デジタル人民元普及の条件とは
中国の4大商業銀行の一つ 中国銀行の李礼辉元総裁によると、現在テストが行われているデジタル人民元(DCEP)は間もなくローンチされるとのことだ。
李元総裁は、ネットメディア「人民網」の放送で5日、デジタル人民元が主流となるために必要な4つの条件を明らかにした。
- 卓越した効率性(利便性)
- 低トランザクションコスト
- 商業価値のある十分な経済の規模
- 人々が受け入れること
これらの条件がデジタル人民元が普及するために必要になると述べ、デジタル人民元について懸念される、お金の流れを把握できることでのプライバシー保護について、金額の制限などのもとで匿名性のある取引も可能だとした。
中国ではアリペイやWeChatペイなどの決済サービスが普及しており、スマホなどを経由する電子決済手段への抵抗は世界的にも低い国になる。
また、国内の経済規模が大きく、自国単体で十分な市場を確保することが可能であることから、技術的な問題がクリアされれば、デジタル人民元が急速に普及する環境は他国と比べても整っていると言えるだろう。
CBDCで世界をリード
中国はCBDC(中央銀行が発行するデジタル通貨)の開発に積極的で、2014年ごろから開発を行ってきた。
デジタル通貨研究所を中心としてプロジェクトは進行しており、既に深センを含む国内4都市で試験運用が行われている。
5月には河北省の一部地域で公務員の交通費手当をデジタル人民元で支給する試みが予定されており、ローンチまでの日程などは発表されていないが、中国はCBDCの最初の発行国になると目されている。
参考:人民網