はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

PoW仮想通貨の懸念「51%攻撃」への反撃に成功 ビットコインゴールドで

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

二重支払いへの反撃が観測される

ビットコインゴールド(BTG)ブロックチェーンで51%攻撃に対する反撃が観測され、ハッカーによる二重支払いの無効化に成功したと、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のデジタル通貨イニシアチブ(DCI)の研究者James Lovejoy氏が報告した。

DCIは米ハーバード大学と共同で「二重支払いへの反撃」と題する、51%攻撃を防御する戦略に関する論文を発表していたが、先月、その証拠となる実際の反撃をBTGブロックチェーンで発見したという。

51%攻撃は、特に小規模なPoWチェーンで懸念に挙がっていた攻撃で、小規模チェーンの対策として、改めて注目される事例となりそうだ。

51%攻撃とは、悪意のある特定のグループがハッシュレートの51%を支配することで、不当な取引を行うこと。

ブロックチェーンの再編成(Reorg)

研究者らは、昨年6月、ブロックチェーンのReorg(再編成)トラッカーを実装し、現在、23のPoWブロックチェーンを監視しているという。 BTGブロックチェーンでは、今年1月23日から2月5日の間に、8つの再編成が観察され、そのうちの4件で合計12858 BTGの二重支払いが行われたことが確認された。

「Reorg」とは、チェーンが分岐した際に、最も長いチェーンへと修正するために統合することで、一本のブロックチェーンとして取引の整合性を保つ役割を果たす。51%攻撃では、ハッカーが、不正取引を承認させるため、意図的にReorgを引き起こすこともある。

そして2月8日、「報復ゲーム」のような、Reorgの反復が観測されたという。

このケースでは、典型的な二重支払い攻撃によるトランザクションの巻き戻しが行われたが、その二重支払いも巻き戻され、最初のトランザクションが再び有効となった。 この行程が四度、2時間半に渡って攻撃者と反撃者の間で繰り返されたが、最終的には元々のチェーンが統合されたため、二重支払いは失敗に終わった。

さらに、2月9日及び11日には、攻撃者によって引き起こされたreorgが、防御者に1回反撃され元のチェーンに統合される「ワンショット」反撃が観測された。

トランザクションの巻き戻しなど、賛否分かれる状況ではあるものの、いずれのケースでも、ハッカーに対する反撃が功を奏したという。

なお、Lovejoy氏は、2月8日の攻撃の応酬は「報復ゲーム」ではなく、「反撃」ソフトウェアのシュミレーションテスト、マイナー同士のバトル、またはネットワークのパーティション化による影響である可能性も考えられると付け加えた。

ビットコインゴールドと51%攻撃

ビットコインのハードフォークにより2017年10月に誕生したビットコインゴールド(BTG)だが、これまでに幾度か51%攻撃に見舞われている。

最大の被害は、2018年5月、複数の仮想通貨取引所から38万8200BTG(時価20億円相当)が盗み出された事件。 また今年1月下旬には、51%攻撃の被害が報告されたものの、取引所間のリスク管理システムによって結果的に攻撃は失敗に終わったと報道された。

Lovejoy氏によると、51%攻撃のコストはハッシュレートの流動性や仮想通貨価格への影響、また攻撃のために必要なブロックチェーンの書き換えの長さ等の要因に左右されるという。

1月下旬の攻撃では、ハッシュパワーのブローカーであるNiceHashが利用されたと伝えられているが、ビットコインのような時価総額の大きい主要通貨では、マイナーがマイニング機器等へ大きな先行投資を行なっているため、ハッシュパワーの貸出には消極的で、攻撃はコストに見合わないと考えられている。

一方、ビットコインゴールドなど仮想通貨では、十分な流動性を持つハッシュレートマーケットが存在し、51%攻撃のコストも費用対効果に見合うと考える向きがあるようだ。

PoWブロックチェーンのセキュリテイ

流動性の高いハッシュレート市場の存在は、そのブロックチェーンネットワークの51%攻撃に対する脆弱性を示唆しており、市場が拡大することはPoWのセキュリティを損なうことにつながる可能性があるとLovejoy氏は警告している。 

しかし、被害者による反撃の可能性は、攻撃の発生を抑止する役割も果たし、攻撃と反撃のパワーバランスがブロックチェーンを保護するのに十分であるならば、攻撃を阻止するためには、どれほどのPoW作業量が必要となるかという問題が提起されると研究者は結んだ。 

出典:Medium

CoinPostの注目記事

「ビットコイン半減期」が一転 仮想通貨市場の懸念材料になる可能性
コロナショックから波及したビットコイン価格の急落で仮想通貨マイナーの収益が大幅悪化。5月の半減期でさらなる収益悪化も懸念される。撤退業者が増加すれば負のスパイラルに陥る可能性も。
速報 仮想通貨ビットコイン一時急騰 米FRBの緊急利下げ受け
仮想通貨市場は16日、日本時間6時にビットコインが急騰。56.4万から64.5万円まで、約1時間で8万円を超える上げ幅を記録した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/15 水曜日
18:50
モブキャストHD、ソラナ投資に5億円を投じる計画
モブキャストHDは暗号資産事業への本格参入を決定し、ソラナ(SOL)購入に向け5億円を投資する計画を発表。ステーキング収益も視野に入れる。
18:30
リップル、南アフリカでカストディ事業強化 金融大手アブサバンクと提携
リップルは南アフリカのアブサ銀行と提携し、アフリカで初の大手カストディパートナーを獲得。デジタル資産の安全な保管と事業拡大を進めます。
17:55
イーサリアムFusakaアップグレード、テストネットSepoliaで有効化 12月メインネット実装へ 
イーサリアムの次期アップグレード「Fusaka」が10月14日、テストネットSepoliaで稼働開始した。PeerDAS技術により処理負担を大幅軽減し、取引速度を最大12,000件/秒まで向上。12月のメインネット実装に向けて段階的にテスト展開中。年内2度目の大型アップグレードでスケーラビリティをさらに強化へ。
17:28
コインチェックグループ、機関投資家向け事業を強化
Coincheck Groupが仏Aploの買収を完了し、国内では事業法人向けクリプト・トレジャリー支援を開始。海外と国内の両面で機関投資家向け事業を拡大する。
17:19
コインベース、インド大手の仮想通貨取引所CoinDCXへ投資 評価額3700億円相当
米暗号資産取引所大手コインベース・グローバルが、インドの暗号資産取引所CoinDCXに追加出資。投資後の企業価値は24.5億ドルと評価される。この出資はCoinDCXが今年7月にハッキング被害に遭った数カ月後。コインベースはインドと中東地域での事業拡大を目指す。
15:00
ブラックロックCEO、資産トークン化を次の成長戦略に 620兆円市場狙う
ブラックロックのラリー・フィンクCEOが、不動産から株式・債券まであらゆる資産のトークン化を次なる成長戦略と位置づけた。世界のデジタルウォレットに保管された約620兆円の資金に着目し、ETFのトークン化を視野に入れている。
14:15
ソルメイトが75億円相当ソラナを購入、キャシー・ウッドのアークが主要株主に
ナスダック上場のソルメイト・インフラストラクチャーがソラナ財団から75億円相当のSOLを15%割引で購入。米大手ヘッジファンドアーク・インベストが11.5%の同社株を保有している。
13:45
バイナンス、仮想通貨の上場費用告発を否定
バイナンスはリミットレス・ラボのヘザリントンCEOがトークン供給量の8%要求を告発したことに対し、虚偽で名誉毀損的だと反論。取引所は上場手数料を請求していないと表明した。
13:20
ニューヨーク市、全米初の自治体仮想通貨専門局を設立
ニューヨーク市のアダムス市長が行政命令に署名し、全米初となる自治体の仮想通貨・ブロックチェーン局を設立した。モイセス・レンドン氏が局長に任命され、責任ある仮想通貨の利用を促進する。
11:40
バイナンス、韓国への再進出なるか 当局がGopax買収で二年半ぶりに審査再開=報道
韓国当局が仮想通貨取引所バイナンスのGopax買収審査を約二年半ぶりに再開したと伝えられる。米国での訴訟取り下げが背景で、今年中の役員変更承認の可能性もある。
11:25
テザー、セルシウス破産管財団に約450億円和解金支払う
ブロックチェーン・リカバリー・インベストメント・コンソーシアム(BRIC)は、テザーがセルシウスネットワークの破産管財団に約450億円を支払ったと発表した。2024年8月に提起した訴訟が和解に至った。
10:40
ウィズダムツリー、ステラ(XLM)ETPを欧州市場で上場
米ウィズダムツリーがステラブロックチェーンのネイティブトークンであるXLMに投資できるETPを欧州で立ち上げた。現物裏付け型で管理報酬は0.50%と欧州最低水準となる。
10:25
米カリフォルニア州、休眠仮想通貨の強制清算を阻止する法案成立
米カリフォルニア州で休眠仮想通貨の自動清算を禁止する法案が成立。現物のまま州政府に移転され所有者は価格上昇時に恩恵を受けられるようになる。
10:20
イーロン、ビットコインのエネルギー基盤構造を評価
イーロン・マスク氏は、仮想通貨ビットコインは法定通貨で見られる増刷による価値低下に耐性があるとの見方をXに投稿。最近はマスク氏がビットコインに言及するのは珍しい。
08:00
S&Pグローバル、チェーンリンク経由でステーブルコイン評価を提供開始
S&Pグローバルがチェーンリンクと提携し、ステーブルコイン安定性評価をブロックチェーン上で提供すると発表した。格付け機関の評価がスマートコントラクトで直接利用可能になるのは業界初となる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧