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相次ぐ取り締まり撤回
トランプ米政権下のSECは仮想通貨業界への規制方針の転換を進めている。NFT市場最大手のOpenSeaが、SECによる調査の終了を発表。同日に明らかになったCoinbase(コインベース)訴訟の撤回と相まって、仮想通貨業界における規制緩和への転換がより鮮明になってきた。
OpenSeaは、NFTプラットフォームとしてSECから厳しい監視下に置かれていたが、今回の決定により調査は終結。2024年に受けたWells通知は、SECが法的措置を検討している証であり、業界内で重大な懸念を引き起こしていた。
また、OpenSeaは今月初めにOS2プラットフォームのベータ版を公開し、米国ユーザー向けのSEAトークンエアドロップ計画も明らかにしている。これらの動きは、規制の不透明感を払拭しつつ、NFT市場の活性化を目指す取り組みと見られる。
一方、CoinbaseはSECが同社に対する訴訟を撤回する方針であると発表。法務責任者によれば、SEC内部での承認プロセスを経た結果であり、同社はこれを「大きな誤りの修正」と評価している。訴訟は、Coinbaseの事業モデルや上場時のS1開示資料の審査にも波及していた。
これらの動きは、新政権下での規制緩和を反映。新たに設置されたSECのタスクフォースは、共和党所属のパース委員が主導し、これまでSECが標的とした仮想通貨関連の企業やプロトコルと対話を改めて重ねている。
仮想通貨のエアドロップを巡る規制のグレーゾーンも引き続き議論の的となっている。議会関係者は、エアドロップの分類についてSECに明確な指針を求め、規制不備が米国投資家に不利益を及ぼしているとの懸念を表明している。
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