マイナス金利政策の影響
シンガポールを拠点にする資産運用企業Stack Fundsが、各国の金利引き下げ政策によって、仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)の注目度が上昇するとの見解を示した。
同社は14日にウィークリーレポートを公開。「日本や欧州に続いて、米国がマイナス政策を導入する可能性が高まっている」と述べた。金利が下げられ、中央銀行からの現金の供給が増加していけば、経済に悪影響を与え、デフレスパイラルにつながる可能性があると指摘。株などの伝統資産市場で不確実性が高まれば、投資家はBTCに注目するだろうと述べている。
BTCは(株や債権など9伝統資産との相関性が低く、価値の保存手段として利用できる。ポートフォリオに加えない理由はないと説明した。
米トランプ大統領は12日、他の国がマイナス金利政策で成功しているなら、米国も同じ政策を取るべきとする旨のツイートを投稿。米連邦準備理事会(FRB)にマイナス金利政策の導入を要求した。
一方、副作用を懸念するFRBは慎重姿勢を崩さない。3月にゼロ金利政策を復活させたばかりで、「マイナス金利は適切な政策ではない」との見解を貫いており、米国がマイナス金利政策を導入するかは不透明である。
12日には、英中銀ブロードベント副総がマイナス金利政策に言及。追加利下げの需要刺激効果を認めつつ、実体経済に不可欠な融資を行う銀行に悪影響が及ぶ可能性を指摘した。
新型コロナの影響で米国の失業者数は急増しており、実体経済への影響は深刻だ。
FRBのパウエル議長は、今後追加で政策を講じる必要があると述べ、長期的なダメージを避けるには、追加の財政出動が有効だと語った。Stack Fundsは、2008年の金融危機から誕生したBTCは、現在のように景気が後退している時に力を証明すると結んでいる。
Stack Fundsは伝統資産市場とデジタル資産市場の架け橋になることを目指している企業だ。パートナー企業には、米大手仮想通貨取引所コインベースや大手仮想通貨カストディアンのBitGo、仮想通貨関連企業へのサービス提供に重点を置く米シルバーゲート銀行らが名を連ねている。
参考資料 : Stack Funds