- NEOの掲げるスマート・エコノミー
- 2017年6月にリブランディングを行ったNEOは、車や住宅を始めとする全ての「実物資産」を正確に追跡し、その取引の透明性や利便性を向上させるスマート・エコノミーの実現を目標に掲げています。
- 似たようなコンセプトも
- このスマート・エコノミーと同様の目標を掲げる仮想通貨は10種類以上あり、現時点では大きく代わり映えしないのも事実です。
仮想通貨業界には、多種多様な仮想通貨が存在しており、特に注目されている仮想通貨の1つが「NEO」です。
このアルトコインは中国市場に焦点を当てており、画期的なアプローチを取っていることでも知られています。
ただし、NEOの開発者たちが掲げる「スマート・エコノミー」の実現は、そう簡単なことではありません。
NEOの軌跡
みなさんは、2014年に設立された「AntShares(アントシェアーズ)」という仮想通貨プロジェクトの新名称が「NEO(ネオ)」であるということをご存知だと思います。
開発チームは代わっていませんが、2017年6月にリブランディングを行ったことで、通貨の価値を飛躍的に上昇させることに成功しました。
リブランディングとは
すでに構築されたブランドを「新ブランド」として再定義すること。
DarkCoin→DASHの事例など、通貨名やブランドロゴなどのイメージを刷新することで、価格高騰に繋がることも。
NEOの掲げる目標として、ブロックチェーン技術と仮想通貨の分散型ネットワークを使用した「スマート・エコノミー(スマートな経済)」を挙げており、非デジタル資産の所有権を透明化させたいと考えています。
経済インフラの構築を目指すことは、賞賛に値する目標ですが、これを実現させるのは容易ではありません。
なぜなら、すべての資産に対して改ざん不可能な追跡を行わなければならないからです。
膨大な書類をはじめ、住宅、車、エアコンなどの非金融資産までがそこに含まれることになり、実物資産がいかに大量に存在し、正確に追跡するには想像を絶する規模のインフラが必要な事が理解できます。
しかし、デジタル的なアプローチによって、利便性や透明性を向上させ、取引や譲渡を行うことができるようになると考えられています。
NEOが、Ethereumを手本にしていることに疑う余地はありません。
NEOのエコシステムは、イーサリアムと同様に「スマートコントラクト」を使用していますが、この技術がスマート・エコノミーに適しているかどうかは、現時点では定かではありません。
頭角を現すということ
NEOに関連するプロジェクトは魅力的に聞こえますが、必ずしも特別なアプローチというわけではありません。
現時点で10種類以上の仮想通貨が、同様の目標に向けて日々邁進しています。
NEOのファンダメンタルズは差別化されているように見受けられますが、プロジェクトが進展していくことでしか差別化された部分を認識することはできません。
よって、現時点で一般人にとって「NEOとイーサリアムの違い」を説明するのは困難です。
未だ解決すべき問題は山積みですが、不必要に焦る必要もありません。
仮想通貨界において、明確なビジョンを掲げるだけでは十分とは言えません。
目的のプロジェクトを構築するためには、強力なインフラ、多大な労力、長い歳月を要するものです。
NEOは、確かに興味深い方向へと向かっていますが、成功のチャンスがあるか否かは、時が経つと共に判明することになるでしょう。
この技術が実際に人々の生活に根付くまでは、魅力を前面に押し出すことはできないかも知れません。
NEOは、3月だけで-58%もの値下がりを記録しており、数ある仮想通貨の中でも特に狼狽売りの影響を受けていると言えます。
Will NEO Succeed in Building a Smart Economy for Real-World Assets?
Mar 29, 2018 by JP BUNTINX
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