マイニング報酬の所有権を巡る裁判に進展
仮想通貨ビットコイン(BTC)のマイニングをして得た報酬の所有権を巡り、クレイグ・ライト氏が敗訴した訴訟で進展がみられた。
本訴訟を新たに担当したBeth Bloom裁判官は、クレイグ氏に対し、所有するBTCの入手確認に2月3日までの猶予を与えた。
裁判の経緯
本訴訟では、ライト氏と故デイブ・クレイマン氏が、2009年から2011年の間に共同で行ったビットコインのマイニング報酬110万BTCの所有権が争われている。2013年に死亡したクレイマン氏の遺族は、マイニングを共同で行ったにも関わらず、全報酬をライト氏が着服したと訴えた。
約1年半に渡って行われた裁判は昨年8月、クレイマン氏側にマイニング報酬の50%を受け取る権利とビットコインに関するソフトウェアの知的財産権を認める判決が下され、ライト氏に報酬の支払いが命じられている。
その後、和解へと進んだが、ライト氏は和解金の調達ができなかったことを理由に支払いを行わなかった。報酬で得たビットコインは「Tulip Trust」という信託資金として保管され、暗号化されているという。
ライト氏は現在、暗号化の鍵を別の者が所有しているため、BTCにアクセスができないと主張。その者からBTCの鍵を入手するまで、支払いの指示には従えないと述べていた。もともとは今月末までに確認が可能だとクレイグ氏は主張していたようだが、実現は不透明な状況で、2月3日までの猶予が認められた。
今回の判決を担当したBloom裁判官によると、現時点で確認されている事実には、まだ不明確な点があると判断。今までの審議ではクレイグ氏が所有するBTCの額と所有権にだけ特化してきたが、BTCの額に関しては、現在も明らかになっていないと指摘している。
参考資料 : UNITED STATES DISTRICT COURT