- XRP非中央集権化への道
- 仮想通貨XRPの証券問題が取り沙汰される中、取引承認を行うUNL(Unique Node List)に新ノードが追加され、米リップル社のUNL占有率が50%を切ったことが明らかに。中央集権化脱却に向けた大きな一歩となる。
仮想通貨XRPと証券問題
今年6月に、サンフランシスコでヤフーが主催したAll Market Summit: Cryptoにて、アメリカ証券取引委員会(SEC)のコーポレートファイナンス部署の責任者を務めるWilliam Hinman氏が、「ビットコイン(BTC)および、イーサリアム(ETH)が証券に値しない」と発言し、大きな注目を集めました。
HInman氏は、仮想通貨業界で最もメジャーな通貨であるビットコインおよび、イーサリアムを証券でないと定義した最大の理由として、分散化されていることを挙げました。Hinman氏によると、この2つの通貨は、利益を目的とした中央集権的な第三者に権力が集まっていなく、その発展、維持が見返りを求める第三者によって運営されていないことが今回の判断に繋がったと述べています。
このように、仮想通貨業界において時価総額第1位、2位を誇る仮想通貨が続けて「証券ではない」と定義されたことで、時価総額第3位のリップル(XRP)の定義が問われてきました。
しかし、仮想通貨XRPは、米リップル社との関係が深く、同社が総発行量1,000億XRPのうちの550億XRPをエスクロー口座にロックアップしていることや、取引承認を行うUNL(Unique Node List)の大半をリップルが占めていたことなど、中央集権的特性が目立っていたことから、「仮想通貨XRPは証券なのではないか」という声も少なくありませんでした。
非中央集権化が高まるリップル
そんな中、仮想通貨XRPの取引承認を行うUNLに新たなノードが追加され、リップル社のUNL占有率が50%を切ったことが明らかになりました。
リップルは、UNLに新たな第三者機関のノードを2つ加える度に、自社のノードを1つ減らしてきていました。その結果、総ノード数は21になり、11社の第三者機関が過半数を上回る11のノードを運用し、リップル社の占有率が過半数を下回る48%にまで低下したのです。
占有率が48%というのは、未だ過半数に近い数であるため、完全に分散化、あるいは非中央集権化されたとは言い難い状況ですが、中央集権化脱却に向けた大きな一歩であるとともに、今後も第三者によって運用されるノードを増やしていくことで、分散化にさらに近づいていくことが期待されています。
さらにリップル社は、仮想通貨XRPおよび、XRPレジャーのさらなる普及を目指し、実績のある人々が進めるプロジェクトに対し、出資、発展支援、補助金などの提供を行う「Xpringプロジェクト」を今年5月に開始しています。
このように、リップル社だけでなく、仮想通貨XRPの発展を後押ししていく第三者を増やしていくことで、仮想通貨XRP発展における非中央集権化も着々と進められていると言えるでしょう。