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ビットコイン急落で3万ドル割れ、取引の注目データをプロが考察|仮想NISHI氏寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインマーケットレポート(5月10日~16日)

執筆時点(5/10 12:00時点)において、ビットコインは節目となる3万ドル付近まで大きく下落している状態にある。

主な要因として、①プーチン大統領がロシア戦勝記念日(5/9)に停戦への見通しを出さなかったことによる、制裁(資源輸入規制)のコストプッシュインフレの継続懸念 ②前述のインフレ抑制のための金融引締観測 ③ダウ年初来最安値の連れ安 の3点が挙げられる。ただし、急落はしているものの、先物市場をみると需要超過となっている。

足もと

節目の3万ドル付近でアクティブOIが乱高下(下画像赤枠)しており、買い手と売り手の激しい攻防が見られる。特に世界第1位のビットコイン保有企業であるMicroStrategy社が公表している最新のビットコイン平均買付単価が3万700ドルであり、市場ではこのラインに意識が集中している可能性が高い。

先物市場を見ると、現物価格が先物価格より高いバックワーデーション(下画像青枠)となる取引所も出ており、需要超過が見られる。

外部環境

米国株価指数、特にNasdaq100との相関が0.89と、かなり強くなっている。4月は0.50付近で推移しており相関をやや弱めていたため、直近の相関の強まりは市場全体のリスク資産総売りにビットコインが連れ安となったためである可能性が考えられる。

これは、ロシアの戦争継続や、中国のロックダウンなどによる景気後退懸念が、ヘッジファンドの45日ルール(ファンド出資者は決算の45日前までに解約等通知をしなければならない・詳細注1)該当日付近と重なったことが要因として挙げられる。

ビットコインがヘッジファンドの45日ルールの該当日付近に急落することは2018年11月中旬をはじめとして過去に何度か観測されており、今回もそれに該当したと思われる。金利動向をみると、米国長期金利(US10Y)、短期金利(US02Y)は上昇基調であり、ビットコインには逆風が続いている。一方、米国10年債利回りと2年債利回りの差である期待インフレ率(BE・下赤線)は下げ止まりの動きを見せている。

注1・ヘッジファンドの45日ルールの日本株への影響は?

成行売買動向

現物を中心とした断続的な成行売りの優位が続いている。3万ドルに近づくにつれ、売りと買い両者の成行取引の出来高も大きくなっている。

加えて、3万ドルに非常に強いBid(下画像赤矢印)があり、3万ドル付近で下落が鈍くなっている。直近ではBidの比率が高まっており、急落が止まりやすい状態となっているといえる。

デリバティブ市場

デリバティブ市場は全体的に現物価格に比べて低い価格(赤枠)で取引されており、売られすぎの状態となっている。加えて先物市場においても、一部現物価格より価格が低いバックワーデーション(需要超過)となっているほか、全体的にもデルタニュートラルポジション(先物売り+現物買い)を仮定した場合の利回りが2%程度にとどまっており、上昇している米国金利と比べて割安感がでてきているため、先物ショートポジションを解除する要因となりやすくなっている。

先物市場

未決済建玉(OI)は下落基調であったが、3万ドル付近となった直近で上昇している。またAsset Managerも価格差益を狙うLeveraged Fundsも、ともに直近ではショート比率を高めている。

オンチェーン動向

現物取引所への入出庫は、3万ドルに近づくにつれ急増している。全体動向を見ると、売りに繋がりやすい入庫優位から、売りが入りにくい出庫優位にやや変化している。

ハッシュレート

ハッシュレートは世界的な資源高にも関わらず、堅調な動きが続いている。次回難易度予想は+5.29%の難化予想。

直近のクリプト指標

  • 5月11日 米国消費者物価指数(CPI)公表
  • 5月13日 TMRW Conference 開催予定日
  • 5月15日 BCH定期ハードフォーク予定日

総括

3万ドル付近はMicroStrategy社が公表している平均買付単価付近であり、また昨年テスラ社がビットコイン購入をサプライズ発表し、その後の大きな上昇の起点となった価格帯にも近いため、市場においてかなり意識されていると考えられる。

外部環境では逆風が吹いているものの、内部環境は売られすぎの状態にあり、3万ドルをめぐった攻防や反発など激しく売買が起こる可能性がある。

寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
「暗号資産もSBI」を掲げる、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者としても、日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。
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