2020-2022年の戦略的オリエンテーション発表
欧州証券市場監督局(ESMA)は現地時間9日、2020-2022年の戦略的オリエンテーションを文書を公開。仮想通貨については、規制機関による法的枠組みを構築する予定であると発表した。
同時に、金融業界のデータセキュリティにも焦点を当てることを発表している。小売顧客を標的としたサイバー攻撃の増加へ懸念していることも背景にある。
文書の中で、欧州証券市場監督局(ESMA)は、EUの市場参加者に向けて、最新の技術の使用や、サイバー攻撃に対する十分な保護、適切なデータ保護とデータ品質管理を通じて、デジタル化に伴うリスクを認識しておく必要性を要求。
金融システム全体に対するサイバー攻撃リスクに対処すること、仮想通貨の健全な法的枠組みを作ることは、欧州システミックリスク理事会(ESRB)、欧州中央銀行(ECB)、欧州委員会などの機関と共にESMAの重点分野にもなりつつあるとした。
欧州政府の様々な管轄官庁全体で、デジタル化に起因するリスクに対処する姿勢を見せている。
EU全体で監督方法統一
ESMA議長のSteven Maijoor氏は、新しい戦略的オリエンテーションは、EUで投資家保護を強化し、安定した秩序ある金融市場を促進するという使命を追求するにあたって、責任をどう果たしていくかを定めるものだとしている。
また、ESMAの重要な優先事項の1つは、単一のルールブックに基づく一貫した法施行を保証することであり、各国当局と協力してリスクベースのアプローチにより、EU全体で監督方法を統一したいと述べた。
大きなリスクをもたらすことのある、主要ベンチマークやデータサービスプロバイダー、第三国の清算機構(CCP)などの分野に責任を持つ監督者としてさらに発展する意向であるという。
ESMAは文書の中で、EU、その市民、資本市場が直面する課題に基づいて、今後数年間の活動計画を記している。
デジタル化の機会やリスク、規制構築の他には課題として、欧州の資本市場同盟(CMU)をサポートする大規模な個人投資家基盤の開発、持続可能な金融と長期的な市場の推進、国際金融におけるEUの役割への対処なども焦点とされた。
欧州証券市場監督局(ESMA)は以前から仮想通貨業界を監視しているところで、昨年はイニシャルコインオファリング(ICO)や仮想通貨に関する助言を発行、一部の仮想通貨は金融商品市場指令(MiFID)に該当する金融商品として認定される可能性があることを強調している。