相続手続きにブロックチェーン導入へ
三井住友信託銀行が、大手銀行や証券会社など13社の金融機関と協業し、相続手続きにブロックチェーンを利用する実証実験を開始することが分かった。
預貯金や株式といった相続財産を電子管理することによって、手続きを短縮し、業務の効率化につなげる狙いだ。
今回の実験は、相続財産の調査が対象となる。故人の遺言や資産の整理を行う金融機関は、生前の金融資産を調べて相続する財産の目録を作成するが、その際、銀行や証券会社に残高証明書を送付してもらうなど、調査が負担になっており、時間もかかっていた。こういった問題を解決するためにブロックチェーンを活用し、実証実験で実務上の課題を探るという。
またブロックチェーンの特長を活かし、コストが低くてもデータを改ざんできない仕組みを構築。今月中旬に実験を開始し、2020年度中の実用化を目指す。
今回の実験には、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、三井住友銀行や野村証券らが参加。各企業にIDを割り振り、各自パスワードを設定して専用のプラットフォームに残高等の情報を登録をしてもらう。
今後は換価や名義変更の手続きにもブロックチェーンを利用することを検討しているという。およそ4〜5カ月かかる手続きを半分にし、相続人の負担を減らすことと業務を効率化することが目的だ。
参考資料 : 日経新聞