「仮想通貨のセキュリティ」に関するシンポジウム
日本銀行金融研究所は、12月9日に実施する第21回情報セキュリティ・シンポジウムで「暗号資産のセキュリティ」をテーマとして決定。暗号資産(仮想通貨)におけるセキュリティに関する研究の最新動向について、公演やパネルディスカッションを行う。
情報セキュリティ・シンポジウムは、第一回が1998年に「金融分野の情報セキュリティ」をテーマに実施。最近では、16年にFinTech関連で認証技術、18年には量子コンピュータと金融セキュリティ、19年のはじめに金融とAIなどの機械学習をテーマに実施。暗号資産(仮想通貨)がテーマになったのは今回が初めてだ。
暗号資産(仮想通貨)のセキュリティに関する公演では、現状や課題についてジョージタウン大学のリサーチ・プロフェッサー 松尾真一郎氏がキーノートスピーチを務めるほか、筑波大学 面和成 准教授が「暗号資産のシステムがネットワーク上の攻撃に悪用されるリスク」について、日本銀行金融研究所からも宇根正志氏が「暗号資産におけるセキュリティ上の脆弱性やリスク」について話す予定だ。
日本銀行金融研究所は2019年に、「中央銀行デジタル通貨に関する法律問題研究会」や、「証券取引における分散台帳技術の利用を巡る法律問題研究会」の設置も行い、報告書の公開も行なっている。
仮想通貨のセキュリティは、日本でも一般的な取引所のセキュリティから、コンセンサスアルゴリズムに関連したものや匿名性を悪用した事例など多岐に渡る。今回どのような議論が行われるか、規制の締め付けも強まる日本において、重要なシンポジウムになるだろう。