- ビットコイン(BTC)市況
- 金融市場の一大イベントであるFOMCを控えた18日、ビットコイン(BTC)の方向感定まらぬなか、約4ヶ月ぶりの大幅高を見せたXRP(リップル)やETH(イーサリアム)を独自分析。米国版バイナンスの影響も仮想通貨相場を後押しした。
仮想通貨市況
明日19日(日本時間3時)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、「政策金利」が発表され、3時30分よりFRBパウエル議長の記者会見が行われる予定だ。
FOMCでは0.25%の利下げが見込まれているが、直近では金利据置き予想も台頭している。米トランプ大統領はFRBに対してマイナス金利を要求するなど牽制を強めており、予期せぬ言動(トランプリスク)が警戒されている。世界経済の動向に大きく影響するため、ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨市場も決して無関係ではない。
ビットコイン(BTC)がレンジ内で方向性定まらず、軟調に推移する中、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)など、個人投資家人気の高いメジャーアルトが循環物色された。日足レベルで長らく揉み合った末、上方ブレイクからの大陽線を付けるのは、5月以来約4ヶ月ぶり。
これら2通貨は、10月8日より開催されるイーサリアムの『Devcon 5』、11月7日より開催されるリップル社の『SWELL 2019』と、大型イベントを控えている銘柄であり、開催まで数ヶ月を切ったことで市場における意識も高まっていた。
8月末まで高騰を続けたビットコインの頭打ち感を見た投資家も、主要アルトの高騰を受け、資金をアルト市場へ移したことで両通貨の価格が続伸したものとみられる。
Coinlibの市場マネーフローデータでは、一時ビットコインに集中していた資金推移も、USDTとビットコインからイーサリアム等の通貨に移動していることが確認された。
ビットコイン(BTC)ドミナンスが70%を超え、アルトドレイン現象が懸念されるなど、アルト市場には逆風が吹いていたが、主要アルトの急伸でアルト市場の緩和の兆候も見られている。
また、SEC規制などの影響を踏まえ、本家バイナンス(Binance.com)は、日本時間13日)より、米国ユーザーへのサービス提供を停止。サービス停止による米国マネーの一時的流入減や主要銘柄の出来高減少は投資家たちに危惧されいたため、「Binance.US」が18日から稼働すると発表されたことも、アルトコインの材料視されたか。
ビットコイン(BTC)
ビットコインは、CboeのVanEck版ビットコインETFの2度目の取り下げを行ったほか、中国中央政府の命令受け内モンゴル自治区で仮想通貨採掘事業が操業停止に追い込まれることが伝わるなど、上値を重くした。
中国マイナーの動向では、内モンゴル自治区のほか、新疆ウイグル自治区、四川省の地方政府の動向に注目が集まるとみられるが、BTCハッシュレートの多くが集中するこれらの地域の動向には市場も警戒感を抱かざるを得ない。
ハッシュレートの急落を伴う、ビットコインネットワークの遅延などの弊害が生じる可能性や、施設移転に伴うコストや廃業に追い込まれる業者の資金回収などが、懸念に該当する。
なお、ビットコインについては、2019年9月23日にもBakktが、米国で先物とカストディサービスの提供を開始する。BTC現物決済の先物取引の提供は、米国初。運営企業ICEの発表では、プレオープンの手応えは良好で、正式ローンチの期待感は高い。
イーサリアム(ETH)
7月末に生誕4周年を迎えたイーサリアム(ETH)が、約2ヶ月間に渡る”短期下落トレンド”に終止符を打ち、連騰で続伸を見せている。
当面のターゲット(上値抵抗線)としては、直近で出来高を作っている価格帯(赤丸)、280ドル(30,000円)付近が意識されやすいだろう。
イーサリアムの共同創業者Vitalik Buterinが、イスラエルのEthereal Summitに登壇し、PoSの”最大報酬”に触れたことが追い風になったほか、GAS代との比較推移でも低迷する市場の中で「ネットワークの持続的な成長」を示している。10月に控えるDevcon5や、2020年に予定されるETH 2.0に向けて、材料には事欠かない。
関連:ヴィタリック、仮想通貨イーサリアム「バリデーター(承認者)の最大報酬」などEthereal Summitにて重要発言
また、10月8日より世界最大のイーサリアム開発者カンファレンス「Devcon 5」は今年大阪にて開催。世界最大のイーサリアム開発者カンファレンスで、イーサリアム財団が主催する唯一のイベントとして、イーサリアム関連の発表やその年の最新トレンドについても活発な議論が行われる。
リップル(XRP)
リップル(XRP)は18日、12時時点で前日比18%高の33円台まで急騰した。
例年、最大規模の国際カンファレンス「SWELL」の思惑で、秋にかけて上昇傾向にあるが、6月下旬以降のメジャーアルト市場の資金抜けが顕著であり、底打ち反転のシグナルを見て現物買い戻しタイミングを伺う投資家は少なくなかったものと考えられる。
関連:リップル最重要カンファレンス『SWELL 2018』特集|仮想通貨XRP価格への影響は
下値を切り上げ、30円台を定着できればチャートやセンチメントの大幅改善も見込めるか。損失ポジションを塩漬けている個人の多さからも、戻り売り圧力の強い銘柄ではあるが、ひとたび動き出せばボラティリティの大きさは目を見張るものがある。仮に続伸した場合、中・長期では6〜7月の直近高値50円付近のレジスタンスラインを抜けられるかどうかが関門と言える。
年初より、XRP/BTC建取引でも厚いレジスタンスラインに押さえつけられていたXRP。今回の高騰を受け上放れが確認されており、トレンドの転換を期待できる展開となりそうだ。
また、XRPLLabsが開発を手がけるXRP用バンキングアプリXummのデモ版が公開されたことも、市場を後押しした。
XRPに限らず法定通貨を含めた決済、送金を簡易化するアプリとして注目される。 通常利用されるキャッシュレス決済に類似した容量で、仮想通貨決済を可能にするとして、XRP決済の火付け役としても注目を集めている。
#XRPL #developers: we're getting there 😎
— Wietse Wind { 𝚡𝚛𝚙𝚕𝙳𝚎𝚟: 𝚝𝚛𝚞𝚎 } (@WietseWind) September 17, 2019
Developer / application sends sign request (with an existing app+user push token), end user receives push notification, but the user can fall back to scanning a QR code with another device with XUMM installed 😎 pic.twitter.com/1J6E4mjHpy
なお、XRPの出来高推移では、韓国大手Upbitが世界のXRP取引マーケット1位を記録した。
同取引所のXRP/KRW取引は、取引所の25%近くまで増加しており、ビットコイン取引の15%を大きく離して出来高が拡大している。
出来高データだけでは、一概に言えないが、過去のXRPトレンド時に主導していたマーケットは日本と韓国であり、韓国の取引ニーズが拡大してきたことは、出来高ベースで減少傾向にあった、XRPマーケットの追い風となり得る。
日本でもリップル社から著名人が多く参加するXRP MEETUP JAPANが開催。2019年11月10日にも開催を予定する。SWELL後ということもあり、カンファレンスの最新動向を日本で聞ける貴重な機会となりそうだ。
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— XRP MEETUP JAPAN (@xrpmeetupJA) September 15, 2019
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