- オンラインゲームプラットフォームSteamがビットコイン決済廃止
- 取引手数料と価格変動を理由にビットコイン決済の廃止を決定しました。
- 未来的にはビットコイン決済を導入し直すことも視野に
- 再評価の結果、ビットコイン決済がSteamにとって有用であると判断された場合、再度導入することも考えています。
- 手数料の安いライトコインとビットコインキャッシュが決算通貨として名乗りを上げる
- SteamからBTC決済廃止が理由である手数料などの問題をカバーできる通貨としてライトコインとビットコインキャッシュが注目を集める。LTCはバウチャーに採用決定。
人気オンラインゲームプラットフォームSteamが長期にわたる取引手数料や価格変動による問題を理由にビットコイン決済を廃止しました。
2016年4月、ゲーム開発会社バルブ・コーポレーション(Valve)が運営するSteamはビットコインウォレットBitPayと協力し、ビットコイン決済を導入しました。
当時、ビットコイン決済はクレジットカードなどの決済方法が利用できない新興市場でしか考えられませんでした。
ビットコイン決済費用の問題点
12月6日、バルブ・コーポレーションは高い手数料と価格変動を理由に暗号通貨での決済を認めていません。
会社は大きな要因として、Steamプラットフォームを利用しているユーザーの最近数ヶ月での高い決済費用を引き合いに出しました。
会社の説明によると
「今年、ビットコインネットワークからユーザーに請求される取引手数料が急上昇しました。例えば先週の時点では一回の取引につき$20(約2268円)(ビットコイン決済を導入した当時は$0.20(約23円))の手数料がかかりました。ただバルブ・コーポレーションは手数料の決定において全く権限がなく、ビットコイン使用してゲームを購入した際には高い費用がかかってしまっています。そしてビットコインの価値が急落したときにはその問題がさらに大きくなるのです。」
この記事の一部のケースでは、ビットコインから米ドル換算のために差額が発生する場合があることを説明しました。そしてその差額を埋めるために追加取引を要求してもさらに手数料がかかってしまいます。
結果的に、ビットコイン決済はSteamにとって「支持できない」という判断が下されました。
それに伴いバルブ・コーポレーションは「過少支払いまたは取引手数料による懸案問題の解決に向けて働き続ける」と約束しました。
しかし同時に暗号通貨を将来的に再導入することも視野に入れているようです。
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「我々、そしてSteamコミュニティにとってビットコインが有用かどうかを後日になって再評価するかもしれません」
と説明しました。
代替通貨としてのライトコインとビットコイン・キャッシュ
このニュースを耳にし、高額な手数料への解決案として仮想通貨界隈から2つの意見が挙がってきています。
ビットコイン・キャッシュについてはRoger Ver氏(以下、Ver氏)、そして、ライトコインについてはCharlie Lee氏(以下、Lee氏)がこの主題に対してコメントを求められました。 Ver氏は12月6日にTwitterを介して、ビットコイン・ハードフォーク通貨への代替を勧めました。さらに注目すべきは、彼が、Steamに対し、ビットコイン・キャッシュに対応していてBitPayに似た支払い方法を提供するCoinfyを使用することを勧めたことでしょう。彼のツイートでVer氏は、CoinbaseのBrian Armstrong氏及び、BitPayのTony Gallippi氏、Stephen Pair氏をタグ付けしました。
I personally invite @SteamDB to start using the real Bitcoin, #BitcoinCash.
— Roger Ver (@rogerkver) 2017年12月6日
I'm sure @coinify would be happy to help you while we wait for @BitPay and @coinbase to roll out their own #BitcoinCash integration. CC @brian_armstrong @TonyGallippi @spair https://t.co/acovQrsNau
ロジャーバー氏
@SteamDB に対し、本当のビットコインである #ビットコイン・キャッシュ を使用することを勧めます。@BitPay と @coinbase が#ビットコイン・キャッシュ に対応するのを待つ間に、@coinfy は喜んで協力してくれるでしょう。
どちらかと言えば、このメッセージはCoinbase及び、BitPay(大手仮想通貨決済サービス)に対してビットコイン・キャッシュの対応を勧めている内容とも解釈できます。
Coinbaseの元メンバーで、ライトコインの創業者である Charlie Lee氏もSteamの発表に対し回答しました。
Ver氏と同様、Lee氏もライトコインとビットコインの違いについて言及し、BitPayにライトコイン対応を促しました。
Many wrote me today telling me to contact Steam to convince them to support Litecoin. Remember that they use @BitPay to help them accept Bitcoin. So lets instead convince BitPay that they should add Litecoin support because Litecoin is a great coin for payments. https://t.co/f9jW2Uh5Do
— Charlie Lee [LTC] (@SatoshiLite) 2017年12月8日
本日(12月8日)多くの人から、Steamに連絡をとって、ライトコインの採用を説得すべきだという意見をいただきました。しかし、彼らが@BitPayを使用してビットコインを取り入れていたことを忘れてはいけません。よって、代わりに、@BitPay に対し、支払いに最適なライトコインを採用してもらうように説得してみましょう。
LTCで購入可能になる
12月8日にLee氏はBitrefillを使用したライトコイン決済でSteamのバウチャーを購入できることを発表しました。
You can now buy Steam vouchers with LTC! Thanks @bitrefill for supporting Litecoin! https://t.co/U2C1Nd5wck
— Charlie Lee [LTC] (@SatoshiLite) 2017年12月8日
SteamのバウチャーをLTCで購入できるようになりました! @bitrefill ライトコイン対応にしてくれてありがとう!
ライトコインで最も注目すべき性質としては、高速なネットワークと効率の良い取引手数料が挙げられます。
どちらにせよ、サトシ・ナカモトが作成した通貨を代替し得る2つの通貨が、ビットコイン・ネットワーク上で日増しに深刻化しているコスト及び、スケーラビリティという問題を解決してくれることを望むばかりです。
Steam Drops Bitcoin Payments Citin High Fees and Price Volatility
Dec. 7, 2017, by Stan Higgins
参考記事はこちらから
CoinPostの考察
仮想通貨の人気上昇に伴い、ビットコインのスケーラビリティ問題や手数料の上昇は日に日に問題視されています。
一番仮想通貨決済に利用できる通貨なだけに、利用者や決済システム導入店にも影響が出ることに繋がってしまうレベルまできているのかもしれません。
この問題を決済仲介業者が価格フィックスなど、多くの取り組みで解決を試みていますが、結局のところLTCやBCHの決済導入も増えている現状から、決済通貨の世代交代が行われ、ビットコインはGold2.0のような価値の担保として注目される時代へと突入するかもしれません。
またロジャーバー氏は、ビットコインキャッシュ用のデビットカード発行を発表するなど、ビットコインキャッシュを主流の通貨にすることに注力しています。