- 米国経済のデジタル化が遅れていると指摘
- 米国のMike Rounds上院議員が、リブラ協会の創設メンバーに参加することを決めた米アンカレッジを賞賛する書簡を送付した。その書簡では、米国が経済のデジタル化で遅れをとっていることに対する懸念も述べられている。
米国発展の遅れを指摘
フェイスブック主導の仮想通貨リブラを運営する「リブラ協会」への参加を大手企業7社が辞退したことを受け、米サウスダコタ州のMike Rounds上院議員が、協会創設メンバーに参加することを決めた米アンカレッジを賞賛する書簡を送った。
Rounds議員の同僚であるオハイオ州のSherrod Brown上院議員とハワイ州のBrian Schatz上院議員は10月8日付で、決済大手Visa、Mastercard、Stripeに、リブラプロジェクトへの参加を再考するように促す書簡を送っている。この3社はその後、参加を辞退している。
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今回のRounds議員が送った書簡はこれまでのものとは真逆の内容だ。Rounds議員はアンカレッジに宛てた書簡の中で「自分の同僚が悲観的な内容の書簡を送ったことに心から失望した。今後の技術革新に水をさすのではいかと恐れている」と述べている。
またRounds議員は、米国が経済のデジタル化で後れをとっていると懸念を示した。アフリカと比較してデジタルウォレットの利用率がはるかに低く、中国に比べ、モバイル決済の取引も少ないと指摘している。
さらに1933年制定の証券法が古いことを理由に、リブラへの否定的な反応にも困惑していると説明。証券法はデジタル化の時代よりも半世紀以上前に作られており、現代には不適切であると述べている。仮想通貨が有価証券に当たるかを確認するための明確な法律は今はないと、Rounds議員は指摘した。
「証券法は半世紀以上前に書かれている。コンピューターやインターネットが発明されるずっと前だ。ハワイが米国の州になる20年以上も前だし、ジェットエンジンが開発される10年前だ。米国の田舎の1割にしか電気が通ってなかった時代のものである」と批判している。
リブラに対する懸念は、現在提出されている法案で軽減できるとRounds議員は考えている。その中には、マネーロンダリング対策を初めとする犯罪対策の法案もあるという。
Rounds議員の書簡は、アンカレッジにリブラ協会に今後も残って欲しい旨を伝える文章で締めくくられている。リブラ協会への参加は、決済大手PayPalから始まり、Visa、Mastercard、eBay、Stripe、Mercado Pago、Booking Holdingsの計7社が辞退した。
Rounds議員のサウスダコタ州は、仮想通貨の法制化の動きを主導している。仮想通貨カストディサービス大手のBitGoが2018年から拠点にしている場所だ。またアンカレッジは今年7月、サウスダコタ州でカストディ業務の認可を取得したことを発表した。サウスダコタ州は、信託業務を推進する「Trust Task Force」の最初の拠点でもある。
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