中国人民銀行がHuaweiと提携
中国人民銀行(中央銀行)の「デジタル通貨リサーチ機関」が、最大手通信企業Huawei(ファーウェイ)と提携したことが分かった。人民銀行が公式に大手企業と手を組むのは今回が初事例と見られる。
Huaweiが4日にWeChat公式アカウントで行った発表によると、今回の戦略的提携契約はフィンテック分野の研究が目的だというが、それ以上の詳細は明かされていない。今回の契約は、中国人民銀行の幹部Yifei Fan氏がHuaweiの本社を訪れた際に締結。Fan氏は、分散型データベースやコンピューターチップの開発におけるHuaweiの業績を賞賛したという。
今回の提携がブロックチェーンに特化したものなのかは明確ではない。The BlockはHuaweiにコンタクトをとっており、返事があれば情報をアップデートすると説明している。
Huaweiは活発にブロックチェーン技術に取り組んでいる大手企業だ。昨年はグローバル企業や開発者が速く低コストでブロックチェーンアプリを開発・管理できるサービスをローンチした。
HuaweiのCEO Ren Zhengfei氏は最近、米フェイスブックが主導する仮想通貨リブラに対抗するために、中国政府がデジタル通貨を発行することへの支持を表明した。Ren氏は「中国にもデジタル通貨を発行する力はある。リブラの発行を待つ必要はない。国家の力は民間IT企業よりも強い」と語った。
中国は現在、デジタル人民元「DCEP」をローンチしようと準備を進めていると見られている。研究や開発には5年かけたという。
中国人民銀行は2017年1月に、ブロックチェーンやフィンテックを研究対象にした「デジタル通貨リサーチ機関」を開設。今年9月に本機関を率いるように任命されたのは技術系官僚のMu Changchun氏だ。Changchun氏は最近、中国のデジタル通貨の設計はリブラに類似しており、WeChat PayやAlipayのような大きな決済プラットフォームでも利用することができると語っている。
直近、中国はブロックチェーン技術に関する取り組みを強化しており、習近平国家主席が先月25日に、中国がブロックチェーン分野で世界を牽引する地位を確立できるよう推進すると発表している。昨日は、スマートシティ間の通信やデータ共有の技術発展のため、ブロックチェーンベースのIDシステムがローンチされたばかりだ。
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