マクロ経済と金融市場
18日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比10ドル(0.03%)安、ナスダック指数は4ポイント(0.03%)安といずれも小幅安で取引を終えた。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比2.66%高の30,265ドルに。
3万ドル台を回復した。
資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、暗号資産(仮想通貨)投資信託などの資金フローは、再び流入超過に転じている。
資産クラスに対するセンチメント(市場心理)の改善が続いた結果、先週は1億1,400万ドルの流入を記録。過去1ヶ月間で3億4,500万の流入超過に。この内、米国とドイツでそれぞれ5,800万ドルと3,500万ドルの流入が確認された。
この点についてCoinSharesは、相次ぐ銀行破綻など伝統金融に対する信用不安からくる資産の逃避需要との見立てを示した。
一方、米規制当局の強硬姿勢により、相場の先行き不透明感は高まっている。
CFTC(米商品先物取引委員会)のRostin Behnam委員長は14日、プリンストン大学のイベントでバイナンスに言及。仮想プライベートネットワーク(VPN)および難読化ツールの利用によって故意に米国の規約に違反したとの見解を示した。
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米SEC(証券取引委員会)は今年2月以降、米暗号資産(仮想通貨)取引所のクラーケンやBittrexを「証券法違反」で提訴したほか、最大手取引所コインベースにウェルズ通知(警告書)を発行した。
提訴に先駆けてウェルズ通知を受けていたBittrexは、米国における暗号資産規制の曖昧さを問題視。米国事業の閉鎖を決断するとともに、裁判で訴訟の不当性を立証する意向を示していた。コインベースも米国からの撤退を示唆している。
アルトコイン相場
イーサリアム(ETH)ネットワークでは、大型アップグレード「上海(Shapella)」後初めて、過去24時間のステーキング入金額と出金額が逆転した。
オンチェーン分析プラットフォームNansenによると、約95,000ETHが入金され27,000ETHが引き出された結果、ネットフローでは約68,000ETHの純増となった。
出金保留中のイーサリアム(ETH)総額は、約927,000ETHとなっており、Shapella直後のピーク時より約30%減少した。引き出されイーサリアムは必ずしも売却されるものではなく、APR(年換算利回り)のより優れたステーキングプロバイダーにローテーション(再投資)することも選択肢に含まれる。
Glassnodeのデータによると、ETH2.0プロトコルへの預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」は1,862万ETH。
インフレーション・レートでは、21年8月のロンドン・ハードフォークで導入されたETHのトークンバーン(焼却)とThe Merge(ザ・マージ)の影響により、ETHの供給量は年1.5%の割合で減少しているとみられる。
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その他個別銘柄では、昨年11月に破綻した大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのネイティブトークンであるFTT価格が再上昇。前日比13.0%高、前月比52%高と高騰した。
ブルームバーグの報道によれば、背景にはベンチャーキャピタル(VC)Tribe Capitalの共同設立者が1億ドルの自己資金のほか2億5000万ドルの資金調達ラウンドを主導する可能性を検討していることが明らかになった。無担保債権者の公式委員会とFTXの事業再生計画について協議した。
FTXの新CEOで破産弁護士のジョン・レイ氏は今年1月、FTXの事業再生計画のタスクフォースを立ち上げた。同氏は、2001年に巨額不正会計事件を引き起こし、経営破綻したエネルギー取引企業「エンロン」の破綻処理で陣頭指揮を執った人物だ。
FTX事件でも破綻処理にあたっており、事業譲渡や売却などの資金回収を進めて顧客および債権者への返還を目指す一方、交換業の再稼働を含めた一部事業の再建を模索している。
債務超過に陥り破綻したFTXでは顧客資産の流用など不正行為が次々と明るみになったほか、FTTトークンを担保に借り入れた負債総額が膨らむなど、顧客資産を預かる大手事業体として著しいガバナンス欠如を露呈した。
FTXおよびアラメダ・リサーチの騒動を機に暴落したFTTは、FTX破綻直前の1/20以下まで価値を下げていた。例え事業再生が叶ったとしてもFTTが再び利用されるかどうかは不透明な状況にあることから、投機的な値動きを訝る声も挙がっている。
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