マルチクライアントが2.0遅延の要因
仮想通貨イーサリアム2.0のマルチクライアント用テストネットはローンチされたところだが、プロジェクトを率いるDanny Ryanによると、このプロセスはETH2.0「フェーズ0」のローンチが遅れている原因の一つである。
同時に、マルチクライアントシステムの重要性も語った。(Consensusの登壇)
元を言えば、フェーズ0は今年1月にリリース予定だったが、ネットワークの設計変更のため延期されている。イーサリアム財団リサーチャーのJustin Drakeなどによると、現在はイーサリアム誕生5周年となる7月30日が、メインネット始動の目標日として語られている。
11日のコンセンサスカンファレンスで、創設者のVitalik(ヴィタリック)は、マルチクライアントのテストネットが数日前に始動したことを明かし、順調に進めば7月末に間に合う可能性が高いとコメントした。
一筋縄ではいかない検証
ただし、Ryanによると、テストネットの検証は複雑なものとなる見通しだ。
マルチクライアントのテストネット名は「Schlesi」。「Schlesi」は幾つかの段階を踏んで完了する予定だが、これからバグが見つかったり、バージョンが衝突したり、また、新たなクライアントがオンラインになった際などに、テストネットを再起動する必要が生じてしまうという。
「クライアントが1つだったら、すでにメインネットへの移行が完了しているかもしれない」と語り、マルチクライアントによる複雑なテスト過程に時間が費やされている、と説明した。
マルチクライアントはセキュリティ確保が重要
一方、Ryanは「労力こそかかるがマルチクライアントシステムはネットワークのセキュリティを維持するために重要だ」と語る。
ある一つのクライアントに重大なバグが発生してダウンしてしまった場合でも、他のクライアントに実行ノードが分散されていれば、ネットワーク全体が停止することは防げるためだ。
現在、ETH2.0用として7つのクライアントが実装。イーサリアム財団のTrinity、Prysmatic LabsのPrysm、Sigma PrimeのLighthouse、StatusのNimbus、ChainSafeのLodestar、PegaSysのTeku、NethermindのCortexとの7つ。
Ryanによると、スピードとセキュリティの点でLighthouseは「これまでで最もパフォーマンスの高いクライアント」である。ネットワークのバックボーンはPrysmとLighthouseで開始され、NimbusとTekuが同期して、バリデーターが適切に動作するようになっているという。
現在イーサリアム財団は、フェーズ0メインネットのリリース直前までバウンティプログラムを強化中で、バグを発見した者はいつもの倍の賞金を手にすることができる。まさに、鋭意制作中と言えるだろう。
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