はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

『非通貨のブロックチェーンが加速することに貢献したい』GMO社長インタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

GMOインターネット代表取締役熊谷氏インタビュー
仮想通貨メディアCoinPostで行った、GMOグループ代表熊谷社長インタビュー。仮想通貨業界やマイニング事業に関する見解や手応えを伺った。
マイニングビジネス
グリーンエネルギーを使い、北欧でマイニングビジネスを展開するGMO社。社長自らがコミットし、事業拡大を試みる。

GMO代表熊谷社長が語る:仮想通貨とマイニング事業

―仮想通貨事業に参入したきっかけは

私はインターネットの事業に23年ほど携わっていますが、インターネットの黎明期に味わった感覚を今の仮想通貨業界にも感じています

当時インターネットがもたらす未来にワクワクしていた人たちと同じような人種がいたと言いますか…既視感を感じました。

自分自身、仮想通貨のことに関して随分勉強したんですけど、仮想通貨は「インターネットと同等かそれ以上のインパクトを与えうるテクノロジー」で、これは世の中を変える可能性があるなと。

―ブロックチェーンの開発について一番魅力を感じている部分はどこでしょうか

ブロックチェーンも開発の専門チームを組んで行っており、「特許」を出願しているものもあり、力を入れてやっています。

ブロックチェーン技術が支える「通貨」は問題ないんですけど、マイニングの仕組みがない「非通貨」のブロックチェーン技術に特に興味があって、GMOインターネットグループのインフラを使用することでセキュアに提供できる仕組みを設計できないかなと。

イーサリアム上のスマートコントラクトは、イーサリアムという「通貨」のブロックチェーンに乗ってしまっている。

「非通貨」のブロックチェーンのインフラに関しては、これまでインターネットのインフラサービスを手掛けてきた当社の役割ではないかと考えています。

撮影:中村晋

加速するマイニングビジネス

―なぜマイニング事業に参入しようと思ったのですか

二ヶ月間入院して、時間があった中で、仮想通貨、AI、スマートコントラクト、ディープラーニングなど今の「潮流」について勉強し直しました。

産業やプロダクトの未来、業界の流れを分析したのですが、自分たちの持っている「強み」を掛け合わせて考えたときに、やはり仮想通貨の業界をもっと掘り下げるべきだと思ったからです。マイニング事業もチップから作ろうと思い、その領域を選びました。

―マイニングに参入しましたが、その手応えはどのような感じでしょうか?

「SHA-256」でマイニングできるビットコインに関しては、全世界の約1%を僕たちがマイニングしている計算になります。

グローバルハッシュレートの伸びとビットコインの価格の相関関係があるため、当初の想定より当社のシェアはあまり伸びていない状況です。

でも目先だけを見てはいけなくて、事業とか物事を「海」に例えてみると、波打ち際に立って「波が高い・低い」と言っていてはだめなんです。

「潮がどちらに流れているか」を見るという発想が重要で、そういう意味では仮想通貨に関しても、広い視野で今後の普及・利用などを考えると、この事業への参入は正しいと思っています。

だから、ステーブルコインもエクスチェンジ(交換事業)も正しいと思っていますし、仮想通貨に取り組んでいることは全部正しいと思っています。

仮想通貨の中でもやることはいっぱいあるんですけど、その中で絶対に“なくならない、世の中のためになるもの”はなんだろうというのを考えて、事業を厳選しています。

撮影:中村晋

―11月に出荷予定のマイニングマシンは業界の競合他社と比べてもかなり高性能なようです。マイニング事業に参入して間もないGMOインターネットがトップ製品を作れる理由は

物理設計は海外の提携先がやっていますが、論理設計までは社内で行っており、実際の性能は、論理値ではなく実測値になります。

実測値は完成してから出てくるので、実際の性能はどれほどになるのか現時点ではまだわかりません。

ただ、私たちがここまで取り組めるのは、モノを作り出せるエンジニア、クリエイターを大事にする文化を20年以上かけて築き上げてきたからだといえます。

「テクノロジーを大事にする」ということが、インターネットでも仮想通貨でも重要ですが、これは一朝一夕ではなかなかできないですよ。

―「GMOマイナー B3」の注文状況はいかがでしょうか

生産台数は開示していませんが、生産能力を上回るオーダーをいただいています。

論理値ではなく実測値というのは完成してから出てくるので、量産するかどうかに関しては、リリース後に考えます。

―今はビットコイン、ビットコインキャッシュのみに対応したASICマシンですか、他の通貨に対応する予定はありますか

やりたいと思いますが、現在は未定です。

撮影:中村晋

―海外からの注文もありますか

世界87カ国から注文をいただいています。北米やヨーロッパからのご注文を多くいただいています。

ただ、不思議なことに中国からの注文は少ないんですよ。ただ、中国は今年に入ってマイニングが禁止されたことも影響しているのではないかと思います。

―現在、北欧に拠点を置かれていますが、実際マイニングを運用される中でどのような感想をお持ちですか。

マイニングをしているのは北欧2カ国、3拠点となります。

そこは、当初の予定通りに動いていますね。 僕らはマイニングをするのに最適な場所を見つけてすぐ動き出し、数ヶ月で事業を開始しました。

ただ世界は広いので、もっとたくさんの候補地があると思っています。

―ではこれから拠点を増やそうと

もちろんその予定です。 場所を1箇所だけにしてしまうとリスクもあるので、分散させた方がいいと思っています。

―現地の規制当局との話し合いは、どのようにされていますか

国によりますよね。仮想通貨について、話し合いが必要な国もあれば、国を挙げて取り組んでいるところもあるので。

―時期BCHを掘らない時期がありましたが、戦略的な判断でしょうか

「SHA-256」対応のマシンなので対応コインは全て掘れますが、いつ何を掘った方が良いのかをハッシュレートや仮想通貨の価格変動などから収益率を数学的に計算して、効率的にマイニングを行っています。事業として正しい方をやるということですね。

―マイニング関係の事業では、何名の方が携わられていますか。

仮想通貨事業に携わっているのは、GMOインターネットグループのパートナー(従業員)5,700名のうち、およそ150名ほど。その中でマイニング関係に取り組んでいるのは数十名です。

―ビットメインさんがハッシュレートを独占している状態になっていると思いますが、今後マイニングはどのように発展していくべきだとお考えですか。

BTC.comのマイニングプールシェアのことをおっしゃているのだと思いますが、ビットメイン社以外のマシンを買って、ビットメイン社のプールに繫いでいる人はいるでしょう。

だから、マイニングプールのシェア=ビットメインのシェアではないはずです。

僕らが稼働させているマシンも自社プールに繋いでいるものもあれば、ビットメイン社のプールに繋いでいるのもあるんですよ。

熊谷社長は「仮想通貨に取り組んでいることは全て正しい」と発言するなど、仮想通貨関連事業における今後の展開に、改めて強い自信を見せました。

また、今年から参入したマイニング事業についてもすでに世界シェア1%を獲得しており、その勢いは止まる所を知りません。

さまざまな事業を持つGMO社でありますが、マイニング事業にも多くの時間をコミットしており、企業として重要視する新規事業であることが垣間見れました。

撮影:中村晋

撮影:中村晋

CoinPostの関連記事

『ステーブルコインはインターネット決済で使用できる”切り札”になる』GMO社長インタビュー
法定通貨を担保にして発行する仮想通貨、ステーブルコイン「GMO Japanese Yen」を発表したGMOグループの熊谷社長に対し、仮想通貨メディアCoinPostでインタビューを実施。その狙いについて伺った。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧