし、恐らく実際に起こったことはそれ以上に不吉なことです。
フィリッポ氏は次のように述べています。
実際に間違ったアドレスに通貨を送ってしまうことはまずあり得ません。
宝くじに当たると同時に蛇にかまれ、しまいには雷に打たれるなどという可能性がほとんどないのと同じです。
実際には、仮想通貨を紛失または盗難された人は、誰かに通貨を送るように騙されたのでしょう。
フィリッポ氏は、すべての投資家はしかるべき勤勉さを身につけるべきだと主張します。
相手はどのくらいの期間いるのか、背後には誰がいるのか。
もし相手が訴訟に関わっていたならやり取りはしないようにしましょう。
売買トランザクションにしても、Coinbaseのようなよく知られた取引所にこだわるべきです。
仮想通貨はハードウェアウォレットに移してオフラインで保管
多額の仮想通貨を所有する場合は、Coinbaseのような取引所には保管すべきではないと専門家は言います。
ラチェベク氏は次のように述べています。
パソコンに仮想通貨を保存していて、娘さんがダウンロードしたゲームに付随していたウイルスによって資産がハッキングされた、という悲しい話をよく聞きます。
彼らはすべてを失ってしまいました。
代わりに、通貨と秘密鍵をいわゆるハードウェアウォレットに移しましょう。
the Ledger Nano SやTrezor(価格は100ドルから200ドル)が人気です。
そういったUSBに似たデバイスによってビットコインやリップルをハッカーに狙われやすいインターネット上から隔離することができます。
ウォレットの重要性について、ラチェベク氏は、次のように言及しています。
本物の金塊を購入したら、まず最初に金庫を買うでしょう。
同じように、仮想通貨を購入したらデジタル金庫を買う必要があることはすぐに理解できることでしょう。
ハードウェアウォレットでは、8桁のPINコードを設定するだけで済みます。
さらに、そのPINを忘れた場合には提供された24語のセットを使用できます。
しかし、オンライン取引所に頼って64文字の秘密鍵を失った場合、所持する通貨にアクセスする方法は他にありません。
ウォレットのパスコードは厳重に保管
アレン氏は次のように述べています。
仮想通貨の保管には注意してもしすぎることはありません。
銀行に行って「これを解決できますか?」などということはできません。
自分の仮想通貨にすぐにアクセスするための24文字を安全な場所に保管しましょう。
アレン氏は、摂氏1500度までの耐久性を持つデバイスであるCryptoSteelへこの文字列を保管することを勧めています。
それから、耐火性のある金庫に入れましょう。
カリフォルニアでは最近山火事も発生しており、アレン氏はこうした何重ものセキュリティがあって良かったと語っています。
How to stop your digital fortune from going up in smoke
January 27, 2018 by Annie Nova
参考記事はこちらから
主要通貨のウォレット一覧はこちら↓