スイス政府のデジタル通貨に対する見解
スイス政府は、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)について、消費者・企業間の決済(リテール決済)での利用には関心は低いが、銀行間決済(ホールセール決済)にはメリットがあると考えている。
スイス内閣は13日の発表で、「CBDCを誰でも利用できるという環境は、現在スイスにおいては新たなメリットがあまりない」と説明。一般利用のためにデジタル通貨を発行することは、金融の安定性にリスクをもたらしえるとしている。
一方で、ホールセール決済で金融市場関係者に利用を限定すれば、デジタル通貨はメリットを発揮できると説明。中央銀行のスイス国立銀行(SNB)が発行する(可能性として)ホールセール決済向けのデジタル通貨は、取引や決済、セキュリティ管理において効率性向上が期待できるという。
SNBは今年の10月、国際決済銀行(BIS)やSIX Digital Exchangeとパートナーシップを組み、ブロックチェーンを活用したホールセール決済向けのデジタル通貨の研究を行うことを発表。「CBDCの目的は、金融機関間のセトルメントを円滑化することだ」と説明していた。
欧州中央銀行(ECB)もデジタル通貨発行への取り組みを強化しようとしている。ECB総裁Christine Lagard氏は12日、その発行を仮想通貨ステーブルコインに先行させると語った。「ステーブルコインよりも先に、我々はデジタル通貨を発行した方が良いと個人的には考えている。明確な需要には応えなくてはいけない」と述べた。
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