はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

チャート上では上昇トレンドへの転換が示唆、ビットコイン最高値700万円も視野に 仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(2日〜8日)の仮想通貨相場

今週のビットコイン市場は大変に堅調だった。5ヶ月ぶりの水準となる600万円台を記録、著名投資家ジョージ・ソロス氏が運用するファンドでビットコイン保有が明らかになるなど、機関投資家の流入を示唆する動きも観測されている。


目次
  1. bitbank寄稿

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

2日〜8日レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、週明けから上値を追う展開を繰り広げ、8日正午時点ではおよそ5ヶ月ぶりに節目の600万円を回復している。

バイデン米大統領が米国のデフォルト懸念を示す中、週明け米時間に起きたFacebook系列のアプリ障害によりブロックチェーン技術が脚光を浴びたこともあり、BTCは540万円に乗せると、Coinsharesの機関投資家マネーが暗号資産(仮想通貨)市場に流入しているとの旨のレポートや、アルトコインの上昇、さらにはムーディーズが米国のデフォルト回避の見通しを示したことで、相場は560万円台に乗せた。

これにより相場は5万ドル水準と、4月高値(史上最高値)と9月高値を起点とする長期下降トレンドライン(第2図内青線)の上抜けにも成功。その後は5.2万ドル水準で上値を抑えられるも、予てから仮想通貨保有が噂されていたソロス・ファンド・マネジメントが小額ながらも仮想通貨保有を認めたことや、鯨による買いが入り、相場は620万円周辺まで上値を追う展開となった。

一方、週後半からの相場は、5.5万ドル台中盤で上昇一服となると、アルトターン気味にジリ安に転じた。8日夜に米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見ムードが広がる中、7日にはJPモルガンが機関投資家はインフレヘッジ資産として金よりBTCに注目しているとノートで明かしたことや、米上院与野党が年末までの債務上限引き上げで合意したこともあり、600万円周辺で底堅い推移となっている。

先週からの上昇により、BTCは短期下降チャネル上限(第2図内橙線)と長期下降トレンドラインの上抜けに成功し、チャート上では上昇トレンドへの転換が示唆された。次の上値目途としては、対ドル2月高値や節目の密集する5.8万ドル(≒650万円)や、史上最高値の700万円周辺が挙げられる。

【第2図:BTC対円チャート(日足)(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

また、今週はBTCが5万ドルに乗せるタイミングで米国の期待インフレ率を示すブレイクイーブンインフレ率(BEI)が2.46%まで上昇しており、およそ4ヶ月続いたレンジを上方ブレイクしている(第3図)。足元では、サプライチェーンの逼迫、エネルギー価格の高騰、労働力不足、さらにはコロナ禍からの出戻り需要が物価上昇に圧力を掛けている懸念があり、こうしたこともBTC相場を支える一因となっているか。

こうした中で迎える9月の雇用統計だが、水曜日のADP雇用レポートの結果と市場の反応からして、市場が予想するほどの50万人前後の労働者数増加ではあまりインパクトは大きくないと指摘され、シジオウの予想通りとなればBTCには上値を試す余地はまだあるだろうと見ている。

採掘難易度の6週連続上昇、機関投資家の関心度改善、さらに目先の米債務上限問題解消など、BTC相場を支える材料は十分にあるか。

【第3図:米10年物ブレークイーブンインフレ率(左目盛:青)、BTC対円(右目盛:橙)チャート(日次)】

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:下降トレンド続いたビットコイン、センチメント転換の分岐点に突入か

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧