NY原油先物、0ドル割れで初の「マイナス価格」に

NY原油市場で、83年の先物上場以来初めて、原油価格が0ドルを割りこみマイナス価格を記録した。

ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物の期近物は、一時1バレルマイナス40.32ドルの安値をつけた。

先物価格がマイナスのまま期日を迎えれば、原油現物の引き渡しで、現金を受け取れることになる。

WTIとは、米南部のテキサス州とニューメキシコ州を中心に産出される原油の総称であり、WTIの先物は、米ニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されている。

価格がマイナスに振れたのは、5月受渡の先物に限られる。最終取引日を4月21日に控えた期近の5月物で、現物を引き取りたくない投資家を中心に、損失覚悟の売りが走った。

理由は、WTI先物の受け渡しを行う米オクラホマ州のクラッシングで、貯蔵能力に近づき保管料が急騰したため。石油関連企業などは、現物の引き渡しをする行ったあとの保管料や保管先が見つからないことを懸念して、期日前に投げ売りが行われた。

期日を迎えた場合、現物の受け渡しが行われる関係から、現物の引き受け権利を押し付け合う状況に発展したことを意味する。

WTI原油は、オクラホマ州クッシングにある受渡地点が重要な積み替え場所となっており、貯蔵施設および同値で交差するパイプラインによって、精油所および供給業者に容易なアクセスを提供している。

全米各地から一度クラッシングに流入し、多くのパイプラインを通じ各地に供給される。

異常事態が期近物に限られる今回の状況は、原油先物の限月間スプレッドにも表れている。

混乱が長引き、石油業界のダメージがさらに深刻化、世界最大の天然ガス生産国である米国でシェールガス企業の経営破たんやデフォルト(債務不履行)が相次ぐようなことがあれば、債券市場への直撃は免れない。そうなれば、為替や株価、ビットコイン市場などに間接的な悪影響をもたらす可能性も懸念される。


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