
独自トークン発行を検討へ
大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが支援するL2関連プロジェクト「Base」は15日、ネットワークトークンの発行を検討し始めたと公表した。
検討を始めたことは、Xの公式アカウントのプロフィール欄にも掲載。一方で、検討はまだ初期段階で、発行時期やトークン設計、ガバナンスについて共有できる情報はないとしている。
L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待できる。
今回の内容は、「BaseCamp 2025」というイベントやBaseのブログ、コインベースのXアカウントなどで明らかにされた。Baseはこれまで、独自トークンを発行する予定はないとしてきたため、大きな注目を集めている。
現在は経済圏全体や技術群の名称になっているBaseは最初、イーサリアム(ETH)のL2チェーンとして開発された。そのため、現在もガス代の支払いにはイーサリアムを使う仕組みになっている。なお、現在のL2チェーンの名称はBaseチェーンだ。
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今回のブログでも、これまではネットワークトークンを発行することを考えてこなかったと説明した。Baseをローンチした当初の優先事項は、安全かつ安価で開発者が扱いやすいブロックチェーンとエコシステムを構築することだったとし、この目標を実現するのに独自トークンは必要ないと考えてきたと述べている。
一方、現在は処理速度の向上や安価な手数料を実現して、Baseはブロックチェーンからオープンな技術群へと発展したと説明。エコシステムが拡大し、コミュニティの参加が深くなるにつれて、方針を再考するようになったとしている。
その上で、グローバルなオンチェーン経済を実現するというビジョンを達成するために、ネットワークトークンの発行が1つの手段になりうると主張。独自トークンを活用すれば、Baseの分散化を加速させたり、エコシステムの開発者やクリエイターのチャンスを広げたりできる可能性があると、検討の背景を説明した。
今後について
上述した通り、まだ検討は初期段階で公表できる詳しい情報はないとしているが、3つの公約を強調した。まずは、今後もイーサリアムに深く関与し、イーサリアム上で開発を継続するとしている。
2つ目は米企業として、規制当局や議員と協力していくと説明。そして最後に、コミュニティを重視する考えを示し、オープンにコミュニティの意見に耳を傾けながら開発を継続していくと約束した。
そして、もしトークンを発行する場合は、方針や価値観に基づき、イノベーション、創造性、自由を促進するグローバルエコノミーを構築するという長期的なミッションに沿うようにするとも説明している。
なお、イーサリアムのL2トークンを巡っては、仮想通貨取引所クラーケンが関与する「Ink」が今年6月、独自トークン「INK」の発行計画を発表していた。
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