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ビットコイン高騰はなぜ止まらないのか、過去最大級の強気相場に4つの理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)

18日の暗号資産(仮想通貨)市場は、ビットコイン(BTC)が前日比+5.3%の184.3万円(17,710ドル)に。

上昇ペースが急なことで反落リスクが警戒されてはいるものの、過去最高値の20,000ドル(210万円)は完全に捉えたと言っても過言ではないだろう。

関連:ビットコインなど仮想通貨全面高、過去の歴史では強気トレンド中の大規模調整も

Danny Scott(@CoinCornerDanny)氏は、ビットコインの半減期後に過去最高値(ATH:All Time High)を更新するまでの日数を調査・報告した。

同氏の調査によれば、2012年は85日、2016年は230日掛かっている。2020年の半減期は5月12日で、11月18日現在の経過日数は190日だ。

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ビットコイン高騰に4つの背景

現在の仮想通貨相場は、大きく分けて4つの高騰要因が挙げられる。

  1. 相次ぐ好材料
  2. コロナ禍のドルヘッジ(リスク選好局面)
  3. 投資家層とデリバティブ市場の環境変化
  4. 堅調なテクニカルとオンチェーンデータ

17年の仮想通貨バブル崩壊後、長びく価格低迷で氷河期(Crypto Winter)をもたらした「規制フェーズ」を時間を掛けて乗り越えた仮想通貨業界は、産業拡大フェーズへと移行しつつある。

今年10月、米決済大手PayPalが仮想通貨業界に参入し、アプリ内で仮想通貨の売買を開始することを発表。13日にサービスを開始した。まずは米国ユーザーに限定し、ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、ビットコインキャッシュの4銘柄の売買サービスを提供する。

21年上半期には、傘下のソーチャルペイメントサービスVenmoにおける売買サービスも解禁、米国以外の国にもサービス展開する計画を明かしている。

関連:PayPal、仮想通貨売買サービスを提供開始

同10月には、シンガポールおよび東南アジアにおける最大手銀行「DBS銀行」が独自の暗号資産(仮想通貨)取引所をローンチすることを、海外大手メディアが報じるなど、ファンダメンタルズを後押しする好材料は枚挙に暇がない。

関連: 東南アジア最大手銀行、米ドルや日本円対応の仮想通貨取引所「DBSデジタル取引所」を開設へ

ビットコインの現物需要を高めているのが、上場企業による大量保有だ。

Twitter社のジャック・ドーシー率いるSquare社が自社ポートフォリオの1%に約4,709BTCを組み入れたことを発表。ビジネスインテリジェンス企業MicroStrategy社は8月〜9月にかけて、計38,250BTC(約450億円)購入したことを発表している。

購入動機には、米ドルなど法定通貨のヘッジが背景にあるという。

新型コロナウイルスのパンデミックに伴う世界経済後退を受け、FRB(米連邦準備制度)は、量的緩和での国債買い入れのほか、「ゼロ金利政策」を23年末まで続行する見通しを示した。

これにより、株式市場は実体経済と乖離した官製相場の様相を呈しているが、一方で大量発行により希釈される米ドルのインフレヘッジの一環としてビットコインを大量保有する動きが相次いでいる。歴史的な量的緩和に伴うインフレーションで物価が上昇すれば、相対的に現金(預貯金)の価値が目減りする懸念があるからだ。

出展:Tradeblock

金余り相場における株式市場の高騰は投資家のリスク選好姿勢を強めており、ビットコインをはじめとする幅広い金融商品の循環物色をもたらしているとみる向きもある。

ただし、機関投資家が増加する一方、個人投資家は株式市場やビットコインの売買で出遅れているとの指摘がある。大型株やビットコイン価格の騰落率と比較して、小口投資家の好む新興市場やアルトコイン市場の価格上昇は限定的だ。

大手デリバティブ取引所の資金調達率(Funding Rate)は、直近の強気相場と比較して沈静化、ショートポジションの増加と踏み上げ相場を示唆している。国内大手のbitFlyerでは、先物乖離を示す値が1.0%を下回るなど、先物解離5.0%超でSFDが常態化していた19年6月の強気相場のピーク時水準の1/5程度にすぎない。

少ない資金を元手に高レバレッジ運用を好む個人投資家の減少は、狼狽売りを助長するボラティリティ(市場変動性)低下に寄与している可能性があり、Googleトレンド推移など一般関心度からも、かつての仮想通貨バブル時の熱狂からはほど遠い。

関連:ビットコインが3年前の仮想通貨バブルほど話題にならない理由=ブルームバーグ

テクニカル面では、今年5月に大局のトレンドをブレイクして騰勢を強めたほか、11月上旬に19年最高値の14,000ドルを上抜いたことで、強気トレンドを決定づけた。

半減期相場で意識されていた抵抗線

一方、足元では、短期間で急騰していることからRSI(相対力指数)などオシレーター系のテクニカル指標は「過熱」を示している。FOMO(後れを取る恐怖)から、高値掴みのリスクが高まっている点には注意が必要と言えるだろう。このまま続伸してATH更新も視野に入る反面、いつ大幅調整が起きてもおかしくないとの指摘も根強い。

なお、ビットコインのオンチェーンデータは過去類を見ないほどの良好な数値を推移。著名アナリストのウィリー・ウー氏によれば、ビットコインのNVT比率は記録的な高さにあり、強気な見通しを示唆している。

マスメディアへの露出も増加

米CNBC経済番組Fast Moneyでは、「ビットコインのビッグラリーが今後も続くか」というトピックでトークセッションが行われた。

肯定的な意見では、大手投資企業SkyBridge Capitalが仮想通貨投資を検討している事例が挙げられた。同社が米SECに提出した目論見書の中で、ビットコインだけでなく、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)銘柄を含むアルトコインも投資検討対象にするとされる。

米ワシントンを拠点とするTokenMetricsIanBalina最高経営責任者(CEO)は、「マクロ的な経済要因や大企業の仮想通貨業界により強気だ」と指摘する一方、BTC価格について「12月第1週までに約14,000ドルまで大幅調整する」との見立てを示した。

国内でも、テレビ東京の経済番組「Newsモーニングサテライト」などで、ビットコインの高騰が取り上げられたほか、シティバンクのアナリストが非現実的とも思える強気予想を開示するなど、仮想通貨市場を取り巻く環境にもさまざまな変化が見られる

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