- イーサリアム企業連合が重大発表
- イーサリアム企業連合(EEA)が、5月16日、ニューヨークで開催されたコンセンサス2018で、イーサリアムブロックチェーン上で共通の設計仕様となる、Enterprise Ethereum Client Specification 1.0のリリースを発表しました。
- 高い相互運用性により大企業の参加が増えるか
- EEAの常任理事であるRon Resnick氏は、相互運用性なしには大企業は参加しないと述べ、また今回の発表でイーサリアムが「より多くの大企業を引きつけ、契約に結びつけるものになる」との考えを明らかにしました。
- Enterprise Etherium Alliance (EEA :イーサリアム企業連合)とは
- イーサリアムブロックチェーンの企業用途での使用を最適化することを目的として、2017年3月に、 JPモルガン、BP、マイクロソフトなど、多く世界的有力企業メンバーによってニューヨークで結成された非営利団体です。現在では、その参加企業は500以上にも上ります。
イーサリアム企業連合が共通のフレームワークを発表
Enterprise Etherium Alliance (以下、EEA :イーサリアム企業連合)は、5月16日、ニューヨークで開催されたコンセンサス2018で、イーサリアムブロックチェーン上で共通の設計仕様となる、Enterprise Ethereum Client Specification 1.0のリリースを発表しました。
このリリースによって、これまで独自にプライベートパーミッションでの実装を余儀なくされていた企業は、極めて相互運用性の高い共通のフレームワークを使えることになります。
EEAの常任理事であるRon Resnick氏は、今回のリリースがいかに画期的であるかについて次のように語りました。
「EEAのEnterprise Ethereum Specificationは、主力企業と、我々の技術委員会内のテクノロジー及びプラットフォームメンバーの、18ヶ月にも及ぶ共同作業の結果なのです。
このEEAの、オープンソースであり、マルチプラットフォームに対応できるフレームワークによって、個別の企業部門では到底達成し得なかった、(イーサリアムブロックチェーンでの)より深く、より広い大量の採用を成し遂げることができることでしょう。」
高い相互運用性により大企業の参加が増えるか
また、Resnick氏は、今回の設計仕様を「エコシステム全体を前進させる強力な投石器」にたとえて、次のように述べています。
「相互運用性なしには、大企業は参加しようとしません。
なぜなら専用ソリューションのせいで、特定の業者に縛り付けられることは避けたいからです。
(今回の設計仕様によって)抜け出せなくなる心配はないため、より多くの大企業を引きつけ、契約に結びつけるものになると思います。」
IBMなど、多くの主力企業が参加しているオープンソースブロックチェーンには、Hyperledgerがありますが、その常任理事のBrian Behlendorf氏は、今回のリリースに対し、次のように歓迎するコメントを寄せています。
「すぐれたオープンスタンダードは、すぐれたオープンソースのソフトウェアに左右されます。
したがって、私たちは、Hyperledger Sawtooth開発者コミュニティがEEA1.0との互換性を目標とすることを大変嬉しく思っています。
これは、まさしく、ハイパーレジャーとイーサリアムコミュニティは、ライバルではなく、協力関係にあるという、もう一つの証です。」
国家レベルでの、ブロックチェーンスタンダード設定の動きとしては、中国産業情報技術省下にあるブロックチェーンリサーチオフィスが、先週、2019年末までに全国的なブロックチェーンスタンダードを公表すると発表しています。
中国の将来的なスタンダードとEEA Specificationの互換性についてResnick氏は、中国にとっても相互運用性は大切なものだと考えるため、中国と「関わりを持ち、(情報を)シェアする」ことで、「提携できる道を探す」必要があると述べました。