はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

藤巻議員、麻生大臣に対し「仮想通貨の税制問題」について質問(一問一答を追加掲載)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日本政府に対し、仮想通貨税制について質問
藤巻議員は、ネット中継される「参院予算委員会」で、仮想通貨税制について、一問一答形式で麻生大臣に質問を行なった。先日の衆院予算委委員会では、中谷議員の鋭い質問を受け、イノベーションの観点では前向きな見解を示す一幕もあった。

日本政府に対し、仮想通貨税制について質問

日本維新の会の藤巻健史議員は、本日行われる「参院予算委員会」で、仮想通貨税制について一問一答形式で日本政府に質問した。

予算委員会の質疑応答は、「参議院インターネット審議」で中継された。

財務金融委員会は、日本の衆議院における常任委員会の一つだ。

2016年5月には、フィンテック、ファイナンシャルテクノロジーを取り込んでいうくための「銀行法」の改正について、財務金融委員会で質疑が行われ、ビットコイン等の仮想通貨をしっかりと枠組みに入れるにあたり、消費税法上で課税対象になるのか、銀行法や金融商品取引法における定義や政府の解釈について議論されるなどしており、仮想通貨市場の今後を占うにあたり、財政委員会は重要な位置付けと言えるだろう。

藤巻議員は7日、「参議院財政委員会」で理事になったことを発表したほか、財政問題、仮想通貨(暗号資産)税制問題について、安倍総理や麻生大臣に追求していくことを表明していた。

同議員は、国際競争が激化する中、新興業界の発展を阻害し国益を損ねるとして「仮想通貨税制を変える会」を発足させており、若年層を中心とした国民の声を国会に届けるべく、以下の四点について強く主張している。

  • 最大税率55%の総合課税から(株やFX同様)税率20%の分離課税にすること
  • 通貨を換える時の非課税
  • 少額使用の時の非課税
  • 損した際に、分離課税にして繰越を認めること

一問一答

藤巻議員の質問と日本政府の答弁内容は、以下の通りだ。

藤巻健史議員

政府は以前、「汗水たらした人が最高55%の税金をとられて、暗号資産で稼いだ人が20%の分離課税、そのようなのは不公平だ」と指摘していたが、暗号資産(仮想通貨)の場合も、リスクを取っていて冷や汗をかいている。

給与所得の場合は、マイナスの給与を貰うということはあり得ない、しかし、暗号資産の場合、利益が出た時だけ「55%の最高税率」をとられて、損したときは損益通算ができない、というのは不公平ではないだろうか。

麻生大臣

それはつまり、暗号資産を「分離課税」で扱うべきであると?

藤巻健史議員

最終的には、20%の「分離課税」にすべきだと思うが、とりあずは「譲渡課税」ではないか。

暗号資産の譲渡益は、少なくとも譲渡所得として計算すべき。総合所得の中の雑所得ではなくて、譲渡所得に相当するのではないかという議論をしている。

藤巻健史議員

国税当局は、「暗号資産も外貨預金も、譲渡所得や一次所得にない」ことを証明しなければならない。

それが出来ないのならば、雑所得で分類すべきではない。

麻生大臣にしろ、安倍首相にしろ、国際的な動向を踏まえて暗号資産と呼ぶことが適当と、法律での文言を仮想通貨から暗号資産とするとおっしゃった。

法律的に”資産”と定義していると思うが、その辺はどうだろうか。

麻生大臣

海外での一般的な呼称である「Crypto Asset」に倣っただけであり、定義を規定するような呼称の変更ではない。

藤巻健史議員

可能性として、一時所得や譲渡所得の可能性もあるなら、課税の論理ではなく、どの範疇にすると国が元気になるかというのを考えるべきだ。

学問上、雑所得になるというなら話は別だが、一時所得や譲渡所得の可能性もあるなら、国にとって何が一番良いのか考えた方が良い。

例えば、外貨預金。

もっと有利な税制なら外貨預金をする人は多くなるはず。そうすれば、ドル高・円安、消費者物価指数、デフレ脱却、景気は上向きになる。

わざわざ異次元な量的緩和などという副作用で、出口もない苦しい金融政策をとらなくても、外貨預金、ドル預金を雑所得から譲渡所得、もしくは一種所得に変えるだけでド円は上がっていってデフレ脱却できる。

要するに、税金を取るという理論ではなくて、どうすれば国に勢いが出るかという視点が大事だ。

租税法の代表的教科書と言われる、東大名誉教授「金子ひろし」先生の教科書、1か月くらい前新しいバージョン(23)が出たが、261頁「譲渡所得における資産とは譲渡性のある財産権をすべて含む概念で、ビットコイン等の仮想通貨などがそれに含まれる」と。仮想通貨も譲渡所得の範疇だと明記されている。

学説的にもそう出ているのに、わざわざそれを否定して、雑所得にいれる必要はない。

雑所得は、どこにも入らないのが雑所得だ。次回はそれを否定する根拠をいただきたい。

衆院予算委員会でも仮想通貨税制について質問

また、2月28日に行われた「衆院予算委員会」では、民進党の中谷一馬議員による鋭い質問を受け、麻生大臣や日銀副総裁が、デジタル通貨や仮想通貨(ブロックチェーン)の税制を含めて、現状における見解について回答した。

中谷議員は、「キャッシュレス化を推進する前提において、デジタル通貨発行を経済成長を目指して戦略的に進めている国もある」として、中央銀行が発行するデジタル通貨「セントラルバンクデジタルカレンシー(CBDC)」に関する見解を政府に尋ねたほか、暗号資産やブロックチェーンに関しては、先進的に取り組む世界の事例を引き合いに、時代に適した研究・対応を進めていく必要があると述べ、政府の方針を確認した。

中谷一馬議員

先日韓国に行ったが、イノベーション先進国のエストニア大統領を迎えて与党で議論を進めるなど、暗号資産やブロックチェーンに関する流れについて、発展させるべきという方向にシフトしつつある。中国中銀でも、デジタル通貨の発行構想も打ち出されている。

インターネットは、情報の流通や共有で社会を変革させた。ブロックチェーンは価値の交換・流通でイノベーションを起こす、インターネットの再来だと潜在的には思っている。ブロックチェーンの良い形での発展を望んでいる。

10〜20年後にはデジタル通貨が主流になっている可能性もある。時代に対応した、研究・対応を進めていく必要がある。

これを受け麻生大臣は、仮想通貨に対しては、2018年に諸問題が国内でも顕在化したことを含め”ネガティブな反応”を示す一方、イノベーションの観点にも言及した。

麻生大臣

ブロックチェーン技術は、「将来大きく化ける可能性がある」とは考えている。

財務金融委員会でも、各党から、これまでも(仮想通貨などの)クリプトアセットに関して論議されている。技術や可能性はあると感じているので、ただ禁止するというよりは、注意深く育成していく方が望ましいというのは、私の基本的な考え方だ。

田中内閣府副大臣も、ブロックチェーン技術の利活用について、

田中内閣府副大臣

暗号資産に関して、肯定的・否定的な見解が政府内にも混在する中、一般論で言えば、金融取引が低コストで行えるブロックチェーン技術と表裏を成すものという評価もある。価格変動の大きさでも、使用できるシーンが限定される。犯罪利用などのリスクも高いという指摘もある。

現時点での有用性は低いものの、インターネットの黎明期同様、試行錯誤を経て発展する可能性は十分にある。

利用者保護を確保しながら、イノベーションの観点から、しっかりと支援していきたい。

などと、ポジティブな見方も示している。

質疑応答の詳しい答弁内容は、以下の記事まで。

麻生大臣『ブロックチェーン技術は、将来大きく化ける可能性がある』中谷議員の質問に衆院予算委員会で回答|仮想通貨(ビットコイン)にも言及
衆院予算委員会での中谷議員の質問を受け、麻生大臣や日銀副総裁がデジタル通貨や仮想通貨(ブロックチェーン)に言及した。田中内閣府副大臣も「インターネットの黎明期同様、試行錯誤を経て発展する可能性は十分ある。利用者保護とイノベーションの観点から、しっかりと支援していきたい。」などと述べたほか、討議では仮想通貨(ビットコイン)市場にも言及されている。

CoinPostの関連記事

仮想通貨の税制を変える会の藤巻健史議員と楽天ウォレットの山田社長が「仮想通貨決済の普及」を議論
今年4月から新サービス開始予定の仮想通貨取引所「楽天ウォレット」社長と藤巻議員が仮想通貨決済の普及を議論した。三木谷氏が代表を務める新経済連盟は、税率20%の申告分離課税適用について日本政府に提言している。
藤巻議員が発足させた『仮想通貨税制を変える会』2019年から活動本格化
藤巻健史議員が発足させた「仮想通貨税制を変える会」は、1ヶ月で5000人を超える支援者が集まったが、政治を変えるには数の力が必要で、さらなる参加(匿名可)を呼びかけている。日本政府に提言するにあたり、講演会や意見交換会なども定期的に開催予定だという。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者13,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/02 水曜日
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入がETF上回る、2025年上半期24万超BTC取得で4倍以上増
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧