はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「仮想通貨取引の申告分離課税検討すべき」自民党web3PTの新ホワイトペーパー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日本をweb3の中心に

自民党は12日、デジタル社会推進本部と同本部のweb3プロジェクトチーム(PT)が合同会議を開き、提言に当たる「web3ホワイトペーパー2024」を策定したことを発表した。

暗号資産(仮想通貨)取引の損益を申告分離課税の対象にすることを「ただちに対処すべき論点」として提言するなど、web3PTがホワイトペーパーをとりまとめ、すでにデジタル社会推進本部が内容を了承。その後に政務調査会の審査を経て自民党の政策になると、web3PT座長の平将明議員が説明した。

ホワイトペーパーでは「我が国をweb3の中心にする」と掲げ、法人税制の改正などこれまでの環境整備実績に言及。そして、このホワイトペーパーは「web3エコシステムを我が国の発展に取り込むことに加え、社会基盤となりうるブロックチェーンテクノロジーの発展を強力に後押しするための提言である」と説明した。

関連24年度税制改正大綱を閣議決定、 法人の暗号資産「期末時価評価課税」が対象外に

以前から日本の投資家が改正を希望している取引に関する税制については、以下の内容をただちに対処すべき論点として挙げている。

  • 損益を申告分離課税の対象とすること
  • 損失の所得金額からの繰越控除(翌年以降3年間)を認めること
  • 暗号資産デリバティブ取引も同様に申告分離課税の対象にすること
  • 損益は、保有する暗号資産を法定通貨に交換した時点でまとめて課税対象とすること

また、暗号資産取引については、レバレッジ倍率についても提言した。上述した税制と違い、レバレッジ倍率は「web3のさらなる発展を見据え議論を開始・深化すべき論点」に挙げている。

web3PTは、国内の個人投資家に対して規定されている2倍のレバレッジ倍率は顧客保護の観点からは適切であるとも考えられるが、より高い倍率を提供する海外事業者に多くの取引が流出していて、かえって顧客保護に反するとの指摘もあると述べた。そして、以下のように提言している。

現行の暗号資産デリバティブ取引のレバレッジ倍率上限の適切性について、負の影響の存在の有無とその程度、レバレッジ倍率上限を引き上げることによる当該負の影響の解消の可能性、レバレッジ倍率上限を引き上げることにより生じる取引リスクとの程度などについて、業界や専門家の協力を得ながら、調査と検討を行うことが望ましい。

関連暗号資産の国内レバレッジ倍率に改正案、「法人向け倍率」適用を要望へ

ほかにも、web3PTは暗号資産ETF(上場投資信託)について、「日本では認められていないが、海外動向を踏まえ、日本において暗号資産を投資対象とするETFを許容しないことが果たして適切な金融政策であるのかが問題になる」とも記載した。

関連香港のビットコイン現物ETF、中国から巨額資金流入の見込み

ETFとは

「Exchange Traded Fund」の略。金融商品取引所に上場している投資信託を指し、暗号資産に限らず幅広い金融商品が取引されている。

▶️仮想通貨用語集

業界の反応

ホワイトペーパーでは上述した内容以外にも、パーミッションレス型ステーブルコインやセキュリティトークン、DAO(自律分散型組織)、NFT(非代替性トークン)、暗号資産による寄付に対する税制など様々な内容を取り上げている。

今回のホワイトペーパー公開を受け、細部などの問題に対する指摘もあるが、業界からは「多くの要望が反映されている」との声が上がった。アスターネットワークのファウンダー渡辺創太氏は「包括的に、改善すべき主な問題がカバーされている」と評価している。

また、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の小田玄紀代表理事も「要望内容はほとんど全て盛り込まれた」とコメント。「今後はこれを実現していくことが重要であり、実現に向けて行動していく」と述べた。

関連「米SEC長官に限らない?世界の当局が対応する暗号資産取引所規制」|WebXレポート

日本のWeb3政策特集

海外からも注目 日本政府が仮想通貨企業の資金調達に関する規制を緩和へ 日本の仮想通貨税制は本当に変わる?|WebXレポート&インタビュー
CoinPostアプリで優位性を 「暗号資産法人税制のさらなる改正を」金融庁が令和6年度税制改正要望を公開
なぜ日本政府は「Web3政策」を推進し始めたのか?重要ポイントと関連ニュースまとめ 6月1日施行の改正資金決済法で国内ステーブルコイン発行可能に、多国籍企業にメリットも
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年12月最新】
2025年12月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年12月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
07:00
JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧