ビットコイン再び7000ドル割れ
21日の仮想通貨市場は軟調な展開に。ビットコイン価格は、原油価格急落の影響を受けた株式市場の値動きに連れ安する形で、日本時間朝方にかけて下落した。
原油市場では、国際的な指標となるWTI原油先物の期近物が急落。83年の先物上場以来初めて、0ドルを割り込みマイナス価格を記録した。
新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が制限されたことを受け石油需要が激減、余剰分が在庫として積み上がっていることも影響して、買い手がつかないマイナスに落ち込んだ。
NY原油先物の受け渡し場所であるオクラホマ州クッシング地区の原油在庫も貯蔵能力に近づいており、売却先を確保することができずに保管コストの負担だけを迫られることを懸念した損失覚悟の投げ売りが発生した。
「マイナス価格」とは、買い手ではなく売り手が報酬を支払うことで原油を買ってもらうことを意味する。
原油価格の暴落は、米国のエネルギー産業の経営を圧迫する可能性があり、実体経済への影響も懸念される。米原油先物が史上初のマイナス圏に陥ったことを受け、新型コロナのによる世界経済への悪影響が改めて浮き彫りになった。
また、米株式市場との相関を強めるビットコイン市場への影響も必至だ。
市場データフィード/分析サービスを提供するSantimentが3月末に報告したレポートによると、米株式市場との相関関係は、仮想通貨バブルが弾けた2018年2月以来となる、0.6を記録している。
過去の統計データから、株式市場のリスクオフ局面で相関を高める傾向がある。
仮想通貨市場ニュースの注目ポイントは
なお、コロナウイルス感染拡大の影響は、仮想通貨業界にも波及している。
米国時間20日には、イーサリアム関連の開発企業ConsenSysが今年2度目の従業員の解雇を発表。感染収束の先行きが見えない新型コロナウイルスは、業務に多大な影響をもたらしているとして、職員の14%(90人)を解雇した。
このニュースを受け、イーサリアム価格の下げ幅が拡大。イーサリアムに特化したソフトウェア開発・投資を手がける同社の事業縮小を嫌気してビットコインを上回る下落を記録した。
米国で新たなBTC先物取引
また、米CFTC(商品先物取引委員会)が、新たなビットコイン先物の取引を許可した最新ニュースはマーケットに反映されていない。
Bakktに続き、ビットコインの先渡取引の米国2例目となった今回の事例も、Bakktの取引高低迷が続いている状況を受け、市場は短期的な需要は低いと見た可能性がある。ビットコイン難易度調整:本日
最も注目したいのは、ビットコインネットワークが本日15時ごろに難易度調整を迎えることだ。
BTC.comのデータ(8時時点)では、難易度調整は「+8.83%」と大幅な難化予想する。難易度が迫った21日には、ハッシュレートが多少下落する動きも見られたが、依然として高水準を維持しており、このまま推移すれば、昨年9月以来の約10%のプラス調整が実施される。
SHA-256チェーンからの切り替えや半減期前の駆け込み需要などを受け、ビットコインハッシュレートは、コロナショックに伴う暴落前の水準まで回復しているものの、今回の難易度調整後にハッシュレートが維持されるかが直近の注目ポイントとなりそうだ。
ビットコイン半減期までは今回を含め2回の難易度調整を予定するが、ボトルネックの価格が上昇しない中で、難易度が大幅プラス調整されることは、市場の警戒ポイントにもなり得る。